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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「夏の塩 魚住くんシリーズ1」 榎田尤利(クリスタル文庫)



自分が不幸だと自覚しなければ、それを不幸とは言わない。
どこか壊れた魚住を痛々しいと感じてしまう自分は
確実に引き寄せられる側の人間。
だから、読み進めるのがちょっと苦しい。
それを、痛々しいとは思わない久留米だからこそ、
魚住に変化を与えることができる。
そんな二人を取り巻くマリやサリームたちの助力も然り。
人は、一人では生きられないのだと、つくづく思い知らされる。
そして、彼らのやさしさがあたたかい。
自分の中でだけ完結していた世界に他者の存在が入り込むことで
世界は違った音を奏でて回り始める。
そこで生じた感情をなんと呼ぶのか?
自覚したところで、次巻へ。

雑誌掲載時から読んでいたから、とても付き合いの長い作品。
そして、とても好きな作品。
だけど、読み返していないんだよね。
なんとなく封印してここまできて、やっと再読。
メンタル弱ってるときはやめといた方がよかったかな?
と思わなくもないけど、だからこその今だったのかな?と。
ストレスなさそうってよく言われるけど。
うん。否定はあんまりしないけど。
若干の波はあります。(笑)

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「嵐が丘」エミリー・ブロンテ(新潮文庫)




「嵐が丘」と「鶫の辻」
とても狭い閉塞的な空間で展開された、あまりにも拗れに拗れた人間模様。
最初は「この人たち、何で結婚したんだろう?」と「何でこの二人、結婚しなかったんだろう?」
という問いだけがひたすらグルグル巡っていたけど、
気付けば彼らの愛憎劇に引きずり込まれて一気に読み切りました。
核になるのは「嵐が丘」の三人。
自分を幸せにするために、他の生き方はなかったのかな?と
復讐に身を投じた彼に問いたくなるけれども。
彼女の傍に在ることが至上の幸せだったのであれば、どうしようもないのかな。
でも、やっぱりあなたのしたことは間違ってるよ?と言いたくなるの。
やるせない。
逞しく生き抜く術を本能で知っていた子供たちが手にした未来に安堵した。



愛憎に翻弄された当人たちがどれだけ拗れたとしても、
そんな大人の諍いに巻き込まれて潰された子供がとても可哀そう。
名前がややこしすぎて入り込むのに少し時間を要したけど、
識別できれば一気でした。
【ガーディアン必読 57/1000冊】

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「工場夜景」(二見書房)



無機的であるにもかかわらず、躍動的。
相反するものの共存と混在。
それが、私のイメージする工場夜景。
プロの方が撮った写真は更に「幻想的」という言葉が加わるのだということを思い知り、
頁をめくってひたすらうっとり。
この空間が醸し出す雰囲気が、とても好き。
写真に添えられている一言がまた素敵なのです。
どうしても自分の目で見たくて、川崎の工場夜景を見に行った数年前。
機会があれば、何度でも通いたいくらい素晴らしい光景が目の前に展開していました。
夜の要塞の中で働いている人たちがいる。
彼らが作り出すもので私たちの生活はなりたっている。
ちょっと感動的。
何度開いても魅入ってしまう写真集。

岩沼の製紙工場は盲点だった。
行けるじゃーん。
そして、四日市市でも夜景クルーズやってるんですって!
付き合ってくれるかしら?
無茶ぶりはともかく、ちょっと迷ったけど、買ってよかった!

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「チャイルド・オブ・ゴッド」コーマック・マッカーシー(早川書房)



大きな感情の起伏はなく、明確な理由も示されぬまま、
どこまでも「人」としての営みから外れ、転落していくバラード。
自分と同じ人間の括りだと思えないのか、思いたくないのか、
「人間に慣れている類人猿」という比喩がストンと落ちる。
もはや「犯罪」という言葉では形容しきれない彼の所業。
その根底にはあるのは、原始的、或は本能的な何か。
洞窟の腐臭すら漂ってきそうな緻密な描写。
感情が一切排除されたその描写には、想像の付け入る余地はない。
どこまでも淡々と綴られる渇いた言葉に牽引され、
彼の蠢く深い闇の中に引きずり込まれる。
そして、指先で削り出した光に、自分が人間であることに、安堵する。


鬱々とした感情が振り切れるように揺れたのは、バラードが泣いた時。
美しい自然の光景を目にして泣く資格はあなたにはないと。
そんな言葉を突きつけたくなった。
というわけで、読メ登録1000冊目はマッカーシーで。
どんな本?と尋ねられたら、形容がとても難しい。


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「背徳のマリア 下巻」



上巻に引き続いて黒崎兄弟の話かと思っていたけど、これは彰の物語。
「人の核を成しているのは感情」というフレーズがあるけれども。
彰の核は圭介に向けられた「感情」。
それが自己完結してしまったが故の暴走と悲劇。
安藤の涙が、それが悔し涙であることが、とてもつらい。
内なる世界で時を止めた彰が安息を得たと納得した圭介。
いいの?と思う気持ちもあるけれども、飲み下さなければただ苦しい。
彰は笑ってそこにいるのだから。
手を伸ばせばそのぬくもりに触れることができるのだから。
幸せってなんだろうね? 答えは十人十色。
これからの彼らが穏やかでありますように。

抱え込む前にもうちょっと話し合えなかったのかな?
というのは、彰の抱えた恐怖と執着に同調できなかったが故の愚問なのかな。
彰にとっても、圭介にとっても、そして黒崎兄弟にとっても
安藤の存在が大きかった。
ああ、本当に彼、カッコよかった。
というわけで、ガッツリ鷲掴まれた綺月作品でした。
関連シリーズはこれで読了☆
引き続き読んでいきたい作家さん。



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「空飛ぶ広報室」有川浩(幻冬舎文庫)



頑張って楽しく感想書こうと思ったけど、
頑張るものではないので率直に(笑)
リアルを知るためにはこの上ない構成だと思うし、
リアルを知ってもらうことってとても大事。
でも、リアルに震災を体験した身としては、最後に加えられている
「あの日の松島」に全部持っていかれて、どよーん、となっています。
できれば、違う出版物として出していただけたらありがたかった。
震災を語りたくないわけじゃないんだけどね。
この作品自体は震災を語るものじゃなくて、彼らの再生と成長をわくわくしながら追っていく物語。
だから、この作品は幸せに読み終わりたかった。
Finマークついたところまでは、本当に楽しかったから。


全く感想になってないけど、たまにはアリだよね。
ブルーインパルスは機会があったらリアルに飛行しているところを是非見ていただきたい。
はじめて見たのって、インディー観戦に行ったツインリンク茂木。
サーキット場でブルーインパルスジュニア(改造バイク)の地上でくるくるする可愛い走行(?)を見て喜んでいたら、轟音と共に空を駆け抜けた機体。そのまま披露されたど迫力の展示飛行。
震える程感動しました。
結局、松島基地まで航空祭を見に行くほどハマった思い出。

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「背徳のマリア 上」綺月陣 (ガッシュ文庫)



3篇+描き下ろし。
1作目のモチーフは人魚姫。
だけど、ファンタジーの枠に留まらず、
これなら在り得るかもしれない、というリアルがさすが。
彰の恋はああすることでしか成就し得なかった。
逆に言えば、あそこまでして圭介の傍にい続けようとした彰の情の在り様が痛々しい。
でも、死ぬ気で欲したものを手に入れようとしたら手段なんて選んでいられない。
だから、彰の選択は間違っていないと思う。
それを受け入れるか拒絶するかは圭介の選択。
捨て身の賭けであったことには違いない。
表題の物語の感想は下巻へ。
同じだけの狂気を宿していないと、受け止めきれない結城の妄執。
和己の雁字搦め感が半端ない。怖いな。

描き下ろしは会話として成り立っているのに、
まったく噛み合っていない圭介と彰の心情。
彰サイドに寄ってしまえば、とても切ない。
口は悪いし、乱暴だし、ガサツだし。
だけど、やさしくて困っている人のことは放っておけない
安藤先生、とてもいい人。
懐は広いし、意外とまともなこと言ってるし、
何より彼の抱えた切ない恋情と、純粋な友情がいい。
前半2編の主役カプは安藤に存分に感謝するしかないよね。


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「メルヒェン 」ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫)



ヘッセの紡ぐ『メルヒェン』は、不思議な浮遊感の中に
胸を突かれるようなほろ苦さが織り交ざった物語。
透明な水が流れるような言葉の美しさに浸っていると、
不意に突きつけられた何かに息を呑む。
印象的なのは以下の三篇。
「アウグスツス」
愛されすぎることによる欠落と、見返りのいない愛を抱くことの充足。
ふり幅が極端すぎて疲れ切った彼が痛々しい。
「別な星の奇妙なたより」
彼が迷い込んだ世界こそが私たちの世界。
と、思えてしまったことがなんだか淋しい。
「ファルドゥム」
解けなかった魔法。
『メルヒェン』を冠するに、最もふさわしい物語。

「アウグスツス」を読みながら過ったのは『銀河鉄道999』。
愛されすぎて愛を返せず、生きることを放棄しかけた彼の心理と、
機械の身体で永遠を彷徨う人々の空疎さとが重なったのかな?
幼少期の私はメーテルじゃなくて鉄郎になりたかった。

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「サイメシスの迷宮 完璧な死体」アイダサキ (講談社タイガ)



思い出を大切に抱えていくことと、事象を寸分違わず記憶していくことは意味合いが違う。
思い出と共にその時感じたあらゆる感情がリアルに押し寄せるとしたら?
しかもそれが負の感情だったら?
それはとてもしんどい。
超記憶症候群の羽吹とそんな彼とバディを組むことになった神尾の物語。
異常犯罪の真相を紐解いていくと共に、随所で語られる彼らの過去。
この物語そのものが、この巻だけには留まらない、
綿密に練られたプロットで構成されているのだということに気付かされ、興奮マックス。
彼等はこれからもバディとしての距離感を模索しながら、
良いコンビになっていくんだろうなぁ。
続刊、期待します♪


とりあえず自分が女性警察官の身体条件を満たしていないことは理解しました。
宇宙飛行士もダメなんだよね。いや。そもそもお呼びじゃないんですけど(笑)
父親の死の瞬間に立ち会えなかった神尾の悔恨。
イロイロ事情があって、父親の葬儀の時は絶対に泣くまいと意地を通した私。
素直に泣けるまで一年かかったことをちょっと思い出してみました。

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「OUTLIVE  DEADLOCK season2」英田サキ (キャラ文庫)



頁を開いた瞬間の口絵の素敵さとカッコよさに否応なしにテンションがあがり、
軽口をたたき合う懐かしい面々に再び出逢えた嬉しさを噛みしめながらのふわっとした入り。
そして、表紙に偽りなしのアクション展開。
もう、最高のエンターテイメントでした。
でも、一番の核になる部分は「一本の線を歩いていくような毎日」
この一言に尽きるかな?
同棲していた一年半の間にディックとユウトが日々積み重ねてきた想い。
揺るぎのない愛情の深さが会話や仕草から滲む様子になんだかもう、感無量。
ひと騒動終えて帰り着いた我が家での優しく穏やかな時間が彼らのリアル。

これは特典ペーパーまでで一つの物語ですね~。
ユウティ可愛い。
それにしても、イラストで見るとよりど迫力なイイ男のオンパレード(笑)
目の保養ってこういうことよね。
幸せに読了☆

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