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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「流れ星が消えないうちに」橋本紡(新潮文庫)



とても綺麗な喪失と再生……というより、喪失と新しい始まりの物語。
加地と奈緒子と巧とで描かれた三角形。
それは加地が生きている時も亡くなった後も変わらない形。
加地の死という辛く悲しい出来事はあったけれども、
彼らの描く三角形が、とてもかわいらしくて微笑ましかった。
流れ星に願った巧の願い事になんだかきゅんとた。
若者独特の感性を、綺麗に書かれているなーという印象。
個人的には父の悩みと、母との関係がとっても気になるところ。
お父さんの夢へのチャレンジ権、是非与えてあげて欲しいなぁ……
彼らと同じ年代の頃に読んだら、より色々な揺さぶられ方をしたんだと思う。

内容(「BOOK」データベースより)

忘れない、忘れられない。あの笑顔を。一緒に過ごした時間の輝きを。そして流れ星にかけた願いを―。高校で出会った、加地君と巧君と奈緒子。けれど突然の事故が、恋人同士だった奈緒子と加地君を、永遠に引き離した。加地君の思い出を抱きしめて離さない奈緒子に、巧君はそっと手を差し伸べるが…。悲しみの果てで向かい合う心と心。せつなさあふれる、恋愛小説の新しい名作。

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「機龍警察」月村了衛(ハヤカワ文庫JA)



久々に、読みながら血がざわざわするくらい面白かった。
至近未来警察小説と称されているけれども、
事件を通して「人、或は人生」と「警察組織」がきっちりと描かれた物語。
それぞれの生き様、歩いてきた人生、価値観、任務に対する想い。
そういったものがちゃんと伝わってくる。
だから彼らの言葉に重みがある。そして時に切ない。
見栄とプライドと同族意識とに雁字搦めになって
捜査の邪魔にしかなっていない警官が滑稽でもどかしい。
全体的にはプロローグ的な物語。
警察組織の中に潜む闇は明らかにされていないまま続編へ。
個性的な彼らに早く会いたくて。
速攻注文してしまいました(笑)

内容(「BOOK」データベースより)

大量破壊兵器の衰退に伴い台頭した近接戦闘兵器体系・機甲兵装。『龍機兵』と呼ばれる新型機を導入した警視庁特捜部は、その搭乗要員として姿俊之ら3人の傭兵と契約した。閉鎖的な警察組織内に大きな軋轢をもたらした彼らは、密造機甲兵装による立て篭もり事件の現場で、SATと激しく対立する。だが、事件の背後には想像を絶する巨大な闇が広がっていた…“至近未来”警察小説を描く実力派脚本家の小説デビュー作。

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「黄昏の岸 暁の天」小野不由美(新潮文庫)



「天は何故民を助けてくれないのか?」と叫んだ李斎。
「人は自らを救うしかない」と静かに語った陽子。
そして「天をあてにしてどうする?」と言った泰麒の言葉に、
王と麒麟、そして民の決定的な違いを見た気がした。
運命とは自らの手で切り開くもの。
他者に依存し、祈り縋るだけでは何事も動かすことはできない。
厳しいことを突きつけられるけれども、真理だと思う。
安住の地を飛び立った泰麒と李斎の苦難の道の先に光明があることを願います。
各国の重鎮会議の様相を呈していた本巻。
天敵とみなす氾王と延王のとぼけた掛け合いが個人的に楽しかった。

子どもは大人の言葉をきちんと聞いている。
だから、わからないだろう、と、侮ってはいけないし、
都合のいいことだけを伝えてごまかして、真実から遠ざけてはいけない。
泰麒を麒麟として、国の台輔としてみなすのであれば、
宮中の大人たちは真実を知らせなければいけなかったのだと思う。

内容(「BOOK」データベースより)

驍宗が玉座に就いて半年、戴国は疾風の勢いで再興に向かう。しかし反乱鎮圧に赴いた王は戻らず、届いた凶報に衝撃を受けた泰麒も忽然と姿を消した。王と麒麟を失い、荒廃へと向かう国を案じる将軍は、命を賭して慶国を訪れ、援助を求める。戴国を救いたい―景王陽子の願いに諸国の麒麟たちが集う。はたして泰麒の行方は。

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「華胥の幽夢」小野不由美(新潮文庫)



それぞれの国の在り様、そして王の在り様が描かれた短編集。
重責から逃れることなく、言い訳を断ち切り、それが、前王を討った自らの責任であると。
苦悩し、葛藤した末に、施政者であることを決意するまでの月渓の在り様がたまらなく好き。
一方、砥尚の孤独には息が詰まりそうになった。
現実から目を背け、華胥華朶に夢を見た彼らの危うさが痛々しい。
理想を掲げる事、誰かを責める事はたやすい。
ならば、理想を具現化するためにどうすればよいのか、
或は責めた誰かに成り変わって何ができるのか。
問われて答えられることのできるものは、果たして如何ほどか。
答えられないものは同罪だということに、誰もが気づかなかった。
結局は道を誤ったけれども、砥尚は最期まで王だった。
泰麒、楽俊、延王と利広。
彼らの物語には気持ちがほっとしました。

内容(「BOOK」データベースより)

王は夢を叶えてくれるはず。だが。才国の宝重である華胥華朶を枕辺に眠れば、理想の国を夢に見せてくれるという。しかし采麟は病に伏した。麒麟が斃れることは国の終焉を意味するが、才国の命運は―「華胥」。雪深い戴国の王・驍宗が、泰麒を旅立たせ、見せた世界は―「冬栄」。そして、景王陽子が楽俊への手紙に認めた希いとは―「書簡」ほか、王の理想を描く全5編。「十二国記」完全版・Episode 7。

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「丕諸の鳥」小野不由美(新潮文庫)



国の礎を担うのは民である、ということを改めて痛感させられた4編。
王が不在でも、国が荒廃しても、そこで生活を営まなければいけない民がいる。
そんな彼らが国を案じ、己にできることを必死でやり遂げようとする様に、胸を打たれる。
「丕諸の鳥」情景描写が溜息が零れるほど見事だった。
未来を諦めないでほしい。ここに人々の心の叫びを汲み取れる王がいるのだから。
「落照の獄」読後の苦い思いを形容する言葉がみつからない。
「青条の蘭」災害を食い止めようと王宮を目指してひたすらに走り続けた標仲。
動けなくなった彼の代わりに人々の手から手へと青条が託されていく様には涙が滲んだ。
苦悩や絶望の中にあっても、希望の光が決して潰えてはいないことを示してくれた物語だった。


内容(「BOOK」データベースより)

「希望」を信じて、男は覚悟する。慶国に新王が登極した。即位の礼で行われる「大射」とは、鳥に見立てた陶製の的を射る儀式。陶工である丕緒は、国の理想を表す任の重さに苦慮していた。希望を託した「鳥」は、果たして大空に羽ばたくのだろうか―表題作ほか、己の役割を全うすべく煩悶し、一途に走る名も無き男たちの清廉なる生き様を描く全4編収録。

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「ハサミ男」殊能将之(講談社文庫)



タイトルが秀逸。
ハサミ男がハサミ男に出会い、これで事態は終息へ……とは向かわず、
さらに新たな展開へ。
真剣な人の気持ちを弄んだり、試したりしちゃいけないよ、と思いつつ、
だからってそれが殺される理由にはならない。
逆に殺す言い訳にもならない。
そんな理由で!?と思った瞬間、ハサミ男も同じことを叫んでたよ。
とはいえ、そう言ったハサミ男に正当な理由があるわけでもない。
そんなんでも理由のある殺人は、まったく理由のない殺人よりは人間らしい気がした。
実はしっかりと仕事をしていた警察の皆々様。
捜査ってそうやって行われていくのねー、と、感心しつつも、ラスト、思いは複雑でした。

内容(「BOOK」データベースより)

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。

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「図南の翼」小野不由美(新潮文庫)



「王の責務を正しく果たせるのか?」と、問われ、
「あたしにできるはずないじゃない!」と、叫んだ珠晶。
ここから珠晶が想いを爆発させるシーンは本当に好き。
文句を言うのも嘆くのもやるべきことをやってからではないのか?と、珠晶は問いかける。
誰もが自分さえ良ければいいと思っている限り、国の窮状は救えない。
彼女の言うことは間違ってはいない。
十二歳の子どもにここまで言わせてしまう大人の不甲斐なさ。
でも、可もなく不可もない現状に甘んじる心境も
なんとなく理解できてしまう自分がちょっとさみしかったりもする。
でも珠晶の周りには頑丘や利広のような大人もいる。
彼らと共に作り上げる恭国の未来は溌剌とした色をしているような気がします。

そして供麒と珠晶。なんだかとっても素敵なコンビだと思います(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。首都連檣に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女は、王を選ぶ麒麟に天意を諮るため、ついに蓬山をめざす。珠晶、12歳の決断。「恭国を統べるのは、あたししかいない」。

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「風の万里 黎明の空 下」小野不由美(新潮文庫)



陽子、祥瓊、鈴。
三人の娘たちが人として成長していく様が描かれた物語。
特に王として自らのあり様を見出した陽子の凛とした様子は見事だった。
彼女たちだけではなく、圧政に屈せず、機会を伺い、獣のような施政者たちに
反旗を翻した虎嘯や桓魋たちの在り方もすごい。
読後に感じる爽快感と力強さは、彼らの気概と息吹そのもので、
自分もがんばろう、という思いにさせられる。
学ぶこと。知ること。己を顧みること。人のせいにしないこと。
読むたびに背筋が伸びる思いがします。
他国の様子も随分とわかってきたことだし、今後の物語の行方がとっても楽しみです。


内容(「BOOK」データベースより)

王は人々の希望。だから会いに行く。景王陽子は街に下り、重税や苦役に喘ぐ民の暮らしを目の当たりにして、不甲斐なさに苦悶する。祥瓊は弑逆された父の非道を知って恥じ、自分と同じ年頃で王となった少女に会いに行く。鈴もまた、華軒に轢き殺された友の仇討ちを誓う―王が苦難から救ってくれると信じ、慶を目指すのだが、邂逅を果たす少女たちに安寧は訪れるのか。運命は如何に。

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「風の万里 黎明の空 上」小野不由美(新潮文庫)



いつまでも心に留めておきたい名言格言だらけの巻。
自分がかわいそうで仕方のない鈴。
自分の苦境をすべて人のせいにして嘆く祥瓊。
あまりにも自分のことしか考えていなかった二人が、
旅の途中で人々と交わる中で、少しずつ周囲に目を向けていく。
誰かのせいにして文句を言うことも泣くことも簡単だけれども、
そこから抜け出す努力をしなければ何も変わらない。
とはいえ、言うは易し、なんだよね。生きる、ということは本当に大変だ。
一方、自分が国の民のことを何も知らないことを誰よりもわかっている陽子は、
身分を隠して民の中へと分け入っていく。自国の民のことを知るために。
様々な柵を抱えた三人の少女たちの物語に自分を顧みながら次巻へ…


内容(「BOOK」データベースより)

人は、自分の悲しみのために涙する。陽子は、慶国の玉座に就きながらも役割を果たせず、女王ゆえ信頼を得られぬ己に苦悩していた。祥瓊は、芳国国王である父が纂奪者に殺され、平穏な暮らしを失くし哭いていた。そして鈴は、蓬莱から辿り着いた才国で、苦行を強いられ泣いていた。それぞれの苦難を負う少女たちは、葛藤と嫉妬と羨望を抱きながらも幸福を信じて歩き出すのだが―。

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「東の海神 西の滄海」小野不由美(新潮文庫)



国が荒めば生活が荒む。
生活が荒めば、人心も荒む。
荒廃しきった国の王として即位した尚隆。
国が平穏取り戻しつつある中、王としての在り方を雁の国の人々と共に考えさせられた。
民のいない王に何の意味がある?
かつて、民をなくした尚隆だからこそ、身を切るような思いで叫んだ言葉。
今度こそ国を守る。民を守る。
そんな思いが痛いほど伝わってくる。
反して、斡由のような輩が求めるものは、民の安寧ではなく権力欲と自己顕示欲。
他者よりも高みにあることが、そんなにも得難いことなのだろうか?
親が子を捨てずにすむ豊かな国。
尚隆がそんな国を築き上げることを知っていることが、とてもうれしい。


それにしても……「これが雁を滅ぼす王だ」
初読の時から20年。意味深ワードがずっと気になって仕方ないのですが~><


内容(「BOOK」データベースより)

延王尚隆と延麒六太が誓約を交わし、雁国に新王が即位して二十年。先王の圧政で荒廃した国は平穏を取り戻しつつある。そんな折、尚隆の政策に異を唱える者が、六太を拉致し謀反を起こす。望みは国家の平和か玉座の簒奪か―二人の男の理想は、はたしてどちらが民を安寧に導くのか。そして、血の穢れを忌み嫌う麒麟を巻き込んた争乱の行方は。

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