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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「水滸伝18 乾坤の章」北方謙三(集英社文庫)



風はいつまでも駆け続けるもの。
そう願いたくなるけれども。
確かに貴方たちの行く処に敵はいなかった。
そう叫びたくなるけれども。
突きつけられる現実に涙が止まらなくなる。
もう、ゆっくり休んでいいんだよ、と。
立ち止まった彼にそう語りかけながらも、
公孫勝の涙に誘われるように涙腺が盛大に決壊した。
楊令はまさに梁山泊の申し子。
そこに在る姿に、違った意味で涙が込み上げた。
上官としての童貫の姿は理想的。
だから、彼の軍はこんなにも強い。
その軍との最終決戦。
人は来て、人は去る。
夢のような時を過ごせたのは私も同じだ。


号泣しながら感想打ってる自分に苦笑。
思い返すだけで泣けてくる。
「罵る相手がいなくなった。私を罵倒する者もおらん」
……うわーん。
ここまでくると、楊令伝に手をつけたくなるわけですが。
それは来年のお楽しみにとっておきます。
その前に19巻!大事に読みます。

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「ルバイヤート」オマム・ハイヤーム(岩波文庫)



「有限」であることが怖くて、いつかいなくなる自分がここにいる意味をどうにか見つけたくて。
ぐるぐる惑っていた時期に読んだ詩集。
二十歳くらいかな?
1000年も前の偉大なる詩人も同じようなぐるぐる感を抱えていたんだなーと、
とてもとても共感を覚えることができた詩集。
結局、惑うところはみんな同じ。
「何故生きるの?」そんな問いに正解はない。
大切なのは自分が納得できるように生きられるかどうか。
自分が生きていること自体に意味がある。
当時読んだ色々な本から教えられたこと。
そう思えた瞬間、楽に息ができるようになった気がしました。
だから、私にとってとても大切な詩集。

当時はよくわからなかったけど、今読んでみると、
だんだんと酒に傾倒していくのが、まるで、死に近づいていく現実から
逃避しているかのように受け止められるのがなんだか切ない。
この世の真相?死後の世界?
わかるわけねーよ!
あっちから戻ってきたヤツなんていないんだから。
という、作者に同意(笑)
「酒を飲め こう悲しみの多い人生は
眠るか酔うかしてすごしたがよかろう!」
うん。
お酒はできれば楽しく飲んで幸せに眠りたいです。




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「イスラム飲酒紀行」高野秀行(講談社文庫)



酒飲みの、酒飲みによる、酒飲みも酒飲みじゃなくても楽しめる本。
酒を禁じるイスラム圏を旅する著者が、いかに楽しく酒を飲むかに全力で挑む本。
見つかったら危険が伴うであろう行為を「現地の人たちと楽しく酒が飲みたい!」一心で
ダダをこねる子供のようにやり通す。
時に酒で腹を下して野グソをしたとしても、懲りずに酒を求める。
はっきり言って馬鹿である。
だけど、その馬鹿っぷりは尊敬に値する。
そして、そんなふうに人生楽しめたらいいなーと、ちょっと羨ましくもなる。
酒飲みは酒飲みを呼ぶ。
著者の出会った酒飲みたちは、概ね陽気で面白みのある人たちばかりだ。
個人的には「秘密警察と酒とチョウザメ」の章が好き。
そして、これを読んだら『ルバイヤート』を再読しないといけない気がしてきました。

内容(「BOOK」データベースより)

イラン、アフガニスタン、シリア、ソマリランド、パキスタン…。酒をこよなく愛する男が、酒を禁じるイスラム圏を旅したら?著者は必死で異教徒の酒、密輸酒、密造酒、そして幻の地酒を探す。そして、そこで見た意外な光景とは?イスラム圏の飲酒事情を描いた、おそらく世界で初めてのルポルタージュ。

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「水滸伝17 朱雀の章」北方謙三(集英社文庫)




その男にあまりにも似つかわしい壮絶な死に様に、
読後、たまらずに溜息が零れた。
彼に限らず、戦いの中で散っていった多くの男達。
敵は強大。
圧倒的な数の差はあまりにも大きくのしかかる。
戦闘を「愉しみだ」と言う童貫の余裕が薄ら寒い。
梁山泊に集った彼らは掲げた志のために駆け続ける。
自らの命が尽きる、その瞬間まで。
だが、彼らの命は受け継がれる。
その想いを受け取った仲間たちによって。
そして、彼らの生き様を語り継ぐ者達によって。
「替天道行」の旗に包まれて梁山湖に沈む彼には穏やかな眠りを。
労いの言葉の代わりに、月明りを。


ケイロニアの王に「息子よ」と言われたグインに私、号泣しましたが。
蘆俊儀の「わが息子、燕青よ」でやっぱり泣きそうになってしまった。
血の繋がりがなくとも、心の底から想いあう絆には心が震えます。
そして下村(@ブラディドール)がいますよ!ここに下村が!と、
ふいに叫びたくなるシーンが(笑)
珍しく雄弁な彼の語った壮絶な過去。
窮地に陥ればお互い助けにいくくせに遠慮なく罵りあう相手がいてよかったね。



内容(「BOOK」データベースより)

童貫と〓美(ほうび)が、怒涛の猛攻を開始した。董平率いる双頭山が総力を挙げて迎え撃つが、次々と同志は討たれていく。更なる禁軍の進攻を止めるため、侯健は偽の講話案を進めていた。巧みに高〓(こうきゅう)を信じさせるが、そこには思わぬ落とし穴が待ち受けている。一方、致死軍と高廉の軍の決戦が間近に迫っていた。闇の中で、両者は息を潜め、刃を交える時を待っている。北方水滸、悲泣の十七巻。

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「俺様にゃんこ、極道のもふもふになる」朝香りく(ガッシュ文庫)



とてもかわいらしい猫の恩返し。
助けてもらった恩を返すために人間の姿になった押しかけ居候のアザミ。
最初は不信感を抱えながらもそんなアザミを傍に置くことにした極道・神名木。
ネコ社会の常識でアザミが一生懸命話していることが、
なぜか人間の神名木に通じている不思議。
嘘をついてないし、猫ってそうだよね、って思うアザミの言葉は、
ストン、と心に入ってくる。
人間社会で頑張るアザミの姿が清々しくて可愛いし、
若干誤解も交えつつ、徐々にアザミを受け入れていく神名木の態度も好き。
私的なキング・オブ・オトコマエは神名木ではなく、
アザミの幼馴染の野良ネコのキンメでした。
極道に説教する黒猫……カッコイイ!

もふっとなるもふもふを期待するとちょっと期待外れになっちゃうかな?
これはネタバレだと思わずに主張しますが☆
「俺様にゃんこ、極道の恋人(もしくは愛人)になる!」が
正しく内容を表している気がします。と、おこがましくも言ってみます(笑)
何も考えたくない時や、疲れた時、
ほこっと癒されたい時におススメ。
ものっすごく幸せな気持ちになれます。
可愛かった!


内容(「BOOK」データベースより)

新米ノラ猫のチビは、発泡スチロールで川に流されていたところをヤクザの神名木に救われた。怪我を負ってまで助けてくれた神名木に恩返しがしたいと神社でお祈りしてみたら、なんと人間の姿に大変身!実はそこは猫の守り神がおわす神社で、猫の恩返しに力を貸してくれるらしい。だが、相手に正体がバレて忌み嫌われると、毛玉になって消えてしまうという。短い生涯になっても俺様は恩返しをする!と、チビは神名木のもとに乗り込むが―!?

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「おふろじゃおふろじゃ」オードリー&ドン・ウッド(BL出版)




その日宮廷ではちょっとした問題が勃発します。
なんと、王様がバスタブから出てこなくなってしまいました!
宮廷中の皆様方、そんな王様をお風呂から引っ張り出そうとあの手この手の大騒ぎ。
どんな素敵なお風呂かと思いきや……え?私、入りたくないかも~(笑)
でも、ものすごーく楽しそうな王様を見ていると、ま、それもアリかな、と思えてしまいます。
お馬鹿すぎる大狂乱は、よく考えなくてもそれしかないよね、という収束を向かえます。
ビックリ顔の王様とドヤ顔の小姓で爆笑。
最初は絵の仄暗さにちょっと戸惑いましたが、
読み進めるうちに妙な面白さがジワジワと侵食してきました。→


読友さんのレビューを拝見し、ウチにはなさそうな類の本だなーと思って購入してみました。
来るたびに「新しい本は?」と聞いてくる姪っ子甥っ子ちゃんたちの反応はどうかな?
とても楽しみ☆



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「そして夜は甦る」原尞(ハヤカワ文庫JA)



いい。これはいい。
緻密なプロット。硬質な文体。
謎解きが二重三重に展開されていく物語。
何より、登場人物が魅力的。
それぞれの人生があり、それぞれの言い分があり、それぞれの生き様がある。
事件の顛末と共に、それらをみっちりと書き切った正統派なハードボイルド。
「愛情や真実や思いやりのほうが、
憎しみや嘘や裏切りよりもはるかに深く人を傷つけることを考えていた」
この物語に漂う哀愁を説明するのに、これ以上の言葉はないような気がする。
幸せが手にできたのに。
自らの行為で取りこぼしてしまった名緒子。
なんでかな?理解できないよ。
女として、ちょっと淋しい。→


チャンドラーを呼んだ後に原尞、というのが、なんだか運命的。
チャンドラーに心酔している作家さんなんですね。
佐賀県出身というのも運命的。
北方御大と同じじゃないですか。
「あとがきに代えて」は遊び心満載で面白かった。
著作を追いかけるのが楽しみな作家さんに久々に出会いました!
わー、楽しみ!






内容(「BOOK」データベースより)

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。西新宿に探偵事務所を構える沢崎が立ち向かう難事件の背後には巨大な陰謀が隠され、鮮やかなラストシーンに向って物語はスピーディに展開してゆく。レイモンド・チャンドラーに心酔する、ジャズ・ピアニストの著者が2年の歳月をかけ完成させた渾身の処女長篇。いきのいい会話と緊密なプロットで贈る、期待の本格ハードボイルド登場。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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「パブリックスクール-八年後の王と小鳥-」樋口美沙緒(キャラ文庫)



在るがままの自分を愛してもらいたい。
それは、誰もが心に秘めた想い。
だけど、己の弱さも狡さも、二人で歩んでいく上での困難すらすべて晒すして、
愛してほしい、と、言える人は、多くはない気がする。
震えながら口にしたエドのそんな想いに胸が軋んだ。
そして、この先に立ちはだかる困難ごと、エドを受け入れた礼。
文化の違い。考え方の違い。立場の違い。
全てを受け入れ、自分の在り方は揺るがず、だけど、歩み寄り。
全身全霊で互いを愛している。
いつか必ず、その愛は伝わる。
レイの母の言葉がいつまでもリフレインするような読後が好き。
叶うまではとても苦しかったけど、とても素敵な愛の物語を読ませていただきました。

ペーパーでは素の彼らの日常が描かれていて、とてもとても楽しかった。
「400年」と「愛」というキーワードに、某ミラージュの某直江氏(伏字になってない)が
オーバーラップして違う意味で震えました。(笑)





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「あひるの空 45」日向武史(マガジンコミックス)



「懸けるのは 今だけでいい」
相変わらず綴られる言葉に抉られる。
このメンバーと出逢えたことが奇跡。
共に戦えるのは、今この時だけ。
だから、全力のプレイを。
賢明な彼らの姿が本当に好き。
女子の試合もとても良かった。
新とまどかの友情もとてもいい。
「私を動かした人」
それはお互いに言えることだよね。
自分の全力でのプレイが、全力での声が、相手にとっての力になる。
そんな出逢いも奇跡。
そう思えば、今の自分も小さな奇跡の積み重ねに支えられて、今がある。
みんなキラキラとした宝物。
大切にしたい。
妙院との試合はこれから。
続刊が楽しみ。

大切な人を失った哀しみを抱えているはずなのに。
空のおおらかさって、癒しだなーと思います。
真琴のトゲトゲしさ、なくなるかな?
百春の懸命なダンク顔に大笑い。
やっぱりこの子、好きだわ~。






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「長いお別れ」レイモンド・チャンドラー(



時に冗長に、時に退屈に進行する物語。
だけど、片時も目を離せない。
気付けば、引きずり込まれるように頁を捲りつづける自分がいる。
特別に飾り立てられることはなく、ただ淡々と綴られる彼らの日常。
交差する想い。
少しずつ肉迫していく真実。
そして、ラストにはあまりにもドラマティックな展開が待っていた。
ちょっと震えました。私。
亡くなった友だちのためにコーヒーを淹れるシーンがとても好き。
あんなふうに誰かを偲びたいし、偲ばれたい。
「さよなら」
作中の人物達が何度も何度の口にする言葉。
また会える「さよなら」
二度と会えない「さよなら」
彼らの交わす最後の「さよなら」がとても切なく響いた。

何がびっくりって、再読にも係わらず、
話の展開を全く覚えていなかった自分にびっくり。
でも、おかげでとても楽しく読めました。
初読が1992年って……いくつだ?(笑)
これ、ある程度人生を経験しないと楽しめない物語なのかも、と、
今の私はしみじみと思います。
1992年の私の感想は唸ってました。(笑)
改めて読めて本当に良かった。

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