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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「沖晴くんの涙を殺して」額賀澪(双葉社)



絶望のどん底に突き落とされてもなお、生きていかないといけないのならば。
あらゆる感情を削ぎ落してしまった方が、楽に前に進むことができるだろう。
けれども。
抱えていることがどんなに苦しくても、それらすべては失くしてしまってよいものではなく、
この先を誰かと時間を共有しながら生きていくために必要なもの。
「乗り越えるのではなく、溶けていく」という言葉にはものすごい説得力がある。
どんなに話がしたいと思っても、死者は問いかけには答えてはくれない。
それでも。
話したい、と思える誰かに出会えたことは哀しみ以上の幸いがある。


一度きりの人生だからこそ、QOLは大事にしたい。
……って、これ『ライオンのおやつ』を読んだ時も書いたな。
ま、意見は変わらないってことで(笑)
余命宣告されてからの強烈な副作用のある薬は、
私も京香と同じく選択はしない。したくない。
登録2222冊目。
胸に染み入る良い作品と出会えました。

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「創竜伝(4) 四兄弟脱出行」田中芳樹 (講談社ノベルス)



舞台は日本を飛び出し、一気にワールドワイドへ。
四兄弟に日本が狭すぎた……わけではなく。
平穏に暮らしていた彼らに、良からぬことを企む輩が干渉しすぎた結果、
竜は海を越えてしまった、と。
それにしたって、四兄弟無双。人間界に敵なし。
天界での様子が妙にしっくりくるのは、やっぱり彼らが竜種だからかな。
現世と天界での姿が違和感なくリンクして、
彼等の来し方が知れるのが嬉しい。
四兄弟が竜として覚醒したのは、人界以外からの働きかけがあったことも伺えて、
今後の展開がどうなっていくのか。とても気になる。


私の中国の神話や歴史物語の知識は
田中さんと北方で構築されているなーと、しみじみ思うのでした。

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「後宮の烏 2」白川紺子 (集英社オレンジ文庫)



死者と向き合う話が続くと、ちょっと飽きるかな?と思っていたけれども。
(基本的に現世がすべてだと思っているので私の中で死後は無なのです)
リアルに生きる人たちが抱える問題が詳らかになってきて、
気持ちが引き寄せられる。
「烏妃」に課せられた哀しき宿命。
孤独であるべき「烏」の周りに人が集まることによってそれが破られ、付随するように「梟」が動く。
寿雪と高峻。
二人が出会ったこの時代が、分岐となるんだろうね。
現世に生きる人間が過去に縛られることは本当に理不尽。
だからこそ、過去の柵はここで断ち切ってほしい。
未来の自分たちのために。

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「果樹園の守り手」コーマック・マッカーシー(春風社)



老人のターンは風景と人が完全に同化したかのような描写。
それも、ひっそりとした、どこかくすんだ色合いの風景。
けれども、彼の生活圏に少年が紛れ込んだ瞬間、
色味は鮮やかさを増し、どこか人間味を帯びる。
子どもって偉大だ。
人の命を殺め、違法な商売に手を染めた男が、少年に言い含めた言葉。
意外だった。
誰かに対しては悪であっても、他の誰かに対しては善になれる。
その少年が若者となった所で物語は幕を閉じるけれども。
彼を取り巻いていた色味は鮮やかさよりも落ち着きを醸し出し、
それが彼の成長を物語っている。
マッカーシーデビュー作。

久々の海外小説だったからなのか、マッカーシーだからなのか。
最初の30ページくらいまでを読みきるのに時間がかかることかかること。
いつものペースで読めるようになった瞬間、何故かほっとしました。(笑)
曇天の空の下、風と草木の香りを感じながら読むのがベストマッチな気がする。


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「酒と涙と男とニャンコ」小野ユーレイ (角川コミックス)



ダンディなおじ様たちの織りなす不思議テイストな物語。
ハードボイルド臭ぷんぷんで、男の色気むんむん。
バイオレンスあり、謎解きときあり、そしてコメディチックな笑いも忘れずに。
だけど、肝心な物語はなんだかほろ苦い。
一読では飲み下しきれないほど、いろんな要素盛りだくさん。
なんだけど。
この作品の主役は猫のダンディです!(私見)
ああ、ホントにダンディ可愛いいんですけど!
そして窓辺に佇む背中が切ないんですけど!
小野寺とダンディの交わした約束に涙。
こちらも読めば読むほど味が出てくるスルメ本。

小野浜こわしさんの別名義一般作品。
初読で内容を汲み切れずに?となっても、読み返してもらいたい。
おもしろさがジワジワ沁みてきます。
そしてウルっと泣きたくなる。
で。ダンディ可愛い♡の無限ループ。
「猫に笑い、猫に泣き、猫に振り回される男達!」の帯に嘘偽りなし。
だけど、それだけじゃないおもしろさがあります。

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「Ghostdog」小野浜こわし (Melty Bullet)



青年の瑞々しく粗削りな男の色気と、
壮年の円熟した深みのある男の色気。
そして、老齢の男の一途な恋心と悲哀。
意味深な会話。
カクテルに込められた想い。
血塗れの手に縛り付けられた銃。
画面から駄々洩れるエロティックな色気が半端なくて
何処を見ても眼福。
一人の男の死を起点に動き出す運命。
何かを諦めてしまった男たちの背負った覚悟が重く、
命さえ投げうったやり場のない想いがやるせない。
すべての柵を断ち切ったのは大輔の若さ……かな。
再読すると彼らの一言一言に込められた想いが汲めてぐっとくる。


小野ユーレイ氏の別名義でのBL初コミック。
いやーん。出たらいいなーと思っていたけど、まさか本当に拝めるとは!
裏設定もあるとのことなので、気長に期待して待っています♡

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「後宮の烏」白川紺子 (集英社オレンジ文庫)



全巻手元にあるので勝手に長編だと思って読み始め、短編連作であったことにちょっと戸惑った……のも一瞬。
引き込まれて一気に読んでしまったけど、一日一話ずつ、じっくり読み進めるのもありだなぁ。
孤独に生きてきた雪寿を気遣う高峻もまた、孤独と傷を抱えて生きてきた。
孤独であるということは、身分も立場も関係なく、等しく寂しいものなんだと思う。
重い宿命を背負った二人ではあるけれども。
反発したり、不器用に思いやり合ったり、憤ったり、歩み寄ったりと、
次第に距離を縮める雪寿と高峻。
物語はまだ序章。
この先ぐっと深みを増して面白くなることを期待しての読了。

鶏(正確には化鳥)生意気~~!
全力で攻撃的してくる凶暴な鶏に追いかけまわされたことがあるので軽くトラウマ。
でも鶏、飼ってたこともあるんだよね。
手作りで小屋まで作ってたけど、懐いてくれなかった(笑)
友だちが全巻まとめてプレゼントしてくれた作品。

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「霧のむこうのふしぎな町 (新装版)」柏葉幸子 (講談社青い鳥文庫)



何とも微笑ましいひと夏の体験。
心あたたまる出来事を彼女は繰り返し思い出し、大人になっていく。
年を経るごとにその出来事の詳細はぼんやりと霞んでしまったとしても、
楽しかったことはずっとずっと心に残っていくんだろうなぁ、と思える読後。
僅かな滞在期間の間に、はたらくことを通じてふしぎな町の住人たちから
様々なことを学んだリナ。
と同時に、彼等もリナから与えてもらったものがたくさんあったのだろう。
滞在を終え、自宅へと帰るリナへ町の人たちが託した贈り物が本当にやさしい。
口の悪いオウムからのプレゼントになんかホロッとしてしまった。

お友だちからのお勧め本。
未読の作品だったので、下の姪っ子ちゃんに渡す前にまず自分が楽しく読了。
誰にプレゼントをするにしても、自分が読んで面白いと思った本をあげたい派。
なので未読の児童書に関してはいちいち古本で買って
読んで面白かったら新品を買って渡してと非効率的なことをやっていました。
一般書はお勧めしたい作品が膨大にあるので、色々渡せるよ!とはりきっていたのですが。
上の姪っ子ちゃんは最近はもっぱら読書時間よりスマホ時間。
まぁ、仕方ないんだろうけどね。
このまま読書離れはしてほしくないなーと密かに思うのでありました。

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「天国より野蛮」かわい有美子 (リンクスロマンス)



悪魔、天使、堕天、天使九階級。
誰もが知るモチーフが見事にかわいさん色に仕上げられた作品。
特にオスカー。かっこいいなぁ。
かわいさん、めっちゃ楽しく書いていたんだろうなぁ、と思ったら、
案の定のあとがきでした。
うん。私も楽しかった。
そのワードに胸がときめくのは、いつか通ってきた道だから。(笑)
そして本編にぐっと深みを持たせる書き下ろしが秀逸。
それを踏まえて改めて本編を読むと色々深い。
悠久の時を越えて成就した恋物語。
今までの分を補って余りある幸せをかみしめてほしい。


あとがきでテンション爆上がりしたのはまさかのオスカー・フォン・ロイエンタールの名前が出てきたから!
オッド・アイの持ち主の名前がオスカーだったことは、彼に由来していたんですね。
ああ、かわいさんハグしたい!←大迷惑(笑)
ロイエンタール様、今でも変わらず大好きです♡


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「涙 下巻」乃南アサ(新潮文庫)



理不尽な暴力によって人生を壊された人たちの涙は、
やるせなくてやりきれない。
警察も韮山も、そして萄子も。
三者三様のやり方で真実を追い求め、それぞれが核心に迫っていく。
真実が知りたい。
ただその一心で日本全国を渡り歩いた萄子の想いが引き出した事件の真相は
理不尽極まりないものだった。
警察よりも早く真実に辿り着いた彼女の決意と行動力は称賛に値する。
時間は巻き戻らない。
壊されてしまったものは元には戻らない。
理不尽に屈しないためには、そこから新しく築くしかないのだ。
やるせなさを噛みしめる読後。
淳の告白に泣きそうになった。作中で感じた唯一の感動の涙。

駅の「伝言板」にロマンを感じてしまった。
今はもうないよね。
沖縄の食文化は私大好きで。
特にゴーヤは好きな野菜トップスリーに入ります。
トップスリーの内訳は、ゴーヤ、レンコンは不動であと一枠は流動的。
ちなみに好きな果物トップスリーは葡萄、デコポンが不動であと一枠が流動的。



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