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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華」椹野 道流(角川文庫)



【せやけど、お前の人生を、代わりに切り拓いてやることはできへん。
 それはお前が自分でやらなあかんことや】

大なり小なりみんな過去にはいろんなことを抱えているわけだけれども。
赤の他人がそれを無遠慮に引っ掻き回す資格はない。
傍若無人なマスコミは、同じことを自分がされたら……という想像力が何故働かないのだろう?
そんな心無い嵐に晒されながらも、自らの過去にきっちりとけじめをつけた海里。
それは、夏神たちの支えや後押しがあったからこそで、
彼が独りきりでその嵐に耐えなければならない状況ではないことが嬉しい。
海里のまっすぐな誠実さはとても素敵だと思う。
嘘もごまかしもないその誠実さは、傷を抱えた人にはとてもやさしく響く気がする。

それにしても、夏神さんの過去が、とってもとっても気になります!


内容(「BOOK」データベースより)

兵庫県芦屋市。この街に、定食屋「ばんめし屋」はある。夜のみ営業、メニューは日替わり一種のみ、幽霊すらも常連客…。この不思議な店で、元イケメン俳優の五十嵐海里は、ただいま料理修業中。芸能人としての挫折を乗り越え、常連客で小説家の淡海とも仲良くなり、順風満帆、と思いきや、後輩の若手俳優・里中李英が店を訪れたことで、再び嵐に巻き込まれ…。人の優しさと美味しいごはんに癒される、泣けるお料理青春小説。

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「地獄の季節」ランボオ(岩波文庫)



「地獄の季節」で撒き散らされる倦怠感と厭世観。
だがそれは、10代ならではの青臭さとも取れるのは、
行間に垣間見れる選民的な意識と、
もてあましたような熱いエネルギーを感じられるからだろうか?
迸る彼の叫びに圧倒される。
「飾画」で綴られる言葉は、
一転して地に足がついたような現実味を帯びた様相を呈してくる。
そして、彼の煌めく言葉の輝きにはっとさせられる。
小林秀雄氏の翻訳の妙もあるのだろうが、
その言葉の美しさに立ち竦むのだ。
早々に言葉を捨てた早熟の天才。
その後、彼が見た世界はどんな色をしていたのだろうか?

内容(「BOOK」データベースより)

16歳にして第一級の詩をうみだし、数年のうちに他の文学者の一生にも比すべき文学的燃焼をなしとげて彗星のごとく消え去った詩人ランボオ(1854‐91)。ヴェルレーヌが「非凡な心理的自伝」と評した散文詩『地獄の季節』は彼が文学にたたきつけた絶縁状であり、若き天才の圧縮された文学的生涯のすべてがここに結晶している。

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「銀河英雄伝説2 野望編」田中芳樹(創元SF文庫)



【宇宙を手に入れること。
 そのためにどんなことでもやらなくてはならないのだった】

最後まで守り通された誓い。
永遠に失ってしまった半身。
責めるべきは己自身。
悔いる資格は彼にはない。
友の死に報いるために。そして、孤独と渇きを埋めるために。
彼は戦いつづけるしかないのだ。
例え宇宙を手に入れたとしても、ラインハルトに真の安息の日は訪れない。永遠に。
心に巣食う果てのない空虚。
敵を欲する飢えを味方にもまき散らさないでほしい、と切に想うのは、
先の展開を知っているからなのでしょうね。
一方のヤンもまた、意に沿わない戦いを強いられることとなる。
何のための国家か。何のための権力か。
問わずにはいられない。

何度も読んで何度も泣いて。
展開は知りすぎているわけで、今回はもう泣かない!と思って読んでいたのに。
結局泣きすぎてパンダ目になっていました(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

自由惑星同盟でクーデター勃発。叛徒鎮圧の命令がヤンに下るが、首都を制圧したその首謀者は、彼が篤く信頼を寄せていた人物だった。一方帝国でも、皇帝崩御以降激化する貴族間の権力闘争の渦中に身を置くラインハルトに、新たな試練が課されようとしていた。不敗の魔術師と常勝の天才、二人の英雄の決断が、銀河史に新たな波瀾を呼ぶ。巻措く能わざるスペース・オペラ、第二巻。

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「銀河英雄伝説 1 黎明編」田中芳樹(創元SF文庫)



【人は自分だけの星をつかむべきなのだ。
 たとえどのような兇星であっても……】

遠く、さらに遠く!
かつて、宇宙を目指して地球を飛び立った持つ人たちは、
飽くなき闘争が繰り広げられる未来を果たして想像しただろうか?
国の現状を正しく認識できていない政治家主導の戦闘で、命を落とす理不尽。
救える命を全力で救い続けた結果、
辞めたくて仕方のなかった軍を辞める時期を逸してしまったヤン。
打倒すべき己にとっての害悪を唐突に失し、
それでも果てのない高みを目指して戦いつづけるラインハルト。
輝かしい業績を重ねる彼の足元に差し込む一筋の影。
これは、“常勝の天才”と“不敗の魔術師”が奏でる銀河の物語。
そして数多の人たちの数奇な人生を描く物語でもある。

一番最初は高校時代に夢中になって読んだ本です。
予備校の授業をサボって作者のサイン会にいったくらい、傾倒していました。
先の展開を知っているからこそ、大事に読んでいこうと思います。
また彼らの軌跡を追えるのが楽しみ。

内容(「BOOK」データベースより)

銀河系に一大王朝を築きあげた帝国と、民主主義を掲げる自由惑星同盟が繰り広げる飽くなき闘争のなか、若き帝国の将“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟が誇る不世出の軍略家“不敗の魔術師”ヤン・ウェンリーは相まみえた。この二人の智将の邂逅が、のちに銀河系の命運を大きく揺るがすことになる。日本SF史に名を刻む壮大な宇宙叙事詩、星雲賞受賞作。

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「最後の晩ごはん ふるさとだし巻卵」椹野 道流(角川文庫)



ありのままの自分を受け入れてくれる場所があって、
自分を無条件に信じてくれる人たちがいれば、
たとえ、この瞬間がどんなに苦しくても、明日に想いを繋ぐことができる。
濡れ衣をかけられて人生をめちゃくちゃにされ、
行くあてもなく、頼る人もいなく、暴力に晒されながら命を諦めかけた海里が夏神に救われ、
そんな海里が現実に絶望した幽霊を救う。
夏神のもとで料理人になることを決意した海里。
自分に何ができるのか。何をしたいのか。
気付いた時からやり直しがきくのが人生なんだと思っています。
ご飯は美味しそうだし、掛け合いは小気味よいしで、楽しく読み切った物語でした。

内容(「BOOK」データベースより)

若手イケメン俳優の五十嵐海里は、ねつ造スキャンダルで活動休止に追い込まれてしまう。全てを失い、郷里の神戸に戻るが、家族の助けも借りられず…。行くあてもなく絶望する中、彼は定食屋の夏神留二に拾われる。夏神の定食屋「ばんめし屋」は、夜に開店し、始発が走る頃に閉店する不思議な店。そこで働くことになった海里だが、とんでもない客が現れて…。幽霊すらも常連客!?美味しく切なくほっこりと、「ばんめし屋」開店!

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「槐」月村了衛(光文社)



【愛する人を守るための戦い。
 そのためには、まず自分が生き残らねばならない。】

表紙と中表紙の綺麗さと、突如として繰り広げられる虐殺現場の凄惨さのギャップに、
まずぎょっとした。
絶体絶命の状況に恐怖に戦く公一たちと同じように息を呑みながら頁を捲り、
「槐」というタイトルの意味が明確にされたとき、物語に対する見方が変わる。
そこからさらに加速がついて一気読み。
自分本位だった少年少女たちが次第に互いのために全力を傾けるようになり、
子どもたちを守るために、大人もまた捨て身の覚悟で戦いに挑む。
恐怖と緊張を強いられた一夜の間に展開された壮絶なバトル。
亡くした命もあったけれども。
傷を抱え込まずに成長の跡が見て取れた子供たちの姿に安堵した。

さすが月村了衛氏。
一気に読ませるスピード感に乗せられるまま走り切り、どっと疲れた読後でした。
ラスト一文、すごくよかった!


内容(「BOOK」データベースより)

弓原公一が部長を務める水楢中学校野外活動部は、夏休み恒例のキャンプに出かけた。しかしその夜、キャンプ場は武装した半グレ集団・関帝連合に占拠されてしまう。彼らの狙いは場内のどこかに隠された四十億円―振り込め詐欺で騙し取ったものだ。関帝連合内部の派閥争いもあり、現金回収を急ぐリーダー・溝淵はキャンプ場の宿泊客を皆殺しにし、公一たちは囚われの身に…。そのとき、何者かが関帝連合に逆襲を始めた!圧倒的不利な状況で、罪なき少年少女は生き残ることができるのか!?

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「一瞬の風になれ 第三部」佐藤多佳子(講談社文庫)



【人生は、世界は、リレーそのものだな。
 バトンを渡して、人とつながっていける。】

青空の下を全力で駆け抜けたような爽快感。
読後に胸を満たすのはそんな感情です。
新二がいたから陸上を続けることができた連。
連がいたからより速く走ることができた新二。
親友でライバル。そしてかけがえのない仲間。
一緒に走ることが楽しくて。とても楽しくて。
だからこそ、負けたくはないし、相手より前を走っていたい。
勝負に無頓着だった連が「勝ちたい」という意欲を貪欲に示すようになっていく様子に、
そして、常に速さを希求し続けた新二に、頁を捲る私の方もわくわくした。
彼らはどこまで風に近づくことができるのだろう?と。
途中彼らと一緒に泣きながらも、楽しく読み切った小説でした。

全力で何かに打ち込むことの素晴らしさを改めて思いました。
あのひたむきさ、私の中にもまだあるかな?


内容(「BOOK」データベースより)

いよいよ始まる。最後の学年、最後の戦いが。100m、県2位の連と4位の俺。「問題児」でもある新人生も加わった。部長として短距離走者として、春高初の400mリレーでのインターハイ出場を目指す。「1本、1本、走るだけだ。全力で」。最高の走りで、最高のバトンをしよう―。白熱の完結編。

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「一瞬の風になれ 第二部」佐藤多佳子(講談社文庫)



【でも、もう、降りることのできない山を登っているのだと思った。
 仲間たちと。苦しさと喜びをともに。】

今日と同じ走りを再現することはできない。
すべては、一回きりの走りだ。
だからこそ、その一回がとても大切で、その瞬間にすべてを賭ける。
その一瞬に、様々な想いをぶつけ、感情を揺さぶられ、責任を感じ、
悔しさを噛みしめて、喜びに沸く。
試合で勝てない自分を思い描いたとしても、
明日走ることの出来なくなる自分を思い描いている者はいないだろう。
守屋のために連のみせたこだわりと本気。
健一の怪我がきっかけでぶつけ合う悲鳴のような言葉。
離れようとした部に再び戻っていく新二の姿。連の言葉。
後半は本当に涙が溢れて仕方がなかった。
次巻は「走りたい」という想いを再び胸にいた新二たちの最後の学年の物語。
ドキドキします。


内容(「BOOK」データベースより)

オフ・シーズン。強豪校・鷲谷との合宿が始まる。この合宿が終われば、二年生になる。新入生も入ってくる。そして、新しいチームで、新しいヨンケイを走る!「努力の分だけ結果が出るわけじゃない。だけど何もしなかったらまったく結果は出ない」。まずは南関東へ―。新二との連の第二シーズンが始まる。吉川英治文学新人賞、本屋大賞ダブル受賞。

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「一瞬の風になれ 第一部」佐藤多佳子(講談社文庫)



【神様にもらったものを粗末にするな。
 もらえなかったヤツらのことを一度でもいいから考えてみろ】

共に戦う仲間がいるからこそ、そして、
絶対に負けたくない相手がいるからこそ、更なる速さを目指して頑張れる。
憧れるだけではなく、いつかは彼以上のスピードで走りたいと、希う。
部活に対する姿勢の温度差でぶつかりあいながらも、
次第にチームとしてまとまっていく姿。
他校の選手たちと試合ごとに顔見知りになり、言葉を交わしていく姿。
指導者に対する反発
恋愛事でのもやもや。
家のこと、犬のこと、家族のこと、兄弟のこと。
どれをとっても、10代のその瞬間でしか味わうことのできない感性が滲んでいて、
読んでいて清々しい気持ちになれました。
彼らの成長が楽しみ。

三年間部活としてかかわった陸上部。
フィールドの雰囲気、スタート前の緊張感、先輩への憧れ、限界を認識した時の悔しさ。
等々を懐かしく思い出しました。

内容(「BOOK」データベースより)

春野台高校陸上部、一年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感…。ただ、走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。青春陸上小説、第一部、スタート。

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「遺体」石井光太(新潮社)



津波で亡くなった一人でも多くの方々を家族の元へ帰そうと、
そして、土葬が検討される中、何とか火葬して供養できるようにと、
一心不乱に努力した数多くの方々へのインタビューをまとめたルポルタージュ。
遺体を丁寧に扱い、語りかけ、身元を示すものを見つけ出そうと、
懸命に努力する数多の人たち。
一人一人がそれぞれの立場で今の自分にできることを。
模索しながら十分すぎる程心血を注いでいるにもかかわらず、
それでも、他にもっとなにかできることが、と、自らに問う姿勢に胸を打たれた。
津波に流されて建物が何もなくなった土地に、
穏やかな日差しが降りかかる光景を見た時、涙が溢れて仕方がなかった。



内容(「BOOK」データベースより)

あの日、3月11日。三陸の港町釜石は海の底に沈んだ。安置所に運び込まれる多くの遺体。遺された者たちは懸命に身元確認作業にのぞむ。幼い我が子が眼前で津波にのまれた母親。冷たくなった友人…。悲しみの底に引きずり込まれそうになりながらも、犠牲者を家族のもとへ帰したい一心で現実を直視し、死者の尊厳を守り抜く。知られざる震災の真実を描いた渾身のルポルタージュ。

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