忍者ブログ

きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「おとぎ話のゆくえ」一穂ミチ(ルチル文庫)



【ずっとこのままでいられますように】

移ろいゆく季節と共に、変化を来していく心。
育ちも環境も性格も、共通するものをなに一つ持たない二人。
湊は湊のまま、隼人は隼人のまま。
核となる部分は何一つ損なわれないまま、
それでも、お互いの影響をうけあって自然に兆す変化が丁寧に描かれていて、
伝わってくる彼らの想いがとても切なかった。
自分の気持ちを押し通すのではなく、相手の立場を慮って身を引こうとする恋。
すれ違わなくてよかった。諦めなくてよかった。
心の底から、そう思います。
前途は多分多難なんだろうけど「ずっと一緒にいる」という湊の言葉が
彼らの未来を語っていることを信じます。

慎の立ち位置がおもしろいなーと思いました。(褒めてます)
彼のスピン、あったら読みたい。
隼人が吾川の人たちに自然と受け入れられている感じになんだか安心した。
そして犬蔵と電話するシーンが妙にツボでした。(笑)

内容(「BOOK」データベースより)

ふらりと東京を出て、北の地方都市へと流れついた来杉隼人。そこに未だ息づく「お殿様」の存在に驚き、ばかばかしいと嘲って町の人たちから眉をひそめられるが、彼らが慕う若様―高校生の野衣湊にはどういうわけか懐かれてしまう。あまりにまっすぐな湊に苛立ち、どこかであわれみ、面白がっていた隼人は、いつしか湊を大切に思い始めて…。

拍手

PR

「朗読者」ベルハルト・シュリンク(新潮文庫)



【彼女は常に闘ってきたのだ。
 何ができるかを見せるためではなく、何ができないかを隠すために】

青春時代の想い出で終わるはずだった。
彼女と再び出会うことがなければ。
思いもよらない場所でハンナと再会したことにより、
彼は過去の自分と、現在の自分の在り方と向き合うことになる。
そして、その行為は彼の未来にも少なからぬ影響を与えることとなる。
彼女は何故死を選んだのか?
読者は想像するしかないわけだけれども、「わたしへの手紙はありませんか?」
この一言にすべてが集約されていると思えてならない。
彼女は知りたかったのだと思う。彼の自分に対する想いを。
「彼女はあなたと一緒に字を学んだんですよ」
彼の声に耳を傾けながら字を学んでいった彼女のひたむきさが切なかった。

【ガーディアン必読1000冊】
初読の時「うそでしょ?」と叫んだ自分を覚えています。
これは再読することを推奨したい本。
二度目に読んだ時、随所にちりばめられたハンナの事情が読み取れて、
何とも言えない気持ちがこみ上げました。


内容(「BOOK」データベースより)

15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」―ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。人知れず逢瀬を重ねる二人。だが、ハンナは突然失踪してしまう。彼女の隠していた秘密とは何か。二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。

拍手

「世界のまんなか」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



【お前といると、時々甘えすぎて駄目になる
 でも、お前がいなきゃ駄目にもなれないんだ】

仕事上の悩みって、プライドや劣等感が邪魔をして、
なかなか口に出せないことってあるよね。
でも、そういうのをなんとなく察して、
吐き出したいときに受け止めてくれる人がいるってすごく心強い。
例えば旅館で待っていたり、旅館まで追いかけたり。
自分を顧みて謝ったり、溜め込んだ気持ちを吐き出したり。
綴られるエピソードや心情から、計の潮に対する、そして潮の計に対する
愛情がとても綺麗に伝わってきて、あったかくて泣きたくなった。
「世界の片隅のまんなかに、自分の全部を隠した場所がある」
個人的にはこの文章が、計の潮に対する真っ正直な想いを表した言葉だなぁ、と思いました。

皆川、いい仕事したなぁ。
そして、スピンが予測不可すぎて楽しみなんですけど!!!


内容(「BOOK」データベースより)

極端な二面性を持つ人気アナウンサーの計と、懐の深すぎる映像作家の潮。知り合って一年、些細な諍いは絶えないながら仲良くやっていたふたり。そんなとき計は「ザ・ニュース」の裏番組に出演するタレントの木崎が、自分のせいで旭テレビのアナウンサー試験に落ちていたことを知る。好きでなったわけじゃない自分に、ここにいる資格はあるのか。迷いから調子を崩す計は、心配してくれる潮にも素直になれず…?

拍手

「銀河英雄伝説10 落日篇」田中芳樹(創元SF文庫)



【伝説が終わり、歴史がはじまる】

巨大な星が輝きを止め、一つの時代が終わりを告げる。
古い体制を打ち崩し、新しい礎を築きはじめるまでに、
どれほどの血が流れたことだろう。
戦い続け、そして生き残った彼らに、ひと時の平穏を。
何が正しくて、何が間違っているのか。
価値観は人それぞれで、見方によって正義は変わる。
二つの正義は相容れない。
故に、人類の歴史は戦いの歴史。
太古から繰り返されてきた争いは、銀河でもまた、繰り返される。
銀河の英雄たちの戦いは、あまりにも鮮烈で、あまりにも潔く、
そして、あまりにも哀しかった。
流麗な文章で綴られてきた銀河の英雄たちの物語。これにて終幕です。

何度読んでも褪せることなくおもしろい。
そして、何度読んでも気持ちが掻き乱されます。
巻を重ねるごとにそれぞれの個性が際立っていって、
愛着や親しみが増した分、哀しみも深かった。
でも、出会えてよかった。
心からそう思える物語です。

内容(「BOOK」データベースより)

腹心の部下ヒルダを皇妃に迎え、世継ぎの誕生を待つばかりとなったラインハルト。旧同盟領に潜む地球教残党のテロ、元自治領主の暗躍、度重なる病の兆候など懸念は尽きないが、数々の苦難を経て、新王朝はようやく安泰を迎えたかに見えた。一方、“魔術師ヤン”の後継者ユリアンは、共和政府自らが仕掛ける最初にして最後の戦いを決断する。銀河英雄叙事詩の正伝、堂々の完結。

拍手

「交渉人は休まない」榎田尤利(SHYノベルズ)



【だから生きてないとな。俺たちふたりとも、生きてないと】

置いていかれる恐怖に震えることなく、手にかけられる陶酔に浸ることなく。
二本の脚で地を踏みしめて生きていく。
兵頭とふたり、一緒に。
「ふたりとも、生きてないと」
そんなふうに芽吹が噛みしめてくれたことが嬉しい。
そして、空港でのカミングアウト。
芽吹のモトカノとイマカレとの会話がすごくいい。
いたたまれなくなって保護者=七五三野の後ろに隠れる三十路……可愛いなー。
そして兵頭が七五三野に突っかかっていた理由も可愛い。
この二人、本当にお互いが大好きなのね、ということがビシバシ伝わる空気感がとてもよかった。
幸せのおすそ分けありがとう!
そして、その幸せを離さないでね。

比嘉さん、おもしろいなー。
オールメンバーきっちり書ききってくれて、本当に楽しかった!
読めてよかったシリーズです。大好き!


内容(「BOOK」データベースより)

圧倒的人気交渉人シリーズ、芽吹と兵頭が帰ってきた!!特別書き下ろし小説には、『魚住くんシリーズ』から魚住に久留米、『犬ほど素敵な商売はない』から倖生に轡田、『ラブ&トラストシリーズ』から核に沓澤、天と正文が登場!見逃せない豪華執筆陣の特別寄稿あり!!

拍手

「時計仕掛けのオレンジ 完全版」アントニイ・バージェス(ハヤカワepi文庫)



【神は、善良であることを望んでおられるのか、
 それとも善良であることの選択を望んでおられるのか?】

犯した罪は償わなければならない。
では、矯正の兆しがないからといって、強制的な条件付けをすることは是か非か?
意志を奪取された人間は、果たして自由な人間と呼びうるものなのか?
これは、人間の自由意思と社会秩序の在り方を問う物語。
暴行、強姦、殺人。
アレックスの犯した犯罪は、子供のいたずらで済むようなものではない。
だからこそ、暴力衝動のままに笑いながら人を傷つけ続けた時代を少年時代と一蹴し、
自分は大人になりかかっているんだと記した彼に問いかけたい。
それは、命を奪われた人たちに対して、あまりにも無責任な自己完結ではないだろうか?

そもそも、過去の行動によってアレックスが被害者家族からどんな行為を投げつけられても、
それは自業自得としかいいようがない。
とはいえ、反省の兆しがないからといって、自由意思の奪取を推奨する気にはなれない。



内容(「BOOK」データベースより)

近未来の高度管理社会。15歳の少年アレックスは、平凡で機械的な毎日にうんざりしていた。そこで彼が見つけた唯一の気晴らしは超暴力。仲間とともに夜の街をさまよい、盗み、破壊、暴行、殺人をけたたましく笑いながら繰りかえす。だがやがて、国家の手が少年に迫る―スタンリー・キューブリック監督映画原作にして、英国の二十世紀文学を代表するベスト・クラシック。幻の最終章を付加した完全版。

拍手

「ダイヤモンドの海」リンダ・ハワード(MIRA文庫)



星空の美しい夜に、海で瀕死の男・ケルに出会ったレイチェル。
彼を匿ったレイチェルの思慮深くて理知的な行動は、
彼女自身の過去の経験からくるものだった。
彼女の抱える過去がとても哀しい。
でも、その過去を乗り越えて恋をすることができるのは素敵なこと。
レイチェルの献身的な看護を受けながら、次第に彼女に惹かれていくケル。
だが、ケルもまた、自らの心を傷つける過去を持ちっていた。
その過去の経験からレイチェルを傷つけたくない一心で、
彼女に対する想いを封じようとするけれども。
レイチェルだからこそ、ケルと共に歩んでいける。
それに気付けて良かったね、ケル(笑)

ジェーンとグラントのその後が垣間見れたのが良かった。
それにしても、ジェーンが絡むとなんて賑やかになるんだろう(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

海岸で砕ける波がダイヤモンドのように輝く小さな湾は、レイチェルが住む古い屋敷を優しく包み込んでいる。都会で取材記者として働き、危険と隣り合わせだった日々が、今はもう遠い昔に思える。非業の死を遂げた夫の顔も、おぼろになりつつあった。そんな平穏で静かな生活に、ある夏の暑い夜、思いがけない同居人が加わった。星明かりの下を歩いていたレイチェルは、海に漂う人影を見つけ、必死に波をかき分け助けあげた。男は全裸で、肩には銃創が…。人は理由なく撃たれたりしない。犯罪者?麻薬の売人?テロリスト?さまざまな想像が頭を駆けめぐったが、なぜか警察に連絡する気になれず、まるでかくまうように、彼女は一人暮らしの家に彼を運び込んだ。

拍手

「スウィーパーはときどき笑う」榎田尤利(SYHノベルズ)



【仕事ってそういうもんだ。
 いろんな我慢が給料のうちに入っている】

このシリーズの人たちは、本当にひたむきに前を向いて生きていて、
自分も頑張ろうっていう気持ちにさせてもらえます。
自分は悪く言われてもいい。
でも友達を侮辱されるのは耐えられない。
そんな気概をみんなが持っている。
スピンオフのこの話は、威勢のいい狂犬チワワとそんなチワワが大好きな大型犬の物語。
トモが自分の欠点に気付いて、それを払拭しようとする頑張る姿がとても可愛い。
バイトを始めた動機もそうだし、ツルカメコンビに友達宣言するシーンも良い。
キヨの過去はとても重いけど、池田が愛情を持ってキヨに接してくれたことが伝わってくる。
だから序文を読みかえして泣いて、ラストの文との対比の見事さに唸りました。
榎田さんさすがです!


内容(「BOOK」データベースより)

芽吹ネゴオフィスのアルバイト、美村紀宵は好きな相手がいる。『可愛い』と『小さい』は禁句だけど、ちっちゃくて、可愛くて、でも『狂犬チワワ』と呼ばれたこもある橋田智紀だ。紀宵にとって智紀は『可愛い』のカタマリだけど、男とは恐れられなければならないと信じている智紀は、紀宵の好意を知りつつも、素直になれずにいる。そんなある日、紀宵の本業の特殊清掃業のアルバイトに参加した智紀は、誰も住んでいないはずの物置小屋で眠っている子供を見つけて―。

拍手

「銀河英雄伝説9 回天篇」田中芳樹(創元SF文庫)



【だがせめて、おれが敬愛したごく少数の人々には、
 より美しい死がおとずれんことを。】

譲れない矜持。曲げられないプライド。
ままならない状況に陥れられながらも、一切の弁明を断って叛旗を翻したロイエンタール。
金銀妖瞳を有する男の右目の呟きと、左目の反論。
刻まれる歴史は、誰もが痛みを抱えるしかなかった宇宙の悲劇。
彼が心の底から望んだものは、果たして何だったのだろう?
彼自身にも答えることができない問いかけかもしれない。
全てを受け入れたロイエンタールに悔いはないだろう。
ああ、だけど、彼の最期の願いは叶って欲しかった。
ほんの一瞬でいいから、間に合ってほしかった。
双璧は最後の瞬間まで双璧であったと思います。

ミッターマイヤーの言動が終始胸に刺さり、
ここまできたら彼の手を取ることのできないロイエンタールの想いも理解でき……
結局途中から最後まで泣きっぱなし。
初読の時は戦いを求めたラインハルトに憤りを感じたけど、
これはロイエンタール自身も納得して始めたこと。
だから責任は彼にもある。
確かに、戦いを回避する機会はあったのだから。
だけど、敢えて修羅の道を選んだロイエンタールが私は本当に大好きです。(号泣)


内容(「BOOK」データベースより)

前指導者の遺志を継ぎ、共和政府を樹立した不正規隊の面々。司令官職を引き受けたユリアンは、周囲の助力を得て、責任を全うすべく奔走する。帝国では皇帝暗殺未遂事件が発生、暗殺者の正体を知ったラインハルトは過去に犯した罪業に直面し、苦悩する。そして新領土総督ロイエンタール謀叛の噂が流れるなか、敢えて彼の地に向かうラインハルトを、次なる衝撃が待ち受けていた。

拍手

「交渉人は愛される」榎田尤利(SHYノベルズ)



【おまえを必要としている俺を信じて生きていきたい】

思いがけない人物からの依頼による交渉を成立させるために
奔走する芽吹がとにかくかっこいい。
痛々しさと裏腹なのは変わらないけど、
兵頭に対する想いを自覚したからか、危うさがない。
真和会幹部が集う席に乗り込んだ芽吹の啖呵は鳥肌モノでした。
傷を負いながらも、その場に芽吹を行かせた兵頭。
互いの仕事を理解し、信頼する二人。
兵頭と再会し、色々な出来事を経て、
兵頭に傾いていく芽吹の想いがとても丁寧に描かれていたのもよかった。
「信じたい」と終始言い続けた芽吹の病室での独白は胸に沁みました。
ラストシーンの綺麗さと口絵がイメージぴったりでため息。
終始楽しく読めたシリーズでした。大好き!

舎弟たち主催の反省会がなんとも愉快(笑)。
兵頭の部屋で拗ねてる芽吹も可愛いけど、あんたと一緒にいたいだけだ、
と、素直に口にする兵頭も可愛い。
スピンオフ読んだらやっと100冊記念の本が読める喜び☆
他のシリーズの人たち目当てで買って、ずっと積みっぱなしでした(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

下町は両国に芽吹ネゴオフィスの事務所を構える民間の交渉人・芽吹章の恋人は、泣く子も黙ると評判の周防組の若頭・兵頭寿悦だ。いくつもの試練を乗り越え、強い絆を持つようになったふたりだが、芽吹には芽吹の兵頭には兵頭の仕事があり、交渉人とヤクザであるふたりの考えが相容れるはずがなかった。そんなある日、芽吹はある男の依頼を受けるのだが、それは兵頭を相手に交渉することでもあった!?恋人でありながら、時には敵対するふたりが手に入れた結末とは―。

拍手

  

カレンダー

12 2026/01 02
S M T W T F S
3
5 7 9 10
13 14 15 17
19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

フリーエリア

プロフィール

HN:
みやこ
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- きままに読書★ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]