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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「いつか時が汝を」北方謙三(徳間文庫)



どこまでもどこまでも渇いていて、ただ一点だけがひどく熱い。
端的に述べるなら、そんな物語だ。
ぐっと引き込まれる冒頭。
感覚に馴染んだ文体。
自らに課したルールをストイックなまでに守り通したシンゴ。
その仕事に関して、彼は誰よりもプロフェッショナルだった。
狂いのない時計のように正確に刻まれる彼の日常の中で、
クリスの存在だけが、イレギュラーだったように思える。
だが、彼がいてこそ、動き出した「時」。
「死ぬべき時人は死ぬ。死ぬべきでない時は、死にたがっても死なない」
この本に限らず、一貫して貫かれる北方の哲学。
手向けの花は白いバラを。
この表紙は秀逸だと思います。

人気(ひとけ)のまったくない湖畔のキャンプ場。
イナゴを捕まえたのはてっきり食用だと思っていたわけですが……
そうですか。釣り餌でしたか。
ちなみに会社でその話をしたら
「え?イナゴを食べるのは魚の方なんですか!?」と返ってきて安心しました(笑)
いや、イナゴの話がしたいわけじゃなく。
お友達からのプレゼント本。ありがとうございました♪


内容(「BOOK」データベースより)

アメリカ南西部。綿の実が弾け、夏の雪が降る田舎町。時計修理を請け負い、釣りとバラ作りを楽しみに静かな日々を送る私は、年に一度、特殊な仕事を引き受ける。過去を引きずりながら異国の町で暮らす男の生き様。珠玉のハードボイルド。

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「AWAY DEADLOCK番外編2」英田サキ(キャラ文庫)



幸せな読後感。
途中で切なくなったり、涙ぐんだりもしたけれども、
結局はとても満ち足りた気持ちで読了しました。
それぞれがそれぞれの人生を着実に歩いている姿を、
こうして垣間見れたことがとてもうれしい。
独りではなく、互いのパートナーと一緒に、
時に喧嘩したりしながらも、愛を確かめ合って、寄り添いあう。
出会えたこと自体が、ヨシュアの言葉を借りれば「愛の奇跡」。
「結婚式を挙げたいなら、俺ともう一度すればいいさ」
ロブの父親トニーが、ロブの母親べリンダに言ったこの台詞が本当に素敵。
みんなみんな、お幸せに!

トータルで7冊。
素晴らしく読み応えのあるシリーズでした。
この幸せな読後感の中を、今しばらく心地よく浮遊していたい感じです。


内容(「BOOK」データベースより)

シリーズ完結後、それぞれ人生の岐路に立たされるDEADLOCKキャラクターたち―晴れて結婚式を挙げることになったロブとヨシュア。祝福する周囲とは裏腹に、当のヨシュアは不安を抱え…!?いっぽう順調に愛を育んでいたユウトとディックも、事故でディックが記憶喪失になったことから、二人の絆の危機…!?高階佑による漫画と書き下ろし小説も収録!!大ボリュームの番外編、第二弾!!

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「STAY DEADLOCK番外編1」英田サキ(キャラ文庫)



相手のことが好きで。大好きで。
その愛情故に泣ける関係が、とても素敵。
深く愛し合っている二人を知っているからこそ、
まだ想いを通わせる前の苦悩を改めて突きつけられると、
苦しくて泣きたくなる。
ディックの孤独と喪失感が半端ないけど、
だからこそ、それを補って余りある幸せをユウトと一緒に築いていってほしいなーと。
ディックとユウト。
ロブとヨシュア。
それぞれの日常がとてもリアルに微笑ましく描かれていて、
何度も読み返したくなる。
言いたいことを言い合って、くだらないことでケンカして。
でもちゃんと仲直りができる。
だから「ひとりで全部結論付けるな」というユウトの言葉をディックは順守してほしい。
「俺の隣がお前の生きる場所だ」
心の底からお幸せに!

本編とスピンオフはお借りして読んで、全サ目的で今回は購入したけど、
とりあえず早々に全巻そろえてしまおうと思います。
やっぱりこの話、大好き!

内容(「BOOK」データベースより)

シリーズ完結後もますます広がるDEADLOCKワールド―ロス市警刑事のユウトと、警備会社のボディガードとなったディックはLAで二人暮らしをスタート。ロブとヨシュアの愛も深まり、パコがトーニャに告白!!新たなカップの兆し…!?完結後に発表された番外編を一挙収録!!それぞれの人生を歩み始めたDEADLOCKキャラクターたちのその後。高階佑による漫画も収録。

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「友罪」薬丸岳(集英社文庫)



人と人。
出会った時から始まる繋がり。
人となりを知れば、情が移る。
相手がどんな過去を背負っていても
知らなければ、過去は現在に干渉しない。
けれども。
殺されてしまった人たちには、その先の人生はないことを忘れてはならない。
彼らを失った人たちの悲しみも、永遠に癒されない。
己が犯した罪から目を背け、逃げることは許されない。
贖罪は生涯しつづけなければいけない。
心情的に殺人者を忌避することは致し方ないことだろう。
だが、それよりも罪深いのは裏切り。
そして、さらに忌まわしいのは関係のない興味本位の者たちによる、プライバシーの侵害。

「あなたは“その過去”を知っても友達でいられますか?」
その問いに関する答えは、実際に当事者になってみなければわからない。
結局は当人同士の“関係性”に依ってしか判断できないものだろう。
問いかけられることすべてが、終始重くて苦しかった。
まともに向き合うのが辛かったので、感情を遮断して読むしかなかった。
それにしても益田……


内容(「BOOK」データベースより)

あなたは“その過去”を知っても友達でいられますか?埼玉の小さな町工場に就職した益田は、同日に入社した鈴木と出会う。無口で陰のある鈴木だったが、同い年の二人は次第に打ち解けてゆく。しかし、あるとき益田は、鈴木が十四年前、連続児童殺傷で日本中を震え上がらせた「黒蛇神事件」の犯人ではないかと疑惑を抱くようになり―。少年犯罪のその後を描いた、著者渾身の長編小説。

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「潮騒」三島由紀夫(新潮文庫)



【正しいものが、黙っていても必定勝つのや】

煌めく陽の光。海の匂い。そして、海の奏でる潮騒。
余計な物の一切を削ぎ落としたかのような島での暮らし。
その中で育まれた若い二人の恋は、文字通りの純愛。
一途で誇らしげで、濁りがないから美しい。
下世話な噂をされても、逢瀬を禁じられても。
彼らはどこまでも凛として、胸を張っていた。
出過ぎず、出しゃばらず。
それでも息子の恋を案じる母の心遣いもあたたかかった。
盲目的に突っ走ることなく、周囲に理解を得ながら
ゆっくりと育まれていった恋。
青年から成年へ。
とても自然に、そして見事に変貌を遂げた瞬間のように感じられる幕引きがいい。

情景描写がとても美しく、登場人物たちが生命力に満ち溢れている。
海女たちが行商からお買い物をするシーンは、とても共感できます!
とりあえず蜂はとても良い働きをしたと思います。

内容紹介

文明から孤絶した、海青い南の小島――潮騒と磯の香りと明るい太陽の下に、海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。人間生活と自然の神秘的な美との完全な一致をたもちえていた古代ギリシア的人間像に対する憧れが、著者を新たな冒険へと駆りたて、裸の肉体と肉体がぶつかり合う端整な美しさに輝く名作が生れた。

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「美しさと哀しみと」川端康成(中公文庫)



【そう言うけれど、家庭ってけっこう堅固なものよ】

日本語の美しさにぐっと引きつけられる。
濡れ場ですら上品に書き上げるその語彙力と筆力には、
魅せられるわけですが、
余計な事しかしなかった不倫男とちょっと大丈夫?という変質的な女に
どうしても感情移入ができずに読了。
身勝手な思い込みで暴走したけい子には嫌悪感しかなかったし、
彼女の危うさと妖しさに気付いていながらも、
窘めることのできなかったいい年した大人たちにも、悲劇の責任はある。
大木と音子が恋に落ちた経緯がわかれば、
受け止め方はもう少し違ったのかなぁ、とは思いますが、
結果ありきだと、どうしたって大木の常識に疑問を抱かざるを得ない。

頑張っていいとこ探しをしようとしたけど、できなかった敗北感。
この憤り感満載の読後感がイヤで、この時代の作品は避けてたんだけど、
苦手分野はやっぱり苦手ってことかなぁ。
脱毛クリームっていったいいつから存在するのかしら?と思って調べたら
なんと、紀元前4000年からの歴史があったんですねー。
雑学一つ増えました。

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「しろくまのパンツ}



パンツをなくしたしろくまさん。
ねずみくんと一緒にパンツ探し。
最初に見つけたパンツは誰のかしら?
ここでこの本の楽しみ方が決まります。
ページを捲ってワクワクしながらのパンツ探し。
カラフルパンツのオシャレさんや、食べるの大好きおデブさん。
お花模様のおチビちゃんに、アイラブネズミは……きゃー!逃げてー。
そして、え!あなたもパンツ履いてるんですか!?
という、まさかの穴だらけのパンツ。
それ、脱ぎ着が大変!
あら?肝心のしろくまさんのパンツは?
まさかのオチに爆笑。
そして最初に戻ってみると、思わずニヤリとしてしまいます。
面白いのは作者の発想力に依るんだろうなぁ、と、一人納得。
遊び心満載の絵本でした。

内容(「BOOK」データベースより)

しろくまさんのパンツがなくなっちゃった。いったいどんなパンツかな?―。

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「最後の物たちの国で」ポール・オースター



人間としての尊厳がまったく意味を持たないような底に堕ちても、
人は、希望を見出すことができる。
誰かを愛することができる。
奇跡に近い幸運に見舞われることが条件であったかもしれないけれども、
アンナはそれすら、自らの手で手繰り寄せたように思う。
昨日の方が今日よりはまし。
冒頭でそう記していたアンナが、一日生き延びた明日に夢を見ている終盤。
入口はあっても出口のない、最後の物たちの国。
そこではすべてが失われ、そして消えていく。
この国で暮らし、そして出会った彼らの物語の結末はわからない。
けれども、彼らが四人で夢を見ることのできた僥倖に、あたたかい余韻を噛みしめる。

どうやら私は、もっと殺伐としたディストピア的なものを想像していたらしい。
だからこそ、この物語の余韻が余計にあたたかく、泣きたく、切なく響いた。
時として人は、とても残酷で横暴で、傲慢になるけれども。
時として人は、こんなにも優しくて、あたたかい。
すばらしい本に出会えました。
今まで読んだオースターの作品の中ではダントツで好き。

内容(「BOOK」データベースより)

人々が住む場所を失い、食物を求めて街をさまよう国、盗みや殺人がもはや犯罪ですらなくなった国、死以外にそこから逃れるすべのない国。アンナが行方不明の兄を捜して乗りこんだのは、そんな悪夢のような国だった。極限状況における愛と死を描く二十世紀の寓話。

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「ピンクとグレー」加藤シゲアキ(角川文庫)



【やるしかないの。やらないなんてないからね】

人と人。
自分の視線、自分の思考を通してしか理解できない他人の姿は
ある意味、反射した光の色と同じなのかもしれない。
その先にある真実の姿は、こちらからでは決して伺えない。
すれ違ってしまった二人。
絶対的な訣別。
そして運命的な再会。
途中から涙が止まらなくなってしまった私は、彼らに何を刺激されたのだろう?
交錯する過去と現在。
第三章の冒頭で語られる光景がどういうことなのか。
理解した瞬間がとてつもなく苦しかった。
駆け抜けた先に何も見出すことのできなかった彼の悲哀。
どうにもならない。それもまた、人生。
だけどやっぱりやるせない。
もうちょっと、もうちょっとだけ、楽に呼吸することができればよかたのに。

同じマンションに住む同級生三人と、
ちょっと斜めに構えた転校生が仲良くなる瞬間がとても良かった。
ほんの些細な事で子供は打ち解ける。
そこから語られる彼らの絆がとても微笑ましくて、羨ましくもある。
そして、針が刺さったみたいな読後の余韻がたまらない。
その痛みをずっと噛みしめていたい、と思うのは多分歪んでると思うけど、
正直な思いだったりします。←つまり、この話好き。


内容(「BOOK」データベースより)

大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまうが…。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、切ない青春小説。

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「薔薇の誕生」夜光花(SHY NOVELS)



少しだけ、夢を見た。
口絵の彼らがとても楽しそうだったから。
でも、これ以外はない最上のエンディング。
落涙したのは、私がレヴィン寄りだったから。
だから、ラウルの軽口と抱擁が嬉しかった。
啓の言葉が切なかった。
そして、レヴィンの想いが胸に刺さった。
手紙に託されたエリックの想いから始まる最終巻。
彼らなりに悩み、惑い、考え抜いた戦法でのアダムとの壮絶な死闘の決着。
命を預けることに躊躇のない三人の信頼関係。
伺い知ることのできたマリアの愛情に、なんだかほっとしました。
描かれた未来予想図が訪れる日を夢に見ながら、私の旅も終わりました。
読めて良かった。素敵な物語です。

広げた大風呂敷を見事に畳んだ物語。
それぞれの過去をああいう形で詳らかにする手法は見事だなーと思いました。
最初から最後までノンストップで楽しめました。
貸してくださったお友達に感謝。
本当にありがとうございます!

内容(「BOOK」データベースより)

薔薇騎士団の総帥であり、唯一の薔薇騎士である啓は、金髪の守護者レヴィンと、赤髪の守護者ラウルのふたりに守られながら、不死者の始祖で初代薔薇騎士でもあるアダムと死闘を繰り広げていた。時間が経つほどに闘いは悲惨になり、誰もが、啓やレヴィンでさえもが傷ついていた。そんななか、啓はある真実に気づき始めて…不死者となりレヴィンとともに生きていくのか、人間としてラウルとともに生きていくのか―薔薇騎士と守護者。逆らうことのできない運命の結末は?

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