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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「検事の死命」柚木裕子(宝島社文庫)



故人と距離が近しいが故に、違えることのできない約束。
隠された真実を公にした第三者の決断は、多分正しい。
心に傷を抱えながら生きてきた人たちの枷が外れたことに安堵すると同時に、
彼らの過ごした年数が重くて悲しい。
佐方の検事としての在り方は、父の姿があってこそだということが、
ヒシヒシと伝わってくる。
語らずとも伝わるものは必ずある。
だけど、叶うなら、美味い酒を酌み交わし、語り合う時間を過ごしてほしかった。
彼らの世界で正しく在り続けることは、こんなにも大変なことなのだろうか?
現実的にはそうであってほしくないと思うわけだけど……どうなんだろう?

己の利益を先んじて、国民の生活の安定を蔑ろにしてはいけない、
という会話を今日していたわけですが。
権力を笠に着て真実を捻じ曲げようとする輩が蔓延ってもいけないと思います。
真実をありのままに伝える事。
当たり前のことだと思うのに。なんでみんなあんなに苦労しなくちゃいけないんだろう?


内容(「BOOK」データベースより)

郵便物紛失事件の謎に迫る佐方が、手紙に託された老夫婦の心を救う「心を掬う」。獄死した佐方父の謎の核心が明かされる、感涙必至の帰郷小説「業をおろす」。大物国会議員、地検トップまで敵に回して検事の矜持を貫く「死命を賭ける」。検察側と弁護側双方の、絶対に負けられない裁判の火蓋が切られる「死命を決する」。全4話を収録した、佐方貞人シリーズ最新刊。圧巻の人間ドラマが、胸を打つ!

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「検事の本懐」柚木裕子(宝島社文庫)



検事の仕事が天職であるかのような男の在り方が、
第三者の目線で語られる連作短編集。
人として人と向き合い、検事という職務に真摯に取り組む佐方。
真実を追求することが、誰かを救う。
それが、犯罪者であっても、なくても。
誰に対しても公平で打算のないその姿勢に、背筋が伸びる思いだった。
5作目の短編「本懐を知る」は様々な想いを呑みこみ、秘密を胸に抱えて生ききった人々の物語。
秘匿し続けることは生半可な事じゃなかったと思う。
彼らの根底にあった想いは「恩義」。
そこまでの関係を結ぶことができる誰かと出逢えることは、幸せな気がする。

2016年の読み納めの本。
「本懐を知る」には『検事の死命』で続編があるんですね~。
購入済みなのでもやもやせずにすみます。
世の中には色々なタイプの人がいて、必ずしも付きあいたいと思える人ばかりではない。
仕事で係わっていくのは仕方ないけど、貰い事故みたいに絡まれるのはヤダな~、
というか、怖いな~、と3作目の短編「恩を返す」を読んで思ってみました。


内容(「BOOK」データベースより)

骨太の人間ドラマと巧緻なミステリー的興趣が見事に融合した連作短編集。県警上層部に渦巻く男の嫉妬が、連続放火事件に隠された真相を歪める「樹を見る」。東京地検特捜部を舞台に“検察の正義”と“己の信義”の狭間でもがく「拳を握る」。横領弁護士の汚名を着てまで、恩義を守り抜いて死んだ男の真情を描く「本懐を知る」など、全五話。第25回山本周五郎賞ノミネート作品。

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「海賊王の帰還~暁の天使たち3」茅田砂胡(C・NOVELS)



タイトルと表紙からものっすごくわくわくしながら読み始めましたが。
待ち望んだ海賊王はギリギリラストの滑り込み登場で、
しかも本編は不穏な雰囲気と多大なる期待を孕んだまま次巻へ続く……きゃーーー!!!
本当にこのシリーズ、読んだら即次巻!のエンドレスな旅に誘われます。
一応は一般人のはずのダンが超常現象にことごとく巻き込まれていて、
一般人故の振り回されっぷりがある意味お気の毒様。
一方的に責められるのはちょっと可哀想かな。
秘密基地へと乗り込んで行ったリィとシェラ。
彼らの暴れっぷりと海賊王とのご対面の瞬間に期待をしつつ、次巻へ。

復活のシーンは別に真っ裸でも良かったのよ?と、笑いながら思ってみました。
私の恥じらい、どこいった!?(笑)



内容(「BOOK」データベースより)

「きみのお母さんが生きている」突然アレクサンダーから告げられてダンは呆然とした。しかも「お母さんの復活に伴ってお父さんも蘇ってくる」とは何事だ!?ところがこの“彼”の再生体が連邦情報局によって強奪された!己の中に本物の彼を宿しているルウは困惑し―そして奪われた“彼”を追って連邦に乗り込むが。

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「死んでしまう系のぼくらに」最果タヒ(リトルモア)



愛が欲しいと叫ぶあなたは、だったら、どれだけ人を愛していますか?
ちょっと意地悪な問いかけかしら?と思いつつ、それが意地悪だと思う私は、
それなりに歳を重ねてきたのね、と、著者の詩を読みながら思いました。
同じ年頃だったかつての私だったら、
彼女の言葉に共感できたのかしら?と思えることがちょっと悔しい。
傷つきやすくてどこか思い上がった瑞々しい若い感性でしか紡げない言葉。
マイナスの感情を全面的に訴えている彼女の詩が、幸福に満ち溢れた文字を綴る瞬間を垣間見たい。
とても綺麗な言葉の音楽を奏でそうな気がする。

若いな~、と、思った時点で、相容れてないですね。
でも、それでいい。
重ねた人生の経験値が加味されて、感じ方は変わる。
だけど、かつての自分の感性を否定することはない。
あの時苦しかったこと、あの時悩んだこと。
あの時逃げ出したかったこと。
すべてを呑みこんで、今の私がある。
とりあえず、幸せ。(笑)

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「聖の青春」大崎善生(講談社文庫)



いつから人は、自分が死ぬことを意識するようになるのだろう?
意識した瞬間から、自分の生き様は変わるのだろうか?
重い病気を抱え、幼少期から死が身近にあった彼。
棋士を目指すことに対する両親の理解と支え、良き師匠との出逢い。
彼の目標となり、高みへと誘う将棋界の棋士たち。
多くの人に支えられ、全力で生ききった「村山聖」という棋士の29年。
在るがままの自分を受け入れる強さ。
目指した道を着実に極めようとする強さ。
そんな彼の強さが胸に刺さる。
どの瞬間に死んでも、多分、悔いは残る。
全力、とは言えなくても、それなりにやりきったって言える自分でありたい。

あとがきに寄せられた父、伸一氏のまっすぐな言葉が胸に沁みました。
自分がしんどい時って家族にきつくあたりがちになるよなぁ、と、ちょっと反省。
読了後『3月のライオン』ではなく、何故か『ヒカルの碁』が無性に読みたくなりました。
←すぐ出せるところにあるから危険。


内容紹介

重い腎臓病を抱え、命懸けで将棋を指す弟子のために、師匠は彼のパンツをも洗った。弟子の名前は村山聖(さとし)。享年29。将棋界の最高峰A級に在籍したままの逝去だった。名人への夢半ばで倒れた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動ノンフィクション。第13回新潮学芸賞受賞作(講談社文庫)

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「神々の憂鬱~暁の天使たち2」茅田砂胡(C・NOVELS)



科学技術の発達した世界と、魔法や超常現象の飛び交う世界の見事な融合。
私たちの感覚で「あたりまえの事象」を、別な視点から説明する言葉の巧みなこと。
面白いなぁ、と思う。
リィの育ての親のシルヴィと生みの親のアーサーの会話はとても良かった。
そして、リィからのアーサーに対する抱擁と言葉でアーサーと一緒に涙ぐんだはずなのに……
直後で吹き出してしまうところはさすがです、茅田さん。
「目指せ一般市民」という言葉がどうにも胡散臭い四人組。
確実に逸脱するでしょ?という方向で期待しています。
最後の最後で落とされた爆弾に、ここで来た!とテンションあげつつ次巻へ。

最後の爆弾の落とし方が本当に上手い。
どうしても「つ、続き~~!」と唸ってしまうのは、このシリーズではお約束。
作中でウォルについて言及してくれたのが、とてもとても嬉しかった。
場所が変わってもブレない彼らの在り様が好き。


内容(「BOOK」データベースより)

異世界から来たシェラにとって“この世界”は魔法に満ちていた。科学という“誰にも平等に使える魔法”が、人の代わりに何でもやってくれる。しかしシェラは知っていた。“限られた者たちにしか使えない魔法”の存在を。―魔法惑星ボンジュイの存在を。ついに黄金の太陽リィと銀の月シェラ、そして闇のルウの3人が集う。この世界―宇宙に何が起きるのか

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「64(ロクヨン)下巻」横山秀夫(文春文庫)



多分、彼はその場所に在ることを選ぶのだと、確信を持っていたので。
「おれの職場はここだ」と言い切った三上と記者クラブとのやりとりは鳥肌モノだった。
意に沿わない仕事と真っ向から向き合い、
その仕事を自分の職務とした三上。
身内であるなしに係らず、彼には人がついていく。
やりがいのある仕事は自ら掴み取るものなのだと、教えられた気がした。
そんな三上の思い描いた未来の時。
互いに認め合った松岡と三上の「その時」の姿を思い浮かべながら、本を閉じた。
一社会人として。
仕事をする上での自分の在り方を、ここにきて改めて己に問いかけながらの読書でした。

犯人に行きついた男の人生が、とてもやるせない。
「事件」は当事者以外の者にとっては「他人事」なのだと。
痛感させられた気がしたけれども。
多分、それは何に対しても当てはまるのかな。
自分に係ること以外はすべて他人事。
だからこそ、やさしさと思いやりと誠実さって大事な気がする。
一連の騒動を通じての広報室の面々の成長ぶりが素晴らしかった。
張り切って他の「D県警シリーズを」と思ったら、他は短編集なんですね~。
横山氏は新しい本に手を出す前に、
まだ感想をUPしていない手持ちの本を再読することにします。                                                                                                                                                                                                    
内容(「BOOK」データベースより)

記者クラブとの軋轢、ロクヨンをめぐる刑事部と警務部の全面戦争。その狭間でD県警が抱える爆弾を突き止めた三上は、長官視察の本当の目的を知り、己の真を問われる。そして視察前日、最大の危機に瀕したD県警をさらに揺るがす事件が―。驚愕、怒涛の展開、感涙の結末。ミステリベスト二冠、一気読み必至の究極の警察小説。

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「64(ロクヨン)上巻」横山秀夫(文春文庫)




「仕事だから」という理由で、人はどこまで自らを殺すことができるのか。
組織に属する以上、上からの命令は絶対。
守るべき家族がいる者は、安易に叛旗を翻すこともできない。
立場も役割も自分自身で決められない以上、
それは「服従」ではなく「任務」だと。
どこまで割り切ることができるのだろう?
感情が納得できない仕事はキツい。
ましてや、三上はプライベートでも心痛を抱えている。
それでも、懸命に職務を全うしようとする三上。
同時に進行する様々な事象。
利害の絡んだ人々の思惑。
それらすべてがどのように交差し、どんな結末へと向かうのか。
終始緊張感を孕んだまま、下巻へ。


会社が仲良し倶楽部じゃないことは重々承知しておりますが。
人間関係がこんなにドロドロしていて、
みんなが意地悪そうな職場……キツイ。
息が詰まりそう。
でも、家に帰ればそれぞれが「家族」の顔をしてるんですよねー。
そういうのも垣間見えちゃうから、色々リアルに迫ってきてやりきれなくなります。
続が気になるので、ワンクッション置かずにこのまま下巻に飛び込みます。


内容(「BOOK」データベースより)

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。記者クラブと匿名問題で揉める中、“昭和64年”に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への警察庁長官視察が決定する。だが被害者遺族からは拒絶され、刑事部からは猛反発をくらう。組織と個人の相克を息詰まる緊張感で描き、ミステリ界を席巻した著者の渾身作。


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「暁の天使たち」茅田砂胡(C-NOVELS)



一冊まるごと使っての序章。
世界が変わっても、立場が変わっても。
彼らはやっぱり私の知っている彼らだったことが嬉しい。
走り回って、全力でやりあって。
素直に感情のままにぶつかり合う。
前半の大人しさを吹き飛ばすかのような後半の暴れっぷりが
ものすごく楽しく感じられたのは、「あの世界」でそうだったような
全力の殺し合いじゃないからかな?
『デルフィニア戦記』と『スカーレット・ウィザード』を読んでいることが前提の物語。
でも、そういうのもアリかな?と。
彼らと一緒に私も「この世界」での物語を楽しもうと思います。

ゆっくり読もうと思っていたのに、一気に読み切ってしまった。
茅田さん、読み始めたら止まらないですよね~。
さすがに『デル戦』から再読をしていたら日が暮れるどころじゃないので、
自分の感想とWikiのお世話になって物語世界の復習。
記憶が一気にほどける瞬間が楽しい。
ああ、私、ウォルが本当に大好きだったんだわ、と、思い出しました。
ケリーも大好き。ふふ。一貫してますねー。
でもほっとけないのはヴァンツァー。
ワクワクしながら次巻へ☆


内容(「BOOK」データベースより)

デイジー・ローズはお気に入りの薔薇園で3人の天使に出逢った。菫の瞳と輝く銀の髪の、すさまじく丁寧で礼儀正しい天使。宝石のような緑の瞳と太陽の光を浴び黄金に光る髪で、恐ろしく口も態度も悪い天使。そしてもうひとり、黒い天使に―。

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「ファイト・クラブ」〔新版〕パラニューク (ハヤカワ文庫NV)



出逢うはずのない二人の出逢い。
いつしか生じる支配と服従。束縛と依存。
盲目的な崇拝の根底にあるものは、徹底的な自己破壊のはずだった。
だが、内に向けられていたはずの破壊衝動が外に向けられていると気づいた時。
後戻りなどできない程雁字搦めに縛られた現状に気付いた時。
生じた彼の驚愕と戦慄は、私のものでもある。
到底理解し得ない彼の歪み。
その歪みが生み出したものに追随する者が増え、
いつしか制御不能になっていく様は、在り得ないことではなくてゾワリとする。
例え生き方を変えるにしても。破壊せずに前進する術を模索したい。

何度か読もうとして手に取って開いて、なんとなく頁を閉じて……を繰り返した本。
私にしては珍しい。
読み終わってみれば、上手いなーと、うならずにはいられない構成でした。
読み進めるうちに途切れ途切れに脳裏に浮かぶ映像。
で、思い出しました。
私、映画を断片的に見ているんですね。
断片的なのは部屋で他のことをやりながら片手間に見ていたから。
誰に薦められたのかまで思い出しました。
記憶って連鎖して蘇るんですよね~。


内容(「BOOK」データベースより)

おれを力いっぱい殴ってくれ、とタイラーは言った。事の始まりはぼくの慢性不眠症だ。ちっぽけな仕事と欲しくもない家具の収集に人生を奪われかけていたからだ。ぼくらはファイト・クラブで体を殴り合い、命の痛みを確かめる。タイラーは社会に倦んだ男たちを集め、全米に広がる組織はやがて巨大な騒乱計画へと驀進する―人が生きることの病いを高らかに哄笑し、アメリカ中を熱狂させた二十世紀最強のカルト・ロマンス。

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