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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「シティ・オブ・グラス」ポール・オースター(講談社)



小説は不思議な浮遊感に終始捕らわれたまま読み切ったけれども。
漫画の方はNYの街を自分自身が彷徨っているような視点で読みつづけました。
視覚的に明確に描かれている分、
クィンが築きあげた「どこにもない街」で、彼自身が「どこにもいなくなって」しまう現実が
よりリアルに突きつけられた気がして。
「不思議な読後感」と述べた小説版に対して、
こちらは「ゾクリとした読後感」でした。
クィンが現実社会からどんどん乖離していく様がすごかった。
海外文学の小説と漫画の読み比べ。
新しい読書体験でした。

スティルマンの会話表記があんなふうになっているのは意味があるのかしら?
読み取れなかった。(^^;

内容(「BOOK」データベースより)

舞台はニューヨーク。ペンネームの下にミステリー作品を書いて生計を立てているクィン。ある夜から続けてかかってきた間違い電話にきまぐれで耳を傾けると、声の主は探偵ポール・オースターを探しているという。現代アメリカ文学を牽引するオースターの記念すべきデビュー作。

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「耳ラッパ~幻の聖杯物語」レオノーラ・キャリントン(工作舎)



おばあちゃんっ子だった私は、読み始めた直後は家族のマリアンに対する仕打ちに
憤っていました。
92歳の彼女が追いやられたのは老人ホーム。
読み進めるうちに、思いやりのない家族と意思の疎通のない生活をつづけるよりは、
同じような境遇の仲間と暮らす方がよっぽど楽しいのじゃないかと思いは変わります。
経営者の理不尽には納得がいかないものの、
彼女の暮らしぶりはそこで落ち着くかと思いきや。
彼女が手にした不思議な本と、ホームで起こった事件を契機に
私の想像力なんて及ばないところへ吹っ飛んだ、奇想天外な世界に物語は広がり、
最後はワクワクしながら頁を閉じました。

今まで読んだことのない類の本。面白かった!
老婦人たちがとてもお洒落。
そしてカルメラのマリアンに対する友情がとても素敵。
カルメラはこの物語の影の功労者だと思います。



内容(「BOOK」データベースより)

老女マリアンが友人から贈られた奇妙な耳らっぱを手に、老人ホームで痛快な冒険を繰り広げる。92歳のアリスの大冒険。

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「水滸伝10 濁流の章」北方謙三 (集英社文庫)



今はまだ、夢を懐古すべき時ではない。
彼らはまだ、夢の途上にあるのだから。
多くの男達の命を纏い、
次第に大きくなっていく夢の重さを、
頂点に立つ彼らは背負いつづけなければならない。
約束した一勝のために、全力を投じた呼延灼。
台無しにした高俅は阿呆だと思うけど、
おかげで呼延灼の身の振り方が決まったかと思えば胸も爽く。
だが、伴った犠牲は大きかった。
晁蓋と向きう史進の落ち着きと成長ぶりに、感慨深いものを感じ、
呼延灼と向き合った穆公と史進との対話が胸に響く。
韓滔、彭玘、呼延灼の信頼関係がとてもいい。
人を繋ぐのは人。
改めて胸に刻んだ本巻。

呼延灼のイメージは何故か虎。
呼と虎がごっちゃになってるのかな?と、自己分析。
全く関係ありませんが、鞭使い→グフ→ランバラル、と私の脳内は連想します。
ランバラル、大好きです!
韓滔の醸し出す雰囲気がとても好き。
梁山泊にまた素敵なおじさまが!と思ったら、
女傑も少しずつ増え始めました。


内容(「BOOK」データベースより)

官はついに地方軍の切り札・代州の呼延灼将軍に出撃命令を下した。呼延灼は、一度だけなら必ず勝てると童貫に宣言し、韓滔らとともに、戦の準備を着々と進めていく。凌振の大砲をはじめとして、恐るべき秘策を呼延灼は仕込んでいた。一方、梁山泊は晁蓋自らが本隊を指揮し、万全の布陣で戦に臨む。精強な軍同士の衝突が、静かに始まろうとしていた。北方水滸、血戦の第十巻。

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「ぼくの守る星」神田茜(集英社文庫)



視点を変えて語られる、6つの物語。
障がいを負うのは誰のせいでもない。
家族の死も、遅かれ早かれ直面する事象だろう。
人生ってままならないと、思わせられるのと同時に、
それでも生きていかなければならない、という想いが芽生える。
この物語の登場人物はみんな他人にやさしくて、
家族との距離感に思い惑っているように感じられる。
たとえ家族でも、思いは吐き出さなければ理解しあえない。
そして、良かれと思ったことがすれ違う。
親は子供を思い、子供は自らの近い未来を思う。
その時は反発しても、いつか親の愛情に気付く時が来ると信じたい。
ラストの一文に胸をなでおろしました。

物語は終わっても、彼らの人生はまだまだ続いていく。
もう少し見守っていたい気持ちを抱えながらの読了。



内容(「BOOK」データベースより)

中学二年生の翔には悩みがあった。それは、言葉を読み間違えたり言い間違えたりして周りを笑わせてしまうこと。わざとではないのに同級生から漫才の相方に指名され、母にはユーモアセンスがあると励まされる。みんなと同じことができない自分には、どんな才能があるのだろう―。生きづらさを抱えながら日々を過ごす翔と、彼を取り巻くひとびとの悩みと優しさを描き出す、切なくも愛しい物語。

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「水滸伝9  嵐翠の章」北方謙三 (集英社文庫)



役割は受け継がれていく。
その男の生き様と共に。
一進一退の繰り返しかと思った本巻。
最後の最後で静かで苛烈なドラマが待っていた。
梁山泊の豪傑の行くところに、逸材有。
在るべき場所を見つけられないまま燻っていた彼らに、
多くの豪傑達が生かされている。
愚直に不器用に駆け続けた林冲。
彼のために動いた公孫勝。
涙した安道全。
そして、宋江の想い。
多くを語らずとも深く結びついている彼らの絆がたまらない。
魯俊儀と柴進に伸びる、青蓮寺の手。
剣を取るだけが戦いではない。
彼らもまた、命がけで戦っている。
剣での戦いを委ねる者達への命の預け方が、あまりにもお見事。


豹子頭林冲。
彼のイメージがグインと被るのは「豹子頭」の仇名からだけではない……はず。
グインの方が隙なく揺るぎもないけどね。
私は林冲の強さの中に揺らぐ迷いが好き。
だから林冲を馬鹿呼ばわりした李逵にちょっと腹をたててみました。(笑)
秦明と解珍の組み合わせは、とっても和みます。
そして王進の元へと預けられた楊令にほっとしました。
馳星周の解説には思わずニヤリとさせられること必須。
「百八人の北方謙三もどき」この言い回し、最高。


内容(「BOOK」データベースより)

死んだはずの妻、張藍が生きている。その報を受けた林冲は、勝利を目前にしながら戦を放棄し、ひとり救出へと向かう。一方、呉用は攻守の要として、梁山泊の南西に「流花寨」を建設すると決断した。しかし、新寨に楊〓(せん)率いる三万の禁軍が迫る。周囲の反対を押し切って、晁蓋自らが迎撃に向かうが、禁軍の進攻には青蓮寺の巧みな戦略がこめられていた。北方水滸、激震の第九巻。

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「水滸伝8 青龍の章」北方謙三(集英社文庫)



全軍をあげての総力戦。
「俺を信じろ」と言った指揮官もいれば、
「俺でいいのか?」と惑いの中に在る指揮官もいる。
戦いの中で自らに課せられた役割を全力で果たす男たち。
一方、官軍の集まる独竜岡の中で、機を伺い続けた男がいる。
生きることの意味を見出そうとしていた男がいる。
浸透する「替天行道」。
自らの意思で考え、決断し、行動に起こした男たちの合流は頼もしい。
何かを超越した落ち着きと静けさを滲ませる武松とは対照的に、
危うさを孕んだ林冲。
そんな彼の在り様を認める宋江の目線は、厳しくて優しい。
根底にあるのは情。
そんな彼らだから人はついていく。

ここにきて私、李家荘の住人になっている夢を見ました。
梁山泊には入れない。でも彼らの世界に並び立ちたい。
そんな想いの現れかしら?
でもね。
夢の中だったら梁山泊に行ってみたかった。(笑)
数多くの登場人物がいるにもかかわらず、
ひとりひとりの生き様が、実に魅力的に描かれ続ける北方水滸伝。
次巻も楽しみ!


内容(「BOOK」データベースより)

解珍・解宝父子は、祝家荘に大量の兵が入っていることに気づく。官軍が梁山泊の喉元に、巨大な軍事拠点を作ろうとしていたのだった。宋江、呉用らはそれを阻止しようとするが、堅固な守りと、張りめぐらされた罠によって攻め切ることができない。勝利を確信した官軍に対し、梁山泊軍が繰り出した秘策とは。最初の総力戦が、いま幕を開けようとしていた。北方水滸、緊迫の第八巻。

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「水滸伝7 烈火の章」北方謙三(集英社文庫)



命あっての志。
だが、その志故に、捨てることを厭わない命もある。
「双頭山へ帰れ」
兵たちにそう呼びかけ、自らは空を見上げた男がいた。
「生きろ」と友に言われ、晁蓋の元へと帰り着いた男がいた。
停滞することのない時は、彼らを次の戦いへと追い立てる。
仲間の生き様を胸に刻んで。
ここぞ、という時の林冲の登場シーンは毎回拳を握りたくなるほどたまらない。
ついに梁山泊へと入った宋江。
これまで彼が果たしてきた役割を、
今度は魯達が彼なりのやり方で受け継いでいく。
魯達の出会う男達もまた、たまらない魅力にあふれている。
林冲や史進を「怪物」と呼び、自分を「人間だ」と主張する湯隆。
こんなやりとりが微笑ましい。

北方節炸裂の文章が以下。
『「さらば」その声だけが、聞こえた。なぜ、こんな言葉がある。そんなことを考えていた。』
涙が込み上げるシーンの一方で、北方~~!!痺れる!!と、唸りたくなる、変な忙しさ。
とある人物をwikiで調べてしまったばっかりに、
そこから派生して自分的にはすっかり忘れていたネタバレを盛大に拾ってしまい……
(というか、水滸伝の出来事だと思っていたら、楊令伝の出来事だった)
はい。余計なことはしない方がいいと思い知ったつい先ほど(笑)
読む方に専念します。

内容(「BOOK」データベースより)

聞煥章が宋江の居場所を掴んだ。宋江は太原府の山中に追い込まれ、一万数千の官軍に包囲されてしまう。陶宗旺が石積みの罠を仕掛け、攻撃に備える。官軍は包囲網をせばめ、ついに火攻めを開始した。飛竜軍、朱同と雷横の兵、さらに林冲の騎馬隊が宋江の元へ駆けつけていく。一方、青蓮寺は史進率いる少華山の殲滅を目論む。その謀略に対して、史進はある決断を下した。北方水滸、動乱の第七巻

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「水滸伝6 玄武の章」北方謙三(集英社文庫)



誘いの言葉はいらない。
説得も不要。
ただ、言葉を交わす。
心からの言葉を。
魯達と秦明の対話が静かに響く。
そして、秦明の在り様がとても好き。
彼からいろんなことを学び取ろうとする梁山泊側の柔軟さもいい。
王進のもとで人として深みを増した史進。
彼もまた、在るべき場所へと帰還する。
選ばれた人間の重責を今度は果たし得るだろう。
旅を続ける宋江は、幾人もの男と出会い続ける。
だが、青蓮寺もそれを黙って放置はしない。
何故駆けるのか。
戴宋に己の速さを認めてもらいたいがために
駆け続けた王定六。
胸にぐっときた。
「男がひとり、場所を得た」
彼にもまた、この言葉を進呈したい。


基本的にイヤな登場人物ってスルーして気にしない派なのですが。
あ、この人嫌!と、出てくるたびに思ってしまう、
どうしてもスルーできないお方が登場しました。
むーん。
グインのアリもそうだったんだよね。
アリの場合は「踏んでやりたい」と、日々唸っていました。
ちなみに友だちは「え?アリ嫌いじゃないよ」と擁護派。
好き嫌いは人それぞれ☆
そして今巻は後書きの「読めば、わかる」に大納得。
後書きも解説も書き出しでスルーしちゃうことも多いのですが、
今回はそうそう、そうよね!と、頷きっぱなしでした。

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「水滸伝5 玄武の章」北方謙三(集英社文庫)



いずれぶつかることは必須。
戦いは、避けて通れない。
そして、犠牲が出る事もまた、然り。
わかってはいても、心が軋む。
大きな星が逝った後も、自分たちの持ち場を必死で守った彼ら。
受け継がれる遺志。
刻み込まれる生き様。
掲げる旗がある限り、その想いは潰えることはない。
圧巻の5巻。
林冲の騎馬隊が現れた時の高揚感は半端なかった。
李俊と穆春の成長が目覚ましい。
そして、己の腕の肉と友の腕の肉を平然と食す豪傑が二人。
そこにいるだけで安心できる存在の、なんと頼もしいことか。
袁明と蔡京の会話も納得できる部分があるから、
複雑な想いに駆られる。
それでも、気持ちは迷わず梁山泊へ。


「まちがえるな。敵は私ではないぞ」
公孫勝と童威の会話に内心で笑い、
林冲をさして「ちょっと痛い目に遭えばいい」と言った公孫勝に
「貴方もそう思われてるよ」と突っ込みたくなる。
大真面目なんだけど、なんだか笑える公孫勝……とか、軽く言っておりますが。
この巻で描かれた内容のどれもこれもが濃密すぎて、読了後、眩暈。



内容(「BOOK」データベースより)

宋江の居場所が青蓮寺に発覚した。長江の中洲に築かれた砦に立て篭るが、官軍二万に包囲される。圧倒的な兵力に、宋江は追い詰められていく。魯智深は、遼を放浪して女真族に捕縛される。救出へ向かうが、幾多の危難がそこに待ち受けていた。そしてついに青蓮寺は、楊志暗殺の機をつかむ。妻子と共に闇の軍に囲まれ、楊志は静かに吹毛剣を抜いた。北方水滸、衝撃の第五巻。

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「みなぎわの反逆者炎の蜃気楼9」桑原水菜(コバルト文庫)



拗れに拗れた400年越しの愛憎劇。
勝ち負けにこだわるから、ややこしくて、苦しくなる。
だけど、そういう在り方しか知らない二人だからこそ、
心を切り裂くような苛烈な想いをぶつけ合うしかない。
自虐的な言葉を吐きながら、景虎をねじ伏せようとする直江。
高圧的な言葉で直江を縛ろうとしながら、傷ついた素振りをみせる景虎。
手綱を緩めるかに見せかけての、景虎の最後の台詞に息を呑んだ私は、
完全に直江に肩入れしています。
人は弱い。そして、強い。
綾子の在り方も、村重の在り方も、それを物語っている。
そして、行き場のない直江の想いを抱えたまま、9巻読了。


「おんもに出たい」直江、サイテー。
物語世界から現実世界に一気に引き戻されて悪態付きたくなる瞬間。
私、読んできた本の冊数って5桁超えるけど、読んでいて目を剥いた、
いや、目も当てられないと思った台詞を言い放ったのは直江です。(この台詞じゃないけどね)
でも、私はそんな直江に執着してこのシリーズを読み切りました。(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

大阪の製菓会社社長・狭間の前に姿を現すという「お姫様の霊」を探るために、秘書兼ボディ・ガードとして会社勤めを始めた直江。高耶と綾子も、怨将・荒木村重を追って、京都に来ていた。一向宗は荒木一族の怨念を封じ込めた「遺髪曼陀羅」を使って強力な「荒木大砲」を作ろうとしているのだ。ついに村重を見つけ出した高耶たちだが、村重は綾子の二百年前の恋人・慎太郎そっくりだった。

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