きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「交渉人は黙らない」榎田尤利(SHYノベルズ)
【あいつのことなんか、知りたくない。
知ってしまえば何かが変わるような気がして、正直怖い】
自分の力で不器用でもまっすぐ前向きに生きようとする人は好き。
それが挫折や苦難を乗り越えた強さなら、尚更応援したくなる。
危なっかしいようで、しっかり両足で自分の人生を支えている。
そんな芽吹きに対する兵頭の執着。
その気になれば何でも手に入りそうな兵頭の、余裕のない必死のアプローチ。
押し殺そうとしてきた想いだからこそ、熱く情熱的に溢れ出る様がいい。
二人の会話の軽妙さも楽しいし、距離感も絶妙。
周囲に知らしめるために想い人を連れ回す30男。
若頭の想い人ならば、と、理解のありすぎるヤクザ事務所の男衆がまたおかしい……
続がとっても楽しみな一冊。
「あんたを俺のものにする」これはOK。
「俺のオンナになればいい」これはNG。
私的なこだわり(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
元検事で元弁護士、そのうえ美貌と才能まで持ち合わせた男、芽吹章は、暴力・脅迫・強制、このみっつが反吐が出るほど大嫌いだ。弱き立場の人を救うため、国際紛争と嫁姑問題以外はなんでもござれの交渉人として、『芽吹ネゴオフィス』を経営している。そんなある日、芽吹の前にひとりの男が現れた。しかもヤクザになって!!兵頭寿悦―できることなら、二度と会いたくない男だった…。
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「銀河英雄伝説6 飛翔編」田中芳樹(創元SF文庫)
【国家や政府がつねに正しいとはかぎらないことを、
彼女は多くの経験から知っていたのである。】
妄執の果てに捏造された脅威。
罪なき者に向けた刃で切り返された者たちは、自業自得だ。
穏やかな生活を望んだヤンに、叛意はなかった。
けれども、英雄の抹殺という「然るべき時」を予測し、
策を練っておかねばならなかった事態にため息が出る。
ローゼンリッターの活躍っぷりはいっそ胸がすく。
卑怯者にかける情けはない。
そして彼らのつかの間の休息は終わりを告げる。
帝国内でもまた、人々の身勝手な思惑や逆恨みに燻られて、
きな臭さがジワジワと広がりつつある。
国家と陰謀。
切り離すことができないものなのか。
そして平和に慣れていない人々。
再び動乱が訪れようとしている。
「泣いて馬謖を斬る」
シェーンコップの口から出たまさかの台詞。
今回の巻は登場人物たちの会話がなんだか楽しかった。
内容(「BOOK」データベースより)
今や至尊の冠を戴く存在となったラインハルトを襲う暗殺事件。各処で暗躍する“地球教団”の差し金と知り、ラインハルトは彼らの聖地たる地球に軍を派遣する。一方、悠々自適の退役生活を楽しむヤンも、己の周囲に監視網が巡らされていることに気づく。やがてある日、彼の元を黒服に身を包んだ男たちが訪れた。一度は平穏の時を迎えた銀河は、再び動乱に呑まれようとしていた。
「囀る鳥は羽ばたかない 2」ヨネダコウ(大洋図書)
自分では制御しきれない想いが胸の内にあることを徐々に自覚しつつも、
その気持ちに名前をつけることができないでいる百目鬼と矢代。
それでも彼らの距離感は少しずつ変わろうとしている。
理不尽をすべて受けとめて生きてきた矢代の諦念と孤独。
それでも凛とした彼の生きざまに感じるのは、強さか、哀しさか。
側にいたい。ずっと近くに置いてほしい。
そう願った人が銃弾に倒れるのを、ただ見ているしかなかった百目鬼の自責の念と無力感。
物語を通して始終付きまとうのは、ヒリヒリとした胸の痛み。
何をもって幸せとするかは当人次第。
だから、誰に対しても意を曲げることなく、望むままに生ききってほしい。
傍から見れば危なっかしい矢代の傍に、三角さんがいてくれてよかった。
久我は相変わらず真っ当に輝いている。
「炎のコスタリカ」リンダ・ハワード(MIRA文庫)
ヒロインのジェーンが半端なくキュート!
生命力あふれる可愛らしさにやられました。私が(笑)
囚われの身でありながら、密かに食糧を準備して逃亡の機会を伺い、
ジャングルの中を傷だらけになりながら不満も言わずに歩き続ける強さ。
暗闇が怖くて心細さにグラントに縋る仕草。
グラントを守ろうと懸命に奮闘する姿。
そしてラスト、グラントを手に入れるために、
彼を待つのではなく、追いかけさせたしたたかさ。
そこに不安と淋しさが透けるところがまた可愛らしい……どうしよう。
ヒーローにきゅんきゅんするつもりがヒロイン大絶賛。
ジェーンとグラントの体格差がなんだかツボでした。
読友さんのレビューに惹かれて内容見てみたら
この設定、あたし好きそう!と思って手に取ってみたわけですが。
間違っていませんでした(笑)
とってつけたようになってしまいますが。
グラントも大変オトコマエだったんですよ?
続編も読んでみたいなぁ。
内容(「BOOK」データベースより)
国家機密をめぐるスパイ事件に巻き込まれた富豪の娘ジェーンは、コスタリカの有力者トゥレゴによってジャングルの奥地に監禁されていた。トゥレゴお気に入りの女を演じて信頼を得たのも、すべて今夜の脱出計画のため。逃亡用の食糧も準備万端。一方、ジェーンの救出を依頼された元謀報員グラントは彼女の計画などいざ知らず、木陰から様子をうかがっていた。わざわざこんな密林を抜けてやってきたのに、問題の娘は楽しそうにはしゃいでいるではないか。灼熱のジャングルで激しい恋の火花が散る!リンダ・ハワード不朽の名作。
「銀河英雄伝説5 風雲篇」田中芳樹(創元SF文庫)
【勝たねばならない、か……】
広大な宇宙で相見えることとなった“常勝の天才”と“不敗の魔術師”。
これまで後手に回る防戦を強いられてきたヤンが積極的に勝ちにいこうとした戦い。
激戦の末、今まさに雌雄を決しようかというその瞬間に飛び込んできた
あまりにも理不尽な命令。
爆発的な怒りで震えそうになるけれども。
裏で動いた帝国側の策を知れば、溜飲も下がる。
ハイネセンは堕ちるべくして堕ちたと言わざるを得ない。
ヤンとラインハルト。
相対した両雄は、互いを敬い、その度量を認め合いながらも、決して相容れることはない。
そして新しい王朝の始まりが歴史に刻まれる。
孤高の皇帝の誕生である。
シェーンコップの叫びにはうっかり同調したくなるけれども、
それを是としないヤンにも納得。
ヤンのプロポーズシーンはとっても微笑ましかった。
ロイエンタールとミッターマイヤーの会話には
ロイエンタールが好きすぎてハラハラしつつ、
メルカッツを前にすると何故か背筋が伸びます。
そしてビュコックには何故か敬礼。
内容(「BOOK」データベースより)
フェザーンを制圧下に置いた帝国軍は、今や同盟首都の目前にまで迫っていた。ヤンはイゼルローン要塞放棄を決断、民間人を保護しつつ首都へ急行する。圧倒的な優勢を誇る敵軍に対し、ヤンは奇策を用いて帝国の智将たちを破っていくが、ラインハルトの大胆な行動により、彼との正面決戦を余儀なくされる。再び戦火を交える“常勝”と“不敗”。勝者となるのははたしてどちらか。
「ダチョウは軽車両に該当します」似鳥鶏(文春文庫)
マラソン大会のコースを逆走するダチョウ。
ありえない状況から明るみに出た事件は、
あまりの身勝手さに怒りを吐き出さずにいられなかった桃くんの気持ちがよくわかる。
それでも、彼は手を出すことは……犯人を殴りつけることはできなかった。
半面、自ら潤う為だけに、平気で他人を犠牲にしようとする人もいる。
コミカルなタイトルと愉快な登場人物たち。
けれども、そこで起こった事件の真相は、相変わらずヘビーだなぁ、と思います。
突き詰めて考えれば、類似した話が転がっていそうで、実際にあり得る感じが嫌。
服部くんの変態っぷりは、いっそアッパレ(笑)
そして、彼の愛犬のインパクトが強すぎましたww
動物園で働く方々の気の配り方は、自らの仕事でも見習いたいところです。
「もっとひどい何かが起こるまでは、自分の身は自分で守らなければならない」
仕方がない状況ではあるかもしれないけれども、
警察、なんとかならないの!?と思わずにはいられませんでした。
内容(「BOOK」データベースより)
県民マラソン大会のコースを駆け抜けてくるのは「ダチョウだって?」―そして発見された焼死体。捕獲したダチョウと被害者とをつなぐものとは?キリン飼育員・桃くんにツンデレ女王・鴇先生、変態(?!)・服部くん、アイドル飼育員・七森さんら、楓ヶ丘動物園の怪しく愉快な面々が活躍する動物園ミステリー第2弾!
「囀る鳥は羽ばたかない」ヨネダコウ(大洋書店)
寂しさに気付かなければ、突き刺さるような胸の痛みに泣くことはなく、
想いに気付かなければ、成就されない空疎さに泣くこともなかった。
決して思い通りにはならないままならない感情を抱えて、人は生きる。
そこに歪んだ諦念はあっても、悲壮感がないのは、
みんな、それぞれにハードな人生を受け入れて、悲観せずに生きているから。
自分を全肯定する矢代。
そんな矢代を盲目的に信奉する百目鬼。
矢代の自分自身をすら皮肉るようなドライさが時に胸に刺さるけれども、
百目鬼の愚直なまでのまっすぐさが、そんな彼を包んであげられれば、と、
思ってしまう。
久我のギラギラとしたまっすぐな生命力はとても眩しかった。
妹の百目鬼に対する業の深い想い。
それでも、どんな関係であっても百目鬼が好きだったと言い切った彼女は
強いと思う。
「ハードラック」薬丸岳(講談社文庫)
【それができるのはあなたの親だけなんだから】
職を失い、住む場所を追われ、なけなしの金をだまし取られて立ち竦む。
闇の掲示板を除いてしまったが最後、逃れられない蜘蛛の糸に絡め取られるように
泥沼にはまっていく。
だが、強盗殺人という濡れ衣を着せられ、
ジワジワと追い詰められても、仁は諦めなかった。
自らの手で真相を究明すべく、必死で真実を追い求める。
そして明らかにされる真相は、あまりにも悲惨でいたましいものだった。
これは、現代の日本だからこそ、起こり得る犯罪。
母親という存在が、自分を無条件で愛し、信じてくれることが
どれほど心強く幸せなことなのか。
思わず噛みしめるラストでした。
結局、仁は一人きりではなく、たくさんの人の助けを借りられたからこそ、
真実にたどり着くことができた。
彼が本当に一人で孤独だったら……?
身近に起こりうることであり、決して絵空事ではないと思わせる
リアリティに言いようのない恐怖感が募った。
内容(「BOOK」データベースより)
二五歳にもなって日雇い仕事する失い、「大きなことをするため」闇の掲示板で四人の仲間を募った仁は、軽井沢で起きた放火殺人の汚名を着せられてしまう。なぜおれを嵌めた?信じられるのは誰だ?手探りで真犯人を探す仁、闇世界の住人たち、追う刑事。物語は二転三転し、慟哭の真相へと向かっていく。
「銀河英雄伝説4 策謀編」田中芳樹(創元SF文庫)
【思うのは自由だが、言うのは必ずしも自由じゃないのさ】
崩れる銀河の均衡。
激動する時代。
帝国の腐敗を正し、改革を成し遂げつつあるラインハルト。
ならば、同盟の膿を絞り出すのが何故ヤンではいけないのか?
だが、ヤン自身がそんなことを望んでいないことを知っている。
だからこそ、もどかしさに歯噛みしたくなる。
守るに値しない愚劣な中枢。
だが、そこが自らの属する場所なのだ。
ヤンの傍にユリアンがいないことが、とても心もとない。
けれども、フェザーンでの彼の立ち回りはとても頼もしい。
「行こうか」
ラインハルトの語りかけに応える声はない。
混乱と混迷の果てに構築される世界はどんな世界なのか。
正しく見通せている者など誰一人としていはしないだろう。
個人的な見どころは何と言ってもロイエンタールとシェーンコップの接近戦。
状況的にはテンションあげてる場合じゃないけど、心臓跳ねました(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
第三勢力フェザーンに操られた門閥貴族の残党が七歳の皇帝を誘拐、自由惑星同盟の協力を得て帝国正統政府樹立を宣した。だが、フェザーン高官と密約を交わしていたラインハルトはこの状況を逆手に取り、フェザーン回廊を通って同盟へ大進攻することを目論む。その真意を見抜きながらもイゼルローン防衛から動けぬヤンと、帝国軍の双璧の一人ロイエンタールの死闘が幕を開けた。
「ムーンライトマイル」一穂ミチ(ディアプラス文庫)
【焦るまでもなく、とっくに好きだたのだろうか。
昼と夜の継ぎ目を探すみたいに何かしら決定的な一瞬に
こだわっていたから気づけなかっただけで】
大地を知れば知るほど、近づけば近づくほど、見失う気持ち。
始まりが歪だっただけに、余計に自分の心がわからなくなる昴。
そして相手を抉るような言葉を投げかけて、多分確かめるのだ。
愛の所在を。
貞操観念のなさに、え?この子、大丈夫?と思った大地が
とても懐の広くて愛情深い男子で、本気でカッコいいと思いました。
さすが、高梨家で育った子だわ(笑)
混乱する昴とは対照的に、大地の気持ちはぶれない。
昴の気持ちが大地に少しずつ傾いていっているのが感じ取れる文章が素敵。
そして決定的だった亘の言葉。
第三者の方がよく見ている。
明確な区切れ目を探す必要はなく、気づいたら好きだった。
恋はそれで十分だと思う。
流星と太陽のその後が伺えたのがとてもよかった。
「あのふたりには互いの骨をひとかけら交換したような、
余人には立ち入れない結びつきがあった」
この表現、すごく好き。
綺麗な言葉が随所にちりばめられていて、一文一文を噛みしめてしまいました。
内容(「BOOK」データベースより)
上映中のプラネタリウムで彼女に浮気を咎められ派手に振られた大地。学芸員の昴にきつい皮肉を浴びるものの、なりゆきで科学館でアルバイトをすることになる。昴は大人しげな見かけに反して気が強く厳しい。そんな彼に最初は苦手意識を持つ大地だが、天文一筋で誠実ゆえに偽りのない昴を知るほどに惹かれてゆく。その視線の先に別の誰かがいると気づいた時にはもう後戻りできないほどに―。年下攻星屑ロマンス。
