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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ジェファーソンの密約 上」ジェームス・ロリンズ(竹書房文庫)



【普通ならこのようなことは起こらない。
 だが、ここで発生している事態は、どこからどう見ても普通じゃないんだよ】

発見されたジェファーソンの書簡。
先住民たちの間に囁かれた、恐るべき言い伝え。
シンクロする過去の悲劇と現在の悲劇。
建国当時からの存在を匂わせる、謎の組織ギルド。
少しずつ紐解かれていく歴史の闇の中に隠された真実。
さらには、世界中で連鎖するニュートリノの放出との関連は?
多くの謎にぐいぐい引き込まれながら、一気に読み。
今回はアメリカが舞台。そして、日本のカミオカンデもちょっとしたご活躍。
緊迫した場面でも、コワルスキ―は相変わらず癒しだわ。
グレイとセイチャンの間の緊張感がなんだかいたたまれない。
でも、これまでのことを顧みればどうしようもないよね。
さて。
地球規模の危機的状況に直面した物語。
どんな結末を迎えるのかは次巻へ。

内容(「BOOK」データベースより)

アメリカ・ユタ州山間部の洞窟で謎の爆発が起こった。現場の大地や岩盤は細かい砂と化し、火山の噴火を誘発してしまう。シグマフォースのペインター・クロウ司令官は、現場に居合わせたハンク・カノシュ教授らとともに、爆発の謎を追う。同じ頃、シグマのグレイ・ピアース隊長と女暗殺者セイチャンは、テロ組織ギルドの手がかりを求めて国立公文書記録管理局に向かっていた。トーマス・ジェファーソンら建国の父たちとアメリカ先住民との間の密約とは?「十四番目の植民地」とは?「大いなる秘薬」とは?それらは爆発と、ギルドの起源と、関係があるのだろうか?ニュートリノの謎の放出と、トーマス・ジェファーソンの書簡の内容を手がかりに、グレイたちはアイスランド沖合の島へと向かう。

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「死命」薬丸岳(文春文庫)



【今まで家族のことを大切に思ってきた。
 だが、大切にしてきたかと問われれば、自信がない】

抑えに抑えていた殺人衝動が解き放たれたきっかけが余命宣告。
そのおかげで新しい世界に踏み込めたと語る榊。
その言葉に、彼の三十三年の空虚さを突きつけられたようで、苦い思いが込み上げる。
解放された魂は殺人という行為によって至上の快楽を貪るのだけれども。
人生を奪われた彼女たちにとってはたまったものではないだろう。
到底許される所業ではない。
奇しくも同じ病で余命幾許もないことを知らされた殺人犯と刑事。
追う者と追われる者が対峙したその空間で、蒼井が榊についた嘘。
それは榊にとって天使の囁きか、悪魔の囀りか。
どの瞬間に命が尽きても、悔いはあるだろう。
家族や仲間に見守られて眠りにつけた蒼井は幸せだったのだと思う。

内容(「BOOK」データベースより)

若くしてデイトレードで成功しながら、自身に秘められた女性への殺人衝動に悩む榊信一。ある日、余命僅かと宣告され、欲望に忠実に生きることを決意する。それは連続殺人の始まりだった。元恋人の澄乃との皮肉な再会。犯人逮捕に執念を燃やす刑事・蒼井にも同じ病が襲いかかり、事件の展開は衝撃の結末を―。

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「高熱隧道」吉村昭(新潮文庫)



【なぜ人間は、多くの犠牲をはらいながらも
 自然への戦いをつづけるのだろう?】

昭和11年に始まった黒部第三発電所建設工事は、
場所によっては165度の岩盤温度を記録する高熱地帯を掘り進まなければならい
過酷な大工事だった。
完成までの4年の間に失った命は300名を超える。
劣悪に過ぎる環境下で偉業を成し遂げた作業員たちに笑顔はなく、
疲れ果てた彼らのやり場のない憎しみを向けられた、現場を指揮した者たちは、
逃げるようにその場を立ち去っていく。
そこに達成感や充足感はなく、虚しさともの悲しさが胸の内を侵食する。
係わった人たちをそれだけの極限に追い込む危険を伴う作業だったことが
淡々と綴られる文章から伝わってくる。
それでも、続けられた隧道工事。
その時代にあれだけのトンネルを貫通させた人々には畏敬の念を抱かずにはいられない。
いまの日本の礎の一端を、間違いなく彼らも担っている。

今から80年近く前の技術の進捗も自然現象の解析も地質調査も
今とは比べ物にならない時代に
これだけの工事をやり遂げた人々がいるということに心が震えます。
泡雪崩が建物をあたかも消失したかのようにごっそりと吹き飛ばす、という事象には絶句。
自然の恐ろしさを改めて思い知らされました。

内容(「Amazon」より)

黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して、極限状況における人間の姿を描破した記録文学。

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「フォー・ユア・プレジャー」柴田よしき(講談社文庫)



【人生には、絶対に他人には任せられない選択をしなくてはいけない時が、
 一度や二度はくるもんだ】

副業での人探からはじまった、ハナちゃんを見舞った災厄の数々。
恋人の失踪、殺人事件、薬絡みの大捕り物。
そして自分と友人の命の期限が切られた24時間。
スピード感あふれる展開にドキドキワクワクしながら頁を捲りました。
どこまでも泥臭く立ち回り、人間味に溢れているハナちゃんは魅力的。
だからみんな放っておけない。
合間合間で語られる日本の保育園事情は真剣に考えさせられました。
こんなに前から取りざたされていることが、今でもあまり改善されていない現状。
個人的には笑い上戸の麻取、逸見の存在がツボ。
人を食った感じがたまらなくいい。
もちろん練には及びませんが☆


内容(「BOOK」データベースより)

無認可保育園の園長兼私立探偵・花咲慎一郎。彼に持ち込まれた人探しは、やがてクスリがらみの危険な仕事に発展する。その上、最愛の女性・理紗が行方不明に…。次々に襲いかかる無理難題と戦う心優しいハードボイルド探偵に、明日はあるのか!?読み始めたら止まらない傑作シリーズ第2弾。

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「フォー・ディア・ライフ」柴田よしき(講談社文庫)



【愛はいつだってうまく行かない。いろんな人生を狂わせる。】

愛する人を守りたい。大切な人を守りたい。家族を守りたい。
そんな切なる想いに端を発した出来事が、多くの人々の人生を狂わせる。
園長業と探偵業。
二足のわらじで大都会で途方に暮れる人々のために奔走する
ハナちゃんの一生懸命さにエールを送りたくなる。
鬼籍に入った韮崎の影は色濃く、奈美も練も今なお彼を介してつながっている。
奈美の生き様は女子としてカッコいいと思う。
そして悪魔と言われながらも危うさを垣間見せる練のことが気になって仕方がない。
小さな子供がさらに小さな子供たちを守るためにヒッチハイクに出るシーンは
本当にいたたまれない。
ハナちゃんが命を担保に守った場所で、子供たちが安らげることを希う。



内容(「BOOK」データベースより)

新宿二丁目で無認可だが最高にあったかい保育園を営む男・花咲慎一郎、通称ハナちゃん。慢性的に資金不足な園のため金になるヤバイ仕事も引き受ける探偵業も兼ねている。ガキを助け、家出娘を探すうちに巻きこまれた事件の真相は、あまりにも切なかった…。稀代のストーリーテラーが描く極上の探偵物語。

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「時のアラベスク」服部まゆみ(角川文庫)



そしてすべての真実が闇の中に葬られるのだとするならば。
殺された人たちはあまりにも救われない。
殺人事件が起きたというのに、危機感のなさすぎる人々の対応。
探られたくない腹を抱えていたからこそ、警察の介入を忌避した慶。
だが、彼の主張を通した人たちもまた、同罪だ。
推測の域を出ない無責任な言葉が、新たな悲劇を生む。
春美の無神経に過ぎる言動も相乗効果になって、
途中までひどくイライラしながら読み進めていたのだけれども。
亮が気づいた真実。千秋の語った真実。そして当事者たちからの手紙。
真実が解き明かされていく最後の展開にはぐっと引きつけられてしまった。

ロンドン、ブリュージュ、そしてパリ。
憂鬱そうな空の下の異国の地に、降り立ってみたい。
そんな想いに駆られる読後でした。


内容(「BOOK」データベースより)

東京、冬。出版記念会の席上に届けられた一本の真紅の薔薇から、惨劇の幕が開く。舞台は、ロンドン、ブリュージュ、パリを経て、再び東京の冬へ。相次いで奇怪な事件が続発し、事態は混迷の度を深めていく。精緻な文体と巧妙なトリックを駆使して、人生の虚飾と愛憎を描く、本格長編推理。第七回、横溝正史賞受賞作。

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「月神の浅き夢」柴田よしき(角川文庫)



【長い、長い夜の果て。途方もなく遠い夜明け。だが、開けない夜はない】

緑子の言動を見ていて、つくづく、女は感情で動く生き物だと思ったけれども。
それは何も女に限ったことではない。
男だって感情で動き、時に流される。
弱音を吐くのもいい。泣き叫んだってそれは無様じゃない。
だけど「逃げたい」というセリフは裏切りだと思う。
結局、麻生の翼は闇色には染まらない。
昏い夜の中の練は、いまも孤独だ。
読後に噛みしめる想いは、ひどく苦い。
緑子の強さは現実から目を背けないこと。
男社会にあって女であることを否定しないこと。逃げないこと。
初読の時は受け入れられなかった彼女の在り方を、理解はできないまでも
認められる分だけの年数が経ったのだなぁ、としみじみ思いました。

田村と練がじゃれあっている描写がなんだか可愛かった。
切ないままお預けくらって……もう10年以上かぁ。続き、待っています!

内容(「BOOK」データベースより)

若い男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生。手足、性器を切り取られ木にぶらさげられた男の肉体。誰が殺したのか?次のターゲットは誰なのか?刑事・緑子は一児の母として、やっと見付けた幸せの中にいた。彼女は最後の仕事のつもりでこの事件を引き受ける。事件に仕組まれたドラマは錯綜を極め、緑子は人間の業そのものを全身で受けとめながら捜査を続ける。刑事として、母親として、そして女として、自分が何を求めているのかを知るために…。興奮と溢れるような情感が絶妙に絡まりあう、「RIKO」シリーズ最高傑作。

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「聖母の深き淵」柴田よしき(角川文庫)



【愛してるんだ】

一連の事件の顛末を見事に描き切っている中で、
キリキリと胸が軋むような練と麻生の関係もきっちり読ませてくれました。
緑子に対しては思うところが色々で、振りかざしてくるような言い分に腹が立つけど、
その指摘の鋭さにハッとさせられたりもする。
結局彼女の女の部分に自分の感情も振り回されているような気がする。
安藤と連れ添う決意をしたシーンは好き。
愛。
とても崇高で、とても複雑なもの。
抱いて堕ちた泥沼の中から這い上がった時の麻生の翼の色は?
「愛している」という言葉に嘘がないことはわかっているけれども。
練の幸せを願ってやまない私には、泣きたくなるような問いかけです。

初読の時より再読した時の方がジワジワと胸に迫る切なさが半端ない。


内容(「BOOK」データベースより)

一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。彼女は失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。そんな時、緑子は四年前に起きた未解決の乳児誘拐事件の話をきく。そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべき一つの真実が隠されていた…。ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第二弾。

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「RIKO~女神の永遠~」柴田よしき(角川文庫)



【あたしの中で、女は永遠だ】

どこまでも泥臭い警察組織の中にあって、彼女はどこまでも女だった。
対等であることと平等であることは意味が違う。
女が女であるという、ただそれだけの理由で貶められる謂れはない。
男にしかできない戦い方があるのなら、女にしかできない戦い方で挑んでいけばいい。
平等で在ろうとすることは難しいだろう。
だが、対等であろうと望むその先には果てがない。どこまでも上り詰めていける。
好悪で問われれば、緑子のことは多分好きにはなれない。
でも、彼女の奔放さと強さ、そしてしたたかさは実は嫌いではない。
高須に対してやり返した緑子のやり口はお見事でした。

練の物語に行きつくために、この巻は避けて通ることのできないハードルです(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

男性優位主義の色濃く残る巨大な警察組織。その中で、女であることを主張し放埓に生きる女性刑事・村上緑子。彼女のチームは新宿のビデオ店から一本の裏ビデオを押収した。そこに映されていたのは残虐な輪姦シーン。それも、男が男の肉体をむさぼり、犯す。やがて、殺されていくビデオの被害者たち。緑子は事件を追い、戦いつづける、たった一つの真実、女の永遠を求めて―。性愛小説や恋愛小説としても絶賛を浴びた衝撃の新警察小説。第十五回横溝正史賞受賞作。

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「ブルース」花村萬月(角川文庫)



【あまりに胸が、心が痛いので、気を失った】

あまりに純粋で狂おしい情愛と、苛烈なまでの暴力の連鎖。
法の外にはみ出した行為を是とする徳山の想いに同調するまい、と、
自分に言い聞かせるのだけれども。
報われることのない彼の想いに胸が軋む。
徳山の想いを認め、受け入れながらも、
対峙する道を選ばざるを得なかった村上の頑なで不器用な潔さ。
崔とサチオの犠牲の上に成り立つ安寧を良しとせず、
綾の元を去ることを選び、つかみかけた光に背を向けた。
誰も彼もが抱えていた大人になりきれない青臭さが、
自らも含む人々の運命を歪ませていったのだ。
描かれる物語は魂の慟哭。文字通りのブルース。

北方氏のあとがきが秀逸。
「たまらんぜ、萬月。なにが悲しくてこんな小説を書く」
私にはその言葉がもうたまりませんでした。



内容(「BOOK」データベースより)

南シナ海の烈風。眼下で砕ける三角波。激しい時化に呻く25万トンの巨大タンカーの中で、村上の友人、崔は死んだ。仕事中の事故とはいえ、崔を死に至らしめた原因は、日本刀を片手に彼らを監督する徳山の執拗ないたぶりにあった。徳山は同性愛者であった。そして村上を愛していた。村上と親しかった崔の死こそ徳山の嫉妬であり、彼独自の愛の形であった―。横浜・寿町を舞台に、錆び付いたギタリスト村上とエキセントリックな歌姫綾、そしてホモのヤクザ徳山が奏でる哀しい旋律。芥川賞作家が描く、濃密で過剰な物語。

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