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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ガラスの獅子」北方謙三(光文社文庫)



獅子とは、雄々しく誇り高いもの。
ガラスとは、砕け散るもの。
タイトルの意味を悟った時、覚悟が決まった。
彼はとっくに腹を括ってそこにいるのだということがわかったから。
関島と林。
二人の策士に巻き込まれた形になった野崎だけれども、
結局は自らの意思で首を突っ込んでいく。
事態は次第にキナ臭くなり、
探偵なのか傭兵なのかもはやわからない働きっぷりになっていくわけだけど、
だからこその野崎。
ガラスの獅子が貫き通したプライド。
孤高の獅子が零した本音は、何よりの手向けになるだろう。
そして、満身創痍の獅子は眠る。
明日また、立ち上がるために。


美雨と野崎のちょっとほのぼのしい感じの会話がやっぱり好き。
シリーズ三冊、読友さんからのプレゼント本。
ありがとうございます!

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「ご主人様と犬 3」鬼塚ツヤコ(ビーボーイスラッシュノベルズ)



平の正体がバレたところで、上総と平の間に生じた気まずさと息苦しさ。
距離感の取り方や接し方に戸惑ったまま、
だけど、上総は平を手放すわけではなく、傍に置く。
その間の平の委縮っぷりや落ち込みっぷりには
こちらまで胸が締め付けられる始末。
その空気感に堪えかねて家を出た平。
だけど、彼は上総と共にいることを諦めなかった。
浅知恵でも、考えて行動を起こしたことに意味がある。
結果、大ピンチに陥る訳だけど、Noホストは無敵のヒーローでした。
犬の平と人間の平が
上総の間でだんだんと齟齬がなくなって融合していく。
「素の顔」を晒せるようになったら、それは間違いなく家族だね。
後半はそんなシリアス展開がぶっとぶバカップルっぷり。
お幸せに☆


八百屋さんが練乳くれた瞬間に過った光景がまさにその通り過ぎてな。
自分の思考回路にがっかり。
うん。食べ物、そんなふうに扱っちゃダメ。大事にしよう。
読友さんの「ショボイ」連発がどういうことなのかとっても気になって読んでみたわけですが☆
結果、ショボイ平よりもカッコイイ竟輔に打ち抜かれてのシリーズ読了となりました(笑)

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「遊戯」藤原伊織(講談社文庫)



5編の短編連作は未完に終わる。
もっと彼の織り成す世界に浸っていたいという想いが込み上げる。
だが、彼はもう、どこにもいない。
だから、この物語は終わらない。
彼らの朝は永遠に繰り返される。
陽の光が射しこむ穏やかな朝で良かったと。
そう、思う。
拳銃の存在感が半端ないんだけど、意味するところを考えたところでそれこそ意味がない。
未完の物語の後に収められた短編「オルゴール」は
登場人物たちの悲哀の色を帯びた人生を描いた物語。
燃えるような赤い夕陽を鮮明に脳裏に思い描きながらの終幕。
その余韻は、夕陽の残光のように胸にチラつくのだ。

この、読後にジワジワと波紋のように広がる余韻は藤原伊織ならでは。
未完の『遊戯』とい遺作の『オルゴール』。
これを読んじゃったら、彼の作品は全部読み切ることになっちゃうのよね~、
と、なかなか手を出せなかった作品ではありますが。
今が読むタイミングだったようです。
始まりは『テロリストのパラソル』から。
出逢えて良かった作家さんです。


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「機龍警察 狼眼殺手」月村了衛 (ハヤカワ・ミステリワールド)



派手さはない。
だが、果てしなく重い。
一字一句読み逃すまいと、相当の緊張を強いられながら最後まで項を捲った。
スルリとすり抜ける影。
歯ぎしりしたくなる想いを呑み込んだ直後に思いもよらないところから示された正義の言葉に
涙が滲んだ。
まだ大丈夫、と。
突入班の彼等は多くを語らない。
だが、巨大な陰謀を暴くための捜査をする過程において、
内部での彼らに対する理解と結束が深まった姿に安堵する。
語らぬ彼らのその在り様から学ぶところは多く在るはずだ。
「警察官だ」
その言葉に懸ける特捜部の面々の想い。
暴いて欲しい。
厚顔無恥な輩の罪を。


「本当の悲劇は、ほとんどの国民がそのことに無自覚であるという事実だ」
この言葉を心に刻む。
私には関係ない。
今が平穏ならそれでいい。
それじゃダメなんだよね。
何もできないにしろ、知ろうとすらしないことには何も変わらない。始まらない。
このシリーズは力いっぱいおススメしたい。
読む本に迷ったら『機龍警察』を。(笑)


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「ご主人様と犬 2」鬼塚ツヤコ (ビーボーイスラッシュノベルズ)



自分が抱いた平が人化した飼い犬・平だとは気付かない上総。(そりゃそうだ)
本質が犬の平は言葉の裏側を読むなんてことが出来る筈もないわけで、
吐き出された上総の言葉に傷つくのがなんだか痛々しい。
いたたまれずに逃げ出して、最悪のタイミングでの正体バレ。
さて、次巻、どうなる?
後半は竟輔と守。
バカ犬平に対して竟輔の賢さには目を見張るものが!
いや、もう、竟輔は人化しても犬でもカッコいいんですけど。
守のことを労わりまくったセックスはよかった。最後はアレだったけど。
このカプは安心感あるわ。
主に、竟輔(犬)が若干性格難のある守(人間)を
ちゃんとひっぱっていってくれるという安心感。

隣家の犬を見る目がなんだか変わりそう。
たとえば、月夜になったら?
なんだかわくわくしますね~
「フランダースの犬」ごっこ。
これ、リアルでできちゃうってちょっとすごいんですけど!


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「ご主人様と犬」鬼塚ツヤコ(ビーボーイスラッシュノベルズ)



タイトルに偽りなし。
人間嫌いな飼い主・上総と上総が大好きすぎて人間に変化することになった雑種犬・平の物語。
姿が人間になっても属性は犬。
興味が眼の前のものに点々と移り、集中力は皆無。
服の着方も掃除の仕方もわからない。
だけど、主人に対する忠誠と愛情は溢れんばかりで……
姿は人間でも人としての常識が欠落している平。
手ばっかりかかる平らを上総が受け入れたのは、
彼が向ける好意に嘘がないことだけは伝わったから。
バカだから可愛いのか、バカでも可愛いのか、バカ程可愛いのか。
そしてもう一組。
グレートデン・竟輔と飼い主・守。
こちらは竟輔が上手く立ち回りそうな予感。

ファンタジーです。
でも、こんな不思議があってもおかしくないよね~、という微笑ましさ。
人化した時に都合よく服着てない所も、
その辺りの説明がうやむやにされずにちゃんとしてるところもいい。(笑)

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「楊令伝15 ~天穹の章~」北方謙三 (集英社文庫)




斃れる筈がないと思っていた漢たちが散って行った。
そして、夢は、死んだ。
死んでいった。
いや、そうじゃない。
「死んだ」という言葉は正しくない。
「殺された」のだ。
途中から込み上げるのは、やるせなさと憤り。
最後は怒りに打ち震えながら読了。
卑怯者の国に。
裏切った者に。
でも、理不尽なのが人の世であり、戦場でもある。
潔さだけでは乗り切れない局面がある。
だけど、楊令は私みたいに憤ってはいないと思う。
多分、笑っていると思うんだ。
こんな気持ちで『楊令伝』は終わらない。終れない。
すべてを見届けるためには『岳飛伝』へ飛び込まねばなるまい。


どうしよう……全巻読み終わったのに、ちっともすっきりしない。
というよりも、ちっとも終わった気がしない。
これは、すぐさま『岳飛伝』へ行けってことですか!?
でも行かない。←行けない。
来年のお楽しみなのです。
鉄棒を日本刀に持ちかえた史進。
強さを探求する彼を越える若者は、そう簡単には現れないだろう。




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「野性の呼び声」ジャック・ロンドン(光文社古典新訳文庫)



空気が凍る。
あたかも、未開の雪原に放り込まれたかのように。
胸が軋むほどに伝わってくる半端ない臨場感に
息苦しさを感じながら頁を捲った。
突然に断ち切られたあたたかで優しい世界。
突きつけられた過酷な世界で目の当たりにする
悲哀と、絶望、極限までの寒さ。
それでも、生き抜こうとする彼の命の力強さ。
だんだんとロクでもない人間に挿げ替えられていく主人。
死の淵で巡り逢えたソーントンと交わした愛情。
だけど、そこに安住できなかったのは、彼の業なのか。
次第に強く聞こえてくる彼を呼ぶ声。
眠れる野性の見事な目覚め。
圧倒されての読了。

計画性皆無で行き当たりばったりな人間に振り回される犬たちが哀れ。
これ、会社の上司とか国のトップがこんなんだったら……と考えると、
寒気がする。
身体がぼろぼろになっても持ち場につこうとするデーヴには涙出そうになった。
彼の人生は橇を引くこと以外になかったんだろうな。
淡々と、だけど、半端なく力強く描かれる物語。
100年以上前に描かれているにもかかわらず、ものすごい躍動感。
今も彼等はそこに鮮やかに存在している。
私的にはものすごく印象深い、素晴らしい読書でした。
【ガーディアン必読 56/1000冊】


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「東の爽碧、西の緋炎」綺月陣 (ガッシュ文庫)



激情に駆られるような激しさは今はなりを潜め、
その安心感と安定感に心穏やかに見ていられる龍一郎と竜城。
九堂の手による死を希う廉が、というよりも、
その言葉を聞かされ続ける九堂がとても不憫。
だけど、この二人は安寧と安定なんて求めてないんだろうなぁ。
刹那の全力が何とも危うく力強い九堂と廉。
そして、まさかの次郎と颯太で私、涙出そうになりました。
颯太が颯太でいられるのは次郎のおかげなんだよなぁ、と、改めて実感。
一番年長なのに一番ヘタレなのが次郎な気がしてならない私ですが、
がんばれー!と、50男ののびしろにエールを送ります。
規格外な人たちと渡り合っていかないといけないわけだからね。

というわけで、シリーズ読了!
最後は西のアクの強さに東が喰われちゃった感じがしないでもないですが。
あんなデンジャラススリリングな毎日は遠慮させていただきたいわ。
東京は平和なわけじゃなくて無関心。
なんだか刺さりました。
いずれまた、彼らに出逢える日を楽しみにしつつ。
ご紹介くださいました読友さんに感謝。
ありがとうございます!

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「東の双龍、西の唐獅子」綺月陣 (ガッシュ文庫)



獣シリーズを読んだ後なので、西の極道の笑顔にほっとする。
だけど、修羅を潜り抜けた廉の過去は、底の知れない凄味となって、彼に纏いつく。
西が強烈なだけに、一方の東の極道がとても礼儀正しくてクリーンに見えてしまう不思議。
颯太と廉の偶然……というよりも、必然としか思えない出逢い。
立場や生い立ちの全く関係ない二人の交流に和みながらも、
どうしたって拭えない二人の背後にチラつく特殊な環境の影。
一触即発の危機を回避させた龍が半端なくカッコよかった~。
自分の力の足りなさを自覚している次郎。
一人で完璧じゃなくても、二人で無敵だったらそれでいい。
だからこその「双龍」。
廉と九堂の本質を言い当てた颯太。
廉にとっては至上の言葉だったんだろうなぁ。

亜樹良さんのあとがきヤバイです。
何故廉に携帯拉致られてるの!?じろちゃん!!(笑)
そして、綺月さんのあとがきを噛みしめるように読みました。



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