きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ゼロデイ 警視庁公安第五」福田和代(幻冬舎文庫)
今回は公安vsテロリスト集団・クーガ。
そして語られる警備会社・ブラックホークの成り立ち。
一作目同様、途中までは可もなく不可もなく的な感じで読み進め、
中盤以降、もしかしてそういうことなの?と、
色々と推測しながらのめり込み、
ラストは嘘でしょ?という衝撃があって、
前作同様にちょっとーー!続きーー!と、吠えました。
ジェットコースターに乗りっぱなしで放置された気分。
え?
貴方、どういうことですか?
今回はクーガの幹部たちが生き生きと魅力的に描かれていて
ちょっと困ってしまう。
やってることはガチで犯罪なのにね。
次巻は警察vs警備会社vsテロリストの三つ巴になるのかな?
広げた巨大な風呂敷を最終巻となる三作目でしっかり畳んでくれることを期待します。
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「最凶の恋人(13)―境界を越える男―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)
シリーズ13作目にしてこういう展開をぶっこんでくるとは!
飽きずに読めちゃうよねー、という構成のうまさ。
事件あり、駆け引きあり、アクションあり。
個人的にはこの路線で進んでもらいたいけど、
たまにだから新鮮でわくわくするんだろうなぁ。
柾鷹がヤクザの組長らしく……いや、
組長らしからぬ勢いで身体を張って戦った巻。
彼の行動原理は遥を守るため。
そして遥もまた、柾鷹のことを慮る。
わかってたけど!という二人の絆の深さを再確認させられた巻でもある。
ラストの遥の言葉に感無量。
ここまで読んできてよかったとしみじみ思う。
そしてしつこく文句を言う。
表紙!
遥が露出狂みたいになってる一連の表紙がどうにもこうにも気に入りませんっ!
口絵も何なのっ!?
「標的」福田和代 (幻冬舎文庫)
舞台は少々近未来。
VIP専門の警備会社vsテロリスト集団。
一癖も二癖もある警護対象者。
それ以上に興味深い経歴を持つボディーガードたち。
更に曰くありありなテロリスト。
おもしろい。
おもしろいけど、あと一味足りないかなぁ?と思っていたのは途中まで。
読了直後は、ちょっと続きーー!と吠えていました。
かつての親友が今では宿敵。
相反する正義のもとに行動する彼ら。
どちらの言い分も間違ってないかもしれないが、
法を犯している時点でそれは正義ではなく犯罪だ。
「俺は正義を疑い続ける」
惑うな。
いや、すでに彼は迷ってはいない。
だからこそ、続き~~!→
……というわけで、こちらの作品は
『標的』(旧題・『特殊警備隊ブラックホーク』から改題)『ゼロデイ』『サムデイ』の
三部作となっています。
そしてどうやら『ゼロデイ』は『標的』の前日譚らしい。
ということは!
気になる続きは『サムデイ』までお預けなの?
でも『ゼロデイ』も美味しそうなにおいがするので、鼻息荒く、二作目行きます!
「夢の中の魚」五條瑛(集英社)
のほほんと生きているなぁ、と、自分の境遇を顧みる。
だからと言って、何かを変えたいと思うわけでもないんだけど。
そもそも「国の為」と言う言葉がピンとこない。
とはいえ、まぎれもなく「日本」という国に所属し、庇護されて生きている。
だけど、その国について、更には国が世界とどう向き合っているのか。
知らないことが多すぎる。
知ろうとしない、と言われると耳が痛いけどね。
多分、事なかれ主義。
今が平和に通り過ぎればそれでいい。
だけど、10年後は?
作中の彼らはそこまで見据えて動いている。
本作を読んで軽く感想が書けない程度にちょっと混乱中。
初読の時ってただただ楽しく読んだだけだった気がする。
再読の今、読後感が重い。
でも、こういう手ごたえは悪くない。
「最凶の恋人(11)―組員日記2―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)
ヤクザの下っ端構成員による極道ライフ日記2。
1は何となく義務感で読んでいた感じがあったけど、
今回はとても楽しく読了。
この違いは何だろう?
ま、良いことだ。
個人的に歯医者に行くのは苦ではない、と言うよりむしろ好きなので、
診察台でおしっこちびるほどの恐怖が全く想像できない。
屈強なおっさんたちの阿鼻叫喚にちょっと興味津々。
それ以上に歯医者の皐月先生に興味深々。
バレンタイン前の賑わっている高級チョコレート店に平然と並べる若頭・狩屋、素敵。
この日記を通して狩屋の有能さがより伝わってくる。
彼が上司だったら仕事やりやすいだろうなぁ。
四季折々……というか、季節感が伝わってくるところもいい。
節分に豆をぶつけられて叩き出される組長に笑う。
「スリー・アゲーツ―三つの瑪瑙 」五條瑛(集英社)
やるせなくて胸が苦しくなるのは、彼らの苦悩が伝わってくるから。
必死で生きる彼らの存在が生々しく伝わってくるから。
北朝鮮。
私の住む国とはあまりにも違う国の柵に縛られて生きる男の葛藤が痛い。
二つの国に住まう家族への想い。
そして、そんな彼らに対する葉山の想い。
職務を果たすことが誰かの不幸せに繋がるかもしれない。
そんな思いを抱いてする仕事ってきついなぁ、と思うけど。
胸に傷を抱えながらも葉山は己の仕事を全うする。
彼もまた、迷える者。
身に纏った強かさが頼もしく、悲しい。
三つの瑪瑙。
込められた想いがあたたかくて切ない。
ここまでガツンとした読み応えのある作品にはそう簡単には出会えない。
未読既読含めて五条さんの作品は全部手元にあるので、
今年は感想UPに努めます。
鉱物シリーズも革命シリーズも最初から文庫のもの以外は単行本で持っているけど、
描き下ろし目当てで文庫本が欲しくなる罠。
それ以上に、去年動きがあって、諦めかけていた続きが読める喜びをかみしめる。
『猫目石』も是非。
「GIANTKILLING 57」ツジトモ(モーニング KC)
どん底まで落ちたメンタルの立て直しの舵取りは、
自分自身でしなければいけない。
けれども。
ちょっと手を添えてくれる誰かの存在が、
とてつもない力と勇気を与えてくれる。
背中を押してくれる。
椿に向けられた窪田の言葉。
心強い達海の存在。
サポーターからの声援には鳥肌が立った。
試合は大分戦。
どうにも苦戦しているけど、
降格がかかっているチームと戦っているのではない。
自分たちが優勝するために戦っているのだということを忘れないで。
そして。
待ってた王子!問答無用でかっこいい。
赤崎とのバカバカしい掛け合いも好き。
椿復活は次巻持ち越し。
ジャイキリは今のジャパンカップが終わったら
完結になるのかしら?
連載開始から13年。
私が読み始めてからも10年。
そんなに経ってるんだなぁ、とちょっと驚いてみた。
あひるとジャイキリ。
この2つだけが私にとって主役チームに贔屓がいる漫画な気がする(笑)
「また、桜の国で」須賀しのぶ(伝祥社)
消滅と再生を繰り返した国、ポーランドが、
破壊と虐殺の限りを尽くされた第二次世界大戦。
これは、彼の国で戦った人たちの、
そして見捨てられた国のために尽力した男たちの物語。
慎、レイ、ヤン。
彼らは一様に国と個としてのアイデンティティの在り方に苦しんでいた。
そんな彼らがなぜポーランドのために命を懸けたのか。
国というよりも人。
義というよりも情。
彼の国で必死で生きる友のために。
何よりも、明日の自分に恥じないために。
『また、桜の国で』読後につぶやいて、嗚咽。
忘れてはいけない史実。
そして、戦争は回避しなければいけない。絶対に。
圧倒的な読み応えの登録1700冊目。
ガツンと胸に刺さる重厚な物語であり、忘れてはいけない歴史を突き付けられる。
須賀さん、外れないなー。
他の作品も気になるので、少しずつ集めていこうと思います。
『A』河出文庫(中村文則)
薄い膜一枚隔てられた世界の中で
膜の外を頑なに拒絶するかのような者たちの視点で始まる短編集。
その膜が突き破られた後は、変幻自在の世界が展開していく。
並べられた物語は理解することを望まれているわけではなく、
そして理解しようとするものでもなく。
自由に綴られた著者の言葉を追った読み手が、
そこから伝わるものを自身の感性で受け止めるだけでいい。
読後感的になんとなく気持ち悪かったのは、
私的に相容れる中村文則と相容れない中村文則が混在していたから……かな。
個人的には『妖怪の村』がベスト。
インパクトが大きかった。
これで『逃亡者』以外の中村作品読了。
その中での私の順不同のベストスリーは
『遮光』『掏摸』『あなたが消えた夜に』。
