忍者ブログ

きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「悪と仮面のルール」中村文則(講談社文庫)



爽やかな恋愛小説。
と、言い切ったら語弊があるかな?
一つの愛の終わりと、新たな愛の始まり。
自己の内面と対峙し、運命と真っ向から向き合い、
逃げることなく生ききった、とある男の人生。
悪だ邪だと御託を並べた男たちは、結局は人生に倦み、無聊に呑まれ、身を滅ぼしていく。
自らを弄ぼうとする運命に巻き込まれるまいと、必死で抗った彼の生き様は、
結局は心から守りたかったものを守り通したとも言える。
かつての己の言葉通りに。
他人の顔が自らの顔として定着していく様は、多分、生命の証。
彼を見送った後、医師や探偵の歩んできた人生が妙に気になった。

悪党(であろう人)たちがペラペラしゃべる言葉がなんだか薄っぺらく感じられる。
内省する彼の言葉の方がよっぽど重くて悲痛だ。
とはいえ、とても読みやすい中村文則作品だと思います。


拍手

PR

「遠い岸辺」英田サキ (SHYノベルス)



人生に疵をもつ、30代・射場と40代・日夏のしっとりとした、でも熱くて甘い恋愛。
成就するまでが、オーダーメイドの服が出来上がってくるまでの期間ってのがいいね。
忘れたころに出来上がってきた服を脱がせる醍醐味。
裏切るより、素直に頭を下げた方が俺得だと思うのに、
見栄やプライドに拘った男には馬鹿だなぁという言葉しかない。
だからこそ、六戸部の懐の大きさが光る。オジサマ、素敵。
裏社会で生きてきた日夏の語る、射場と二人で生きる将来の夢。
これ、ホントに実現してほしいわと、心から思う。
「生きて何かを味わえる者はそれだけで幸せだ」
そう、生きてこその人生。

カッコイイ大人の雰囲気で読ませてくれたお借り本。
でも、ラストは大分デレたね。
楽しかった☆



拍手

「荒野のおおかみ」ヘルマン・ヘッセ (新潮文庫)



疎外感を感じながらも「市民的なわく」の片隅に留まりつづけたハリー。
孤高にはなりきれず、厭世的な方向にも振りきれず、
自殺願望を抱える50近いハリーが出会った少女、ヘルミーネ。
彼女と係わりはじめたことによって、
「市民的なわく」の内側にひっぱられていたことに、
彼は気付いていたのかな?
二面性なんて誰にでもあるし
良いことと悪いことをいったりきたりなんて当たり前。
人間はいつか必ず死ぬの。
終始彼に言いたかった言葉を
最後にモーツァルトがバッサリ言い放ってくれて、
デスヨネー、と大きく頷いて……ヘッセが導きたかったのもこっちだったんだよね?と、
自分なりに納得してみました。

ほぼ書かれた順番にヘッセの作品を読んできての11冊目。
『荒野のおおかみ』というタイトルから今までのヘッセの作風を連想して読み始めると、
その違いにちょっとびっくり。
この作者はこう書かないといけないっていうきまりなんてないからね。
いい意味での衝撃でした。【ガーディアン必読 59/1000冊】





拍手

「nez[ネ] Your Lovely Smell」榎田尤利 (SHYノベルス)



シリーズ最終巻。
原点回帰。すべての謎が眠るモズの森へ。
≪鳥≫によって千里の原点に誘われるわけだけど、予想外のサバイバル展開。
思いがけない戦闘能力を発揮した千代子ママ、素敵。
非合理的な事や勝算のない行動を嫌う鷹目が
感情のままに千里の名を叫んで森の中を彷徨うシーンに胸が震える。
そんな鷹目を求めて、再び自らの武器を手にした千里。
感動的な再会シーンからあっさり大団円にはならずに、焦らされること三ヶ月。
バカバカ言い合いながらの告白は、すっっっごい良かった。
そして、取り戻した日常。
阿莉ちゃん同様、残念なハンサムが私も大好きです。


「インケン眼鏡レス」に笑う。
そこ、ただのインケンでよくない?
まぁ、鷹目はもともと眼鏡のイメージ強いからね。
眼鏡、かけられなくなっちゃったからね。
だから、「インケン眼鏡レス」
それにしたって……と、反芻して笑うエンドレスループ。

拍手

「グノーシスの薔薇」デヴィッド・マドセン(角川書店)



「なんじゃこりゃ!?」と度肝を抜かれたところから始まって、
まさかやるせなさに泣くとは思わなかった。
というか、泣いたら負ける気がしたから頑張って堪えたよね。←何と戦ってた?
人の欲望、身勝手さ、傲慢、猥雑、悲哀、献身、情愛。
人間らしい感情が良くも悪くも渦巻く物語。
よって引き起こされる悲劇や喜劇。
何に重きを置くかによって、己の行動指針は変わる。
彼が最後に選び取ったものは、私には必要のないもの。
だから「何やってんの~~!」と叫びを押し殺しての読了。
ルネッサンス期の歴史と虚構の見事な共演。
すごい作品を読みました。いろんな意味で。

この帯で先入観を植え付けたことによって、
作品の評価を下げる役割を果たしていると思うんだよね。
でも「インディペンデント」紙の評価には同感。なので、引用。
「出だしの俗っぽさに惑わされてはならない。
本書はその奥にぞっとするほど、深く暗い厳格さを秘めている」
厳格さがどこにあるかはそれはそれで謎なんだけど(笑)
おなかいっぱい感満載な感じで頁を閉じてみました。
やっぱ「すごかった」。この一言に尽きるわ。
【ガーディアン必読 58/1000冊】

拍手

「nez[ネ] Smell and Memory 」榎田尤利(SYHノベルズ)




匂いにふりまわされたわけでも、状況に惑わされたわけでもなく。
素のままで向き合って、相手に触れたいと、抱き合いたいと思ったら?
もう、恋だよね。
鷹目はそれを認めることに悪あがきしてるし、
千里がどこまで自覚的かはまだちょっと謎ですが(笑)。
とはいえ。
千里にとってはなかなかにしんどい巻。
迫り来る悪夢は、対峙しなければならない過去。
向き合って乗り越えていくためにも、鷹目が傍にいてくれてよかった。
傍にいるだけで安心して眠れる存在って偉大だと思うの。
「急ぐが、乱暴にはしない」今回の名言はコレ!
着衣を乱した鷹目はやっぱりカッコいい。→

離婚する父母のどちらにつくか。
父と母のどちらにも愛情を持っている場合、
その選択を子供にさせるのはちょっと酷だと思う。
だけど。
あ、ここからネタバレ……というか、私の推測。
離婚→選択→千里たちに仕事の依頼。
ここまでの流れが実は仕組まれたことだったら?
あんな学校に係った人物だったらそこまでやれるんじゃない?と思えてしまうところが薄ら寒い。
さて。真相はいかに?










拍手

「nez[ネ] Sweet Smell」榎田尤利 (SHYノベルス)



仕事と恋愛(まだ未満?)と事件。
絡ませ方が絶妙すぎて一気読み。
においに惑乱されて
自分の気持ちがつかめずに混乱する千里と、
そんな千里に振り回されて頭突きを食らう羽目になる鷹目。
二人の間に別の一人が介入することで、あんなにおもしろくて色っぽいことになるんですね~。
やっぱり私、鷹目の抱き方がとても好き。←聞かれてません(笑)。
だけど、楽しいだけでは終わらないところが榎田さん。
千里の過去が少しずつ垣間見え、
合間に合間に静かに近づいてくる不穏な影。
そしてとうとう……というところで次巻へ。き、気になる!


ものっすごい気になるところで続いてます。
でも、完結してからの一気読みのうえ、抜かりなく全巻積んでてあるので安心なのです。
←積みすぎててあんまり褒められない……(笑)

拍手

「死に向かうアダージョ」小池真理子(双葉文庫)



自己陶酔もしくは自己憐憫の果ての心中。
詰めが甘いから、その計画は破綻する。
そこから先の展開は、巻き込まれた久里子にとっては悲劇だっただろう。
奔走した彼らの知人にとっても、いい迷惑だ。
だが、彼ら二人に限ってはもはや滑稽としか言いようがない。
自分の運命を相手に委ねた責任は自分自身に在る。
思い描いた通りの結果にならなかったからと言って、
相手だけを詰るのは筋が違う。
「絶対」は在り得ない。
「私だったら、死ぬのも生きるのも、好きな男の人の傍を選びますよ」
青砥夫人の言葉がものっすごい健全に響いた。


「ばっかじゃないの」という言葉を胸の中で呟いて、消化不良のまま読了。
『恋』と同時期に書かれたことに対する私の勝手の期待感が大きかった。
やーん。すっきりしなーい!←そもそもすっきりする内容じゃないんですけど(笑)
心中モノは榊原姿保美さんの『雪うさぎ』が私の中では神作品。JUNE作品なんですけどね。




拍手

「nez [ネ]」榎田尤利 (SHYノベルス)



軽快でテンポのよいバディもの。
そして、二人の軽妙な掛け合いがとても楽しいお仕事小説。
協調性が全くなくて神経質な元・エリート鷹目と、
特殊な能力を持った、だらしなくて人懐っこい千里。
まったく噛み合わないアラサー二人が、
仕事をこなしていくうちにカチリと噛み合っていく様がとても小気味よい。
だけど。
所々に滲む千里の心に秘めた寂しさや空疎観に切なくなったりもした。
千里の抱えた過去は、この先明らかになっていくんだろうね。
想いもよらないことがきっかけで身体を重ねたふたり。
鷹目のセックスがとてもカッコ良かった☆
この先、どんなふうに気持ちが寄り添っていくのかとても楽しみ。

そしてラスト。
やるな、ムッツリメガネ。
と、ニヤリとして読了。
次巻楽しみ!

鷹目の心の中ツッコミがおかしくって、笑いながら読んでました。

拍手

「GIANT KILLING 45」ツジトモ(モーニングコミックス)



鳥肌からの号泣。
神様は本当に彼に厳しい。
どうしてここで?と叫びたくなる。
だけど、刹那の先を見据えた彼の言葉に、精一杯のエールを送りたい。
まだ、走り続けることができる。だから、待っている、と。
花森の背中、寂しいなぁ。
そして、宿命の試合はついに決着。
それぞれの想いを抱えて。
「自分に正直に」という達海の言葉が沁みる。
「我を忘れた牛」っていう、ジーノの村越に対する例えがひどい。←褒めてます。
今は全身で喜べばいい。
彼らには次の戦いが待っている。
その前に、日本代表メンバーの発表が!楽しみ。


子どもって、物事の本質を直感的にちゃんと見てるよなぁ、と
ちょっと感心したコータの台詞。
「今度はどのくらい変わるんだろうって
 ワクワクして連れてきたくなっちゃうけどな」
うん。
その通り。
私もわくわくするよ。
平泉監督と持田の短いことばのやり取りにぐっときました。

拍手

  

カレンダー

12 2026/01 02
S M T W T F S
3
5 7 9 10
13 14 15 17
19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

フリーエリア

プロフィール

HN:
みやこ
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- きままに読書★ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]