きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「小説」の記事一覧
- 2019.12.08 「誓約」薬丸岳 (幻冬舎文庫)
- 2019.12.05 「Aではない君と」薬丸岳 (講談社文庫)
- 2019.12.03 「淡雪記」馳星周 (集英社文庫)
- 2019.11.29 「逆説の日本史 13 近世展開編」井沢元彦 (小学館文庫)
- 2019.11.22 「白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記」小野不由美 (新潮文庫)
- 2019.11.21 「白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記」小野不由美 (新潮文庫)
- 2019.11.16 「白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記」小野不由美 (新潮文庫)
- 2019.11.13 「白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記」小野不由美 (新潮文庫)
- 2019.10.28 「逆説の日本史12 近世暁光編」井沢元彦(小学館文庫)
- 2019.10.11 「バスカヴィル家の犬」コナン・ドイル (新潮文庫)
「誓約」薬丸岳 (幻冬舎文庫)
過去は現在へと間違いなく続いている。
断ち切ることも、都合よく全てを無かったことにすることもできない。
そして、社会の中で生活をしていくかぎり、
私たちは法を順守して行かなければならない。
だけど、感情は別だというのも納得はできる。
復讐をする権利はない。
だけど、感情はそれを望む。
狭間に陥った精神の苦痛はいかほどのものなのか。
そして、過去の自分が犯した罪と命を繋ぐために下した苦渋の末の約束が、
現在の彼を苦しめる。
命を奪うことを回避するため、そして大切な人を守るために奔走した彼には
待っていてくれる人がいる。
全力で頑張る方向を間違えていたことに気付いた真犯人は絶望から這い上がれるのだろうか?
→
身バレしちゃったけど、ヤクザ方面からの追求は大丈夫なの?とふと心配になった読後。
後半は綺麗にまとまった感じだったけど、前半のドキドキ感は凄かった。
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「Aではない君と」薬丸岳 (講談社文庫)
誰に助けを求めることもできないまま、
無限に続くかと思われる苦しみから逃れるために、
14歳の子どもに何ができるのか。
正直、大きな何かが出来るわけではないと思う。
そもそも、
大人が子どもときちんと向き合って寄り添うことができていたなら、
多分、こんなことにはならなかった。
だが、それは理想論。
事件は起きてしまった。
「何故?」の理由が見えてくるにつれ、心が重くなる。
そもそもの発端はどこにある?と問われたのなら、
「ここ」と一点を示すことは決してできない事件。
親や友だちや世間に。
追い詰められる子どもがいなくなることを願ってやまない。
「心とからだと、どっちを殺した方が悪いの?」
修羅の渦中にある子どもに問われたら、答えることに窮する問い。
理屈では吉永の言うことは正しいとは思っても、
いじめに耐え続けた子どもに対して断言することは難しい。
「淡雪記」馳星周 (集英社文庫)
それが、場当たり的、或いは衝動的な行為だったなら、冷めた目で見て終わっただろう。
だか、彼が胸の奥に秘めた覚悟もしくは諦念、いや、言うならば虚無が、
やるせなさを滲ませる。
地に堕ち、闇の中を彷徨っていた天使が出会ったのは、
凌辱に塗れた妖精。
哀しい程に純粋無垢な魂を抱え、息苦しい世界でもがく彼女。
森の中で出会った二人の辿る道は、多分最初から分かっていた。
そもそもが、彼自身、もはや後戻りできないところに立っていたのだから。
だけど、出会えたことで彼らの人生に添えられた彩りがある。
だから彼らは幸いの中で眠りにつく。
雪のゆりかごと月の光に抱かれて。
600項越えてるわりには、サラッとしてるなーという読後。
馳星周の『不夜城』『虚の王』のツートップは揺るがず。
花村萬月も『ブルース』と『皆月』のツートップは揺るがず。
「逆説の日本史 13 近世展開編」井沢元彦 (小学館文庫)
仇討ち。
弟が兄の敵を討つのは認められるけど、
兄が弟の敵を討つのは仇討とは認められない。
なんか不公平だ。
と思うけど、法制化されるのには何らかの決まりごとは必要なわけで
誰も彼もが敵討ちをしてオッケーだったらそれはハンムラビ?と、ぐるぐる。
鎖国は幕府の政策ではなく、後付けで使われるようになった言葉だということには目から鱗。
結果的に閉じこもること200年強。
他国の侵略を受けなかったのはものすごいことなのだと改めて思う。
その間に構築された徳川の支配と熟成された文化。
私、江戸時代には本当に興味なかったんだなーと思いつつの読了。
北方の『岳飛伝』未読なのですが、ここでネタバレを拾ってしまったようで
とりあえず忘れることにしました。びっくりしたわ(笑)
海底や地中に電話線を引く作業に従事した方の話を聞く機会があり
驚愕の嵐だったことを思い出しました。
■行った場所:島原・天草・神津島。
なかなか行く機会がなさそうだけど、よく行ったな、神津島。
歴史を学びに行こうと思ったわけでも、泳ぎに行ったわけでもなく、
砂漠が見たい!というのが私の動機でした。
「白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記」小野不由美 (新潮文庫)
手が届くかと思った光。
一度抱いた希望が叩き折られた瞬間の絶望は、
苦難に耐えていた時以上に堪えることを知っている。
次々に失われていく命。
それでも。
それでも彼らは、諦めなかった。
覚悟の決意を口にする彼らの想いが刺さる。
たとえ血路であろうとも、それがどれほどの負荷になろうとも、
主につながる道を自らの手で切り開いた泰麒。
決して他者を頼ろうとしなかった彼の気持ちに感服。
阿選。
覚悟を持って事を成すってそういうことなんだよ。
誰も責めることのなかった驍宗。
満身創痍の王と麒麟の築く未来に想いを馳せての読了。→
頁を閉じても、まだその先を読みたい想いに囚われたまま、気持ちは戴を漂っている。
全四巻。これだけ読んでもまだ読みたい。
早く先が知りたいと思って読み進めたけど、
終わりが近づくにつれてまだ足りない、もっと、と。
空白の6年を丁寧に描写してくれたからこそ、李斎らと共に旅をしている気持になり、この先も国を建てなおすであろう彼らと共に歩みたいと思ってしまう。
至福の読書時間でした。
「白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記」小野不由美 (新潮文庫)
繋がり、そして実を結んでいく点と点。
「いつか来るべき時」を諦めなかった人たちが、確かにいた。
理不尽な暴力に晒された人々を見過ごせない人たちがいた。
「やるべきこと」を為しつづけた人々が集まれば、
国を動かす力になる。
方々に散った人たちを結びつけることになった李斎の旅。
一方で独りよがりの逆恨みを抱き、或は興味本位で人々の運命を弄んだ輩に感じる憤り。
何より腹立たしいのは、その後すべてを放棄したことだ。
泰麒も目的のためにはその手で暴力をふるうことを厭わない。
そして、彼こそが諦めてはいなかった。
白雉が落ちていないこと。
それこそが天意。
軍が軍として機能するためには何が必要なのか。
北方の梁山泊で学んだことを思い出す。
感謝の意を後世まで伝え続けるその姿勢に、エルトゥールル号(『海の翼』参照)のことを思い出す。
最大の振り返りは『魔性の子』のエピソード。
あの時の出来事がここで繋がる壮大さ。
心躍らせながら最終巻へ。
「白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記」小野不由美 (新潮文庫)
何故討ったのか。
何を成したいのか。
まったく見えてこないその行為に、募る焦燥と苛立ち。
荒廃した国の中でも己の役割を果たしながら生きる人々がいる一方で、
苦しみに耐えるしか術のない民が痛々しい。
信じたいものと現実が同義であるとは限らない。
だけど、信じたいものが潰えるということは、希望も潰えるということ。
そんな現実とどう折り合いをつけて生きていくのか?
自分のことだけを考えていればいいわけではない立場の
李斎の問いかけが重い。
王宮でも、少しずつ事が動き始める。
泰麒が膝を突いた理由が気になる。とても気になる。
余計な情報を拾わないように、帯を外した表紙を並べて悶々とする。
そんな暇あったら続き読みなよ!って感じだけど(笑)
待ち続けたからこそ、飛ばし読まずに大事に読みたい。
「白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記」小野不由美 (新潮文庫)
王の不在から6年。
荒れ果てた国でその日の命を明日に繋ぐために生きる人々がいる。
困窮に喘ぎながらも、絶望に呑み込まれなかった人々がいる。
点と点が少しずつ繋がりあっていくのは、
泰麒が行動を起こしたからこそ。
たとえ麒麟としての力を失くしたとしても。
彼でなくては成し得ないことがある。
泰麒が紡いだ虚言。
これは、彼が胎果だからこそ口にすることができた嘘。
彼の国人々は思いつきもしないだろう。
方々で口ずさまれる歌は潜伏の証。
……だと思いたい。
かつて何が起こったのか。
少しずつ語られながら進行する物語。
だけど、いまだ真相は闇の中。
彼の人は何処へ。
読み辛い漢字多くなってない!? と、
既刊再読直後なのに思ってしまった私(笑)。
気のせい?
途中でマッカーシーの『ザ・ロード』を想起させられてしまった。
だけど、これはディストピアではないはず。
そう信じて、次巻へ。
「逆説の日本史12 近世暁光編」井沢元彦(小学館文庫)
リメンバー関ヶ原。
なるほど。
この時の勝敗が後々の明治維新につながると思うと、
歴史は一本の線上に展開されていると、つくづく感じさせられる。
勝利も敗北も紙一重。
勝った人が正義。
だけど、家康以外の誰かが勝者だったら安定した治世が265年も続かなかった気がする家康の偉業。
それも、信長と秀吉の築いた基礎があってのことだと、改めて思う。
過去を知るからこそ未来に備えられる。
このシリーズを読んでくれば、途中で気になる天皇家と徳川家との係わり方。
そこは漏れなくしっかり述べられていました。
万世一系。
続いた比類なさを令和に噛みしめる。
実際に関ヶ原を巡って、竹矢来・馬防柵が復元されている笹尾山にも行っているので
情景が色々浮かんでなんだか感慨深い。
とは言え、当時の私は東軍と西軍の違いもよくわかっていなかったので、
機会があったら再訪したい。
■行った場所:名古屋城・関ヶ原・笹尾山・石田三成陣跡
■行きたい場所:岐阜城・伏見城・東叡山寛永寺
■読みたい本:『真田太平記』池波正太郎・『天皇という「世界の奇跡」を持つ日本』ケント・ギルバート
「バスカヴィル家の犬」コナン・ドイル (新潮文庫)
過去の奇怪な言い伝えの真偽はともかく、
現在のそれは祟りでも呪いでもないことを知っている。
では、彼は何故死んだのか?
どのようにして?
湿った沼沢地の雰囲気が物語の薄気味悪さに拍車をかける。
住みたくないなぁ。←頼まれてない。
ホームズとは離れ、事件の真相を手繰ろうと一人奮闘するワトスン博士大活躍!かと思いきや。
美味しいところはしっかり攫っていったホームズ。
流石の存在感。
彼が加わった途端に空気が引き締まった感じと周囲が抱いた安心感が伝わってきて、
その凄さを実感。
100年経っても面白いモノは面白い。
ホームズ作品三作目。
ホームズが愉快で楽しい。
読みもしないで「ルパンの方が絶対いい!」と言い張っていた学生時代の自分をちょっと反省。
とはいえ、どっちがいいかって問われたら、今でも「ルパン!」って答えるだろうな(笑)
当時のホームズ派だった友だちと、今度ホームズ談義をしてこよう。
【ガーディアン必読 87/1000】
