きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「小説」の記事一覧
- 2014.10.08 「肉迫 ブラディ・ドール3」北方謙三(角川文庫)
- 2014.10.06 「碑銘 ブラディ・ドール2」北方謙三(角川文庫)
- 2014.10.03 「さらば、荒野」北方謙三(角川文庫)
- 2014.10.01 「海の翼」秋月達郎(新人物文庫)
- 2014.09.29 「武装酒場」樋口明雄(ハルキ文庫)
- 2014.09.26 「デッド・オア・アライヴ」薬丸岳他(講談社文庫)
- 2014.09.24 「千年ジュリエット」初野晴(角川文庫)
- 2014.09.23 「空想オルガン」初野晴(角川文庫)
- 2014.09.17 「戦艦武蔵」吉村昭(新潮文庫)
- 2014.09.14 「初恋ソムリエ」初野晴(角川文庫)
「肉迫 ブラディ・ドール3」北方謙三(角川文庫)
【死ぬときは死ぬさ。男ってやつはな。】
闘う理由は亡くした妻のため。娘のため。そして、友と認めた男のため。
そこに、打算も計算も損得勘定もない。
だからこそ、強く在れる。愚かしいほどまっすぐに、命をかけられる。
守りたい人のために。
己の在り方に揺るぎのない川中。
妨害や脅迫に屈せず、果敢に闘う秋山。
男としての成長の著しい坂井。
過去を背負い、今に生きる男たちの生き方に少しずつ感化されていく藤木。
そんな彼らと一線を画しつつも、寄り添うキドニー。
何とも不思議な魅力を持つ男たちが集う店、ブラディ・ドール。
男の窮地にただ震えるのではなく、共に闘える菜摘に、
同じ女としてエールを送りたい。
内容紹介
固い決意を胸に秘め、男は帰ってきた。港町N市――妻を殺された男には、闘うことしか残されていなかった。男の熱い血に引き寄せられていく女、”ブラディ・ドール”の男たち。シリーズ第三弾!
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「碑銘 ブラディ・ドール2」北方謙三(角川文庫)
【気になるやつとならないやつ。
世の中にいるのは二種類の人間だけさ】
端的で簡潔な文章故なのか、情景がリアルに浮かんでくる。
波の音。酒の匂い。暴力。銃声。女。そして、なんとも魅力的な男たち。
刑務所帰りの24歳成人男子を「坊や」と呼びかけて様になる男はそうはいない。
一癖も二癖もある男たちが集う店、ブラディ・ドール。
自分を殺しに来た男と臆することなく殴りあい、
そして受け入れることのできる川中の漢気と懐の広さに、多くの男たちが魅了される。
手から手へと受け渡されるジッポ。
あぁ…と思うけど、感傷に浸るのは今ではない。
バーカウンターで辛口の酒が飲みたくなる本。
甘いカクテルはいらない。
内容(「BOOK」データベースより)
港町N市―市長を巻きこんだ抗争から2年半が経過した。生き残った酒場の経営者と支配人、敵側にまわった弁護士の間に、あらたな火種が燃えはじめた。そこに流れついた若い男。檻の中で過ごした2年間が男の胸に静かな殺意を抱かせていた。『さらば、荒野』につづく著者会心の“ブラディ・ドール”シリーズ第2弾!
「さらば、荒野」北方謙三(角川文庫)
【「なにか、俺にできることは?」
「ないね」
「なにもか?」
「ここから出て行ってくれりゃいい」】
満を持してのブラディ・ドール再読。
若干大げさな言い回しだけど、そんな気分。
シリーズ通しての評価は私の中では一作目が一番低いんだけど、
それでもくぅぅぅ、と、拳を握り、息を止め、胸をドキドキさせながら
次へ次へと頁を捲ってしまう世界が紙面に広がっています。
どこかからっぽで、何かが足りていなくて、色々なものを諦めていて。
それでも、男の矜持と熱い魂を本能で忘れてはいない男たちの世界。
この巻は、ブラディ・ドールのオーナー、川中良一を主軸に繰り広げられる、
壮大な物語の幕開けです。
ドキドキが収まってから、次巻へ……
冬は海からやって来る。静かにそれを見ていたかった。だが、友よ。人生を降りた者にも闘わねばならない時がある。夜。霧雨。酒場。本格ハードボイルド、“ブラディ・ドール”シリーズ開幕!(生江有二)
「海の翼」秋月達郎(新人物文庫)
【人はひとりでは生きていけないということです。
歴史もまた、おなじです。ひとりでは紡げません。
人から人へ何事かが伝えられ、さらにまた人から人へ何事かが伝えらえる。
歴史はそうしたことの積み重ねで成り立ってゆく。】
多種多様な情報が飛び交う現代の情報化社会において、
何故、自分を含め、こんなにも大事なことを知らない人がたくさんいるのだろう?と。
この本を読むまでは知らなかったトルコの人たちの思いに胸が熱くなりました。
イランイラク戦争で混乱を極めたイラン国内に取り残された在留日本人を救うための飛行機を、
日本の政府も民間の航空会社も飛ばすことができなかった。
だが、トルコ政府もトルコの国民も、日本の人々を救うために手を尽くしてくれた。
語り伝えられた100年前の出来事に対する恩義を忘れていなかったから。
ありがとう、と。
ただ、そんな思いに胸が震えて、涙が溢れて仕方がなかった。
絶対に忘れてはいけない大切なことがたくさんたくさん詰まった本でした。
内容(「BOOK」データベースより)
イラン・イラク戦争開始から五年後の一九八五年(昭和六十)三月七日、イラク軍は突如、三月十九日以降にイラン領空を飛ぶ航空機の無差別攻撃を宣言。自国機の乗り入れのなかった日本は、イラン国内に取り残された在留日本人の救出対策に苦慮する。タイムリミットが迫るなか、日本人の苦境を知って、救援に動いた国があった…。このトルコ政府の英断の裏には、明治二十三年(一八九〇)九月、日本訪問から帰国中に紀州沖で台風にまきこまれたトルコ軍艦エルトゥールル号遭難の悲劇があった―。百年の時空を超えた“恩返し”を描いた感動の書き下ろし長篇大作。
「武装酒場」樋口明雄(ハルキ文庫)
【おれの奢りだ。好き勝手やりな】
笑いすぎてお腹痛い……
たかが酔っ払い。されど酔っ払い。
それぞれに事情を抱えた居酒屋「善次郎」の常連客達。
その日店に足を運んだ彼らは、ほんの些細なきっかけにより、
拳銃、手榴弾、果ては不発弾を抱えた立てこもり事件を引き起こしてしまう。
(本人たちに自覚なし)
「奴らはなぜそんなことを!?」叫ぶ警察。
だが、酔っぱらいの心理は論理的には説明がつくものではなくて……
「飲んで騒ぐことじゃないですか?」
冷静な返しがいたたまれない(苦笑)
すべてを引き受けた店主、善次郎の漢気が果てしなくかっこよすぎる。
そして7年後……
いやぁ、ホント笑った。無条件に面白い本だったわ。
内容(「BOOK」データベースより)
阿佐ヶ谷のガード下にある居酒屋「善次郎」。妻を絞め殺したと思いこんだ男、借金の取り立てから追われる男、その他、様々な窮地に立たされた常連客たちが、己の苦境から現実逃避するために、偶然この店に集まってしまった。一方、別の事件で警察が「善次郎」の向かいの店にパトカーで出動。サイレンの音を聞いた常連客たちは、それぞれが自分を捕まえにきたと思いこみ、事態は立て篭もり事件にエスカレートしてしまうのだが…。抱腹絶倒のスラップスティック小説の金寺塔、待望の文庫化。
「デッド・オア・アライヴ」薬丸岳他(講談社文庫)
同じ時間、同じ場所を舞台にした、生死の危機をテーマにした7人の作家によるアンソロジー。
実はアンソロという形態自体が初読みだったわけですが、
作品同士がさりげなくリンクしていたり、ホテルの写真をふんだんに使った装丁だったり
アンソロならではのお楽しみがあったことと、
初読みの作家さんでほかの作品も!と思える方に出会えたりと、色々な意味で面白い本でした。
もちろん作品自体も十分に楽しませていただきました!
薬丸作品は人の心理の描き方がやるせない。夏目の優しさは相変わらず。
竹吉作品はおじ様の立ち回りが痛快で素敵。
高野作品は歴史をうまくなぞっての着地点はお見事。
鏑木作品はなんていうか……秀逸。ドキドキしながら読みました。
内容(「BOOK」データベースより)
7人の江戸川乱歩賞作家への挑戦状。「2013年9月7日正午。主要人物が帝国ホテルにいる短編ミステリーを執筆せよ。テーマはデッド・オア・アライヴ、生死の危機」。挑むは薬丸岳、竹吉優輔、高野史緒、横関大、遠藤武文、翔田寛、鏑木蓮。命懸けの謎に溢れたこの世界は天国か地獄か。豪華競作アンソロジー!
「千年ジュリエット」初野晴(角川文庫)
【世の中は数限りない不公平でできている】
相変わらず賑やかな日常の中にサラリとした痛みや重たい現実が描かれる物語。
「エデンの谷」で描かれた、孫娘に対する祖父の最大限の愛情。
解読された遺言には笑ってしまった。
「千年ジュリエット」
楽しそうに語らう五色の虹のジュリエットたちが抱えたものの重さに切なくなりながらも、
生きることから逃げちゃいけないんだな、と、改めて思わされた。
五色の虹バッチを受け取ったトモちゃんはもう、部屋の中に引きこもることはないだろう。
人は有限であるが故に、様々な想いを受け継いで、
次の世代へと繋いでいくんだなぁ、と思いました。
しばらく浸っていたい読後感が心地よい物語。
内容(「BOOK」データベースより)
清水南高校、文化祭間近、晴れの舞台を前に、吹奏楽部の元気少女・穂村チカと、残念系美少年の上条ハルタも、練習に力が入る。そんな中、チカとハルタの憧れのひと、草壁先生に女性の来客が。奇抜な恰好だが音楽センスは抜群な彼女と、先生が共有する謎とは?(「エデンの谷」)ほか、文化祭で巻き起こる、笑って泣ける事件の数々。頭脳派ハルタと行動派チカは謎を解けるのか?青春ミステリの必読書、“ハルチカ”シリーズ第4弾!
「空想オルガン」初野晴(角川文庫)
【俺たちは金を奪っているんじゃない。 親のこころを奪っているんだ】
「胸を張れ。顔を上げろ。諦めるんじゃないぞ」
幾通りもの選択肢のある高校生たちの未来。
躓いても挫折しても遠回りしても、彼らには辛い今を支えあう仲間がいて、
希望に満ちた未来がある。
自分にできることを懸命にやりながら、仲間たちを思いやる彼らの姿は
本当にキラキラしていて素敵だ。
吹奏楽で東海大会まで出場できた彼らの物語に添うように、今巻から登場した一人の大人がいる。
家族と縁を切り、自分を救ってくれた友人を亡くした彼は、
こんなはずじゃなかった、というどうしようもない現状で諦念したように足掻きながらも、
友達の母を救い、自分を思いやる知人の一面を垣間見、失ったと思っていた肉親の想いを知った。
彼の物語は泣けて仕方がなかった。
今作は全編にわたって家族の愛情が溢れているストーリーだったと思う。
内容(「BOOK」データベースより)
穂村チカは、憧れの草壁先生の指導のもと、吹奏楽の“甲子園”普門館を夢見る高校2年生。同じく先生に憧れている、幼なじみの上条ハルタと、恋のさやあて(?)を繰り広げながらも、夏の大会はもう目前。そんな中、どうも様子がおかしいハルタが、厄介な事件を持ち込んで…!?色とりどりの日常の謎に、頭脳明晰&残念系美少年ハルタと、元気少女のチカが立ち向かう!絶対に面白い青春ミステリ、“ハルチカ”シリーズ第3弾。
「戦艦武蔵」吉村昭(新潮文庫)
この本に描かれている歴史を経て今の日本がある、と思うと、
手にした本の重みがずっしりと増すような気がする。
全長260メートルもの船を秘密裏に作る方法を模索して編み出し、
係わる工員たちのほとんどにその全容を知らせず、己に振り分けられた任務に邁進させる。
そうやって作り上げられた戦艦武蔵。
艦の製作の開始から完成までの事象が克明に、そして淡々とつづられる文章には、ただ圧倒される。
多くの時間とお金、そして人の手を費やして四年という年月をかけて作った船が、
千人以上の人々の命と共に海に沈められてしまう悲痛な現実。
辛うじて生き延びた人たちに対するその後の海軍の処遇があまりにも理不尽だと思った。
内容(「BOOK」データベースより)
日本帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の戦艦「武蔵」―厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何か?非論理的“愚行”に驀進した“人間”の内部にひそむ奇怪さとはどういうものか?本書は戦争の神話的象徴である「武蔵」の極秘の建造から壮絶な終焉までを克明に綴り、壮大な劇の全貌を明らかにした記録文学の大作である。
「初恋ソムリエ」初野晴(角川文庫)
【普門館は大事だと思う。
でも、その後の人生のほうがもっと大事だ】
読後に胸の痛みが残る本。
でも、その痛みは決して不快なものではなく、
この物語に出てくる人たちのやさしさや思いやり、
そして抱えてきた傷に触れたような気持ちになる。
ずっとその余韻に浸っていたくなる。
そんなやわらかな痛みだ。
これは、誰かが誰かを思いやる物語だと思う。
誰かが抱えた悩みをみんなで一生懸命解決しながらも、
吹奏楽ときちんと向き合い、腕を上げていくことも忘れない。
要所要所を大人がきちんと手助けしてあげているところも好印象。
ものすごく好きなシリーズになりつつある。
未だ語られていないハルタの事情や、草壁先生の過去がとても気になります。
内容(「BOOK」データベースより)
廃部寸前の弱小吹奏楽部を立て直し、普門館を目指す高校2年生の穂村チカと上条ハルタ。吹奏楽経験者たちに起きた謎を解決し入部させることに成功していた2人だったが、音楽エリートの芹澤直子には断られ続けていた。ある時、芹澤の伯母が高校にやって来た。「初恋研究会」なる部に招待されたのだという。やがて伯母の初恋に秘められた、40年前のある事件が浮かび上がり…(表題作より)。『退出ゲーム』に続く“ハルチカ”シリーズ第2弾。
