きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「小説」の記事一覧
- 2014.06.04 「凍りのくじら」辻村深月(講談社文庫)
- 2014.05.26 「フライ,ダディ,フライ 」金城一紀(角川文庫)
- 2014.05.25 「言葉の風景」荒井和生(青菁社)
- 2014.05.24 「子どもたちは夜と遊ぶ 上・下」辻村深月(講談社文庫)
- 2014.05.18 「ユリゴコロ」沼田まほかる(双葉文庫)
- 2014.05.17 「植物図鑑」有川浩(幻冬舎文庫)
- 2014.05.13 「天神」小森陽一(集英社文庫)
- 2014.05.10 「1985年のクラッシュギャルズ」柳沢健(文春文庫)
- 2014.04.20 「ハーモニー」伊藤計劃(ハヤカワ文庫JA)
- 2014.04.12 「公安捜査 傾国」浜田文人(ハルキ文庫)
「凍りのくじら」辻村深月(講談社文庫)
【ねぇ、本当に大事なものがなくなって後悔して、どうしようもなくなって。
そうなった時、私はそれに耐えられるかなぁ?】
まさにSF。Sukoshi Fusigiな物語。
大人になる直前の、大人になりきれないこどもたち。
少し不完全な彼らの少し不安定な心が、彼らの感性や言葉で紡がれた物語。
彼らと同じような年代の子どもたちの誰もが、
居場所やよりどころを求める気持ちを抱えていて、
今の自分の居場所に違和感を感じている。
それでも、いつか気づくのだと思う。
いま自分のいる場所こそが、がかけがえのない場所だということに。
生きている居場所を与える光が誰のもとにも届くことを願います。
内容(「BOOK」データベースより)
藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。
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「フライ,ダディ,フライ 」金城一紀(角川文庫)
【何度でも転んで重力を知り尽くして、いつか飼い馴らしてやればいい。
そしたら、空だって飛べるようになるよ】
読み終わっちゃうのがもったいないなぁ、と。
もう少し彼らと一緒にいたかったなぁ、と。
読了するのが惜しくなるような本でした。
うん。
読んでいてとっても楽しかった。
暴力によって傷つけられた娘さんの仇を取るために、立ち上がる47歳の鈴木さん。
事件は痛ましいし、あってはならないことだけれども。
その事件故に自分の無力を痛感した鈴木さんの
身体を鍛え、メンタルを鍛え、戦い方を伝授し、
高校総体ボクシング三連覇の石原と戦えるだけのをファイターに仕立て上げた
高校生たちとの気持ちの交流を描いた物語。
トレーニングメニューをこなしながら力を蓄え、
23%の体脂肪率を12%まで絞っていった鈴木さんを見ていると、
人間、大切な人のためならできないことはないんだなぁ、と思えてしまう。
奥さんと娘さんに対してナイスアプローチ&フォローをした高校生たちを褒め称えたい。
内容(「BOOK」データベースより)
鈴木一、47歳。いたって平凡なサラリーマン。ただし家族を守るためならスーパーマンになれるはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまでは―。一人娘を不良高校生に傷つけられ、刃物を手に復讐に向かった先で鈴木さんが出会ったのは―ザ・ゾンビーズの面々だった!脆くも崩れてしまった世界の中ではたして鈴木さんは大切なものを取り戻せるのか。ひと夏の冒険譚がいま始まりを告げる。
「言葉の風景」荒井和生(青菁社)
春夏秋冬。
四季折々を表す多彩な言葉が、本書では紹介されている。
移ろいゆく季節のその一瞬の情景を言い表す言葉はとても繊細で情緒豊かだ。
日本語とは、かくも美しいものなのだと、改めて思い知らされる。
自在に使いこなすことはできなくとも、せめてその言葉の存在を知っておきたい。
そして、それらの言葉の意味するところや成り立ちを彷彿とさせるような、
美しい自然写真の数々に見入ってしまう。
気忙しい日常に流されるときに紐解いたならば、ほっと息がつけて気持ちが癒されるような、
そんな本だと思います。
内容(「BOOK」データベースより)
本書は四季にまつわる、微妙な季節感や雰囲気を伝えるさまざまな言葉を選んで、写真によるイメージの散策を試みてみました。
「子どもたちは夜と遊ぶ 上・下」辻村深月(講談社文庫)
【君が生きているというそれだけで、
人生を投げずに、生きることに手を抜かずに済む人間が
この世の中のどこかにいるんだよ】
初読の時のような緊迫感はないけれども。
やわらかな部分に尖った爪を立てられたようなキリキリとした思いに息が詰まりそうになる。
それでも、色々な過去を抱えた彼らに寄り添いたくて、頁をめくる手が止まらない。
そして、彼等の痛みを自分のことのように感じたいのか、
彼らの痛みを取り除いてあげたいのか、わからなくなる。
この物語の結末に希望や救いを見出すことは、
理不尽に命を奪われた人たちのことを思えば、間違っているのかもしれない。
けれども、世間を憎み、絶望し、自らを消してしまうことを望んだ浅葱が
生きることに向き合うことができたことに安堵する自分がいる。
「君が愛したそいつは、決して不幸じゃなかった」
とてつもない犠牲を払っての言葉ではあるけれども。
月子がいて、恭司がいて、狐塚がいて。
自分は独りきりではないのだと、浅葱が気づくことができてよかったと思ってしまう。
この愛すべき息苦しい世界の中で。
すべての子どもたちに幸あれ。
「ユリゴコロ」沼田まほかる(双葉文庫)
【弟がこれからも弟であり続けるように、
この人もまた、僕の生涯を通じてもうひとりの母であり続けるだろう】
家族の在り方を書いた物語。
そして熱烈な愛の物語……だと思う。
実際は従兄弟である兄弟が、お互いを兄であり、弟であると認めているという
心情が描かれているシーンが好きだったなぁ…
「家族」という括りに対する自論は、血の繋がりより共に過ごした時間の記憶と関係性。
この兄弟の在り方と、命の期限が差し迫った父親と、施設にいる祖母との係わり方が
なんだか好きだった。
殺人の衝動に取りつかれた女でも、愛し続けた父親。
「好き」という想いは理屈ではなく衝動。
だから、彼女と最期を一緒に添い遂げられるのは、彼にとってはこの上なく幸せな末路なのだと思う。
内容(「BOOK」データベースより)
ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。この一家の過去にいったい何があったのか―。絶望的な暗黒の世界から一転、深い愛へと辿り着くラストまで、ページを繰る手が止まらない衝撃の恋愛ミステリー!各誌ミステリーランキングの上位に輝き、第14回大藪春彦賞を受賞した超話題作!
「植物図鑑」有川浩(幻冬舎文庫)
【そんなことは夢だと大人ぶった誰に諭されても笑われてもいい。
それでも、ずっと一緒にいたかった。】
タンポポやツクシを摘んで。ヨモギをちぎって。山菜を探して、ミントを育てて。
意外に自分、狩りをして食していたことに気づかされた本でした。
料理をしてくれたのは優しい彼氏ではなく、祖母や母でしたが(笑)
いまでは山菜以外は口にしなくなったそれぞれの味がなんだか優しく思い出されたなぁ…
さやかとイツキが想いを通わせ会うシーンがすごく好き。
本編よりもカーテンコールの物語が印象的だったのは、
さやかとイツキの想いが刺さったからかな?
どんな事情があっても、黙って姿を消されるのは辛い。
それでも、イツキが戻ってくるまで待ち続けたさやかの想いが実ったことがうれしかったわ。
内容(「BOOK」データベースより)
お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です―。思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。樹という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所で「狩り」する風変わりな同居生活が始まった。とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)“道草”恋愛小説。レシピ付き。
「天神」小森陽一(集英社文庫)
【だが、どんなに凄いパイロットであっても、
それを活かす者がいなければ輝かない】
就職を決める時に自分には彼らのような憧れや必死さ、決意や覚悟。
そういった類のものが果たしてあったのだろうか?と。
なんだか考えさせられてしまう本だった。
彼らが目指すものはファイターパイロット。
ブルーインパルスの飛行を何度も見てきたけど、
みなさん、こんなふうにものすごい訓練を日々重ねてきての編隊飛行なんだなーと、
あらためてその凄さを再認識しました。
挫折を知らずに歩んできた速が壁にぶち当たった時の苦悩がいたたまれない。
でも、彼は彼を一番活かすことのできる道を見つけたんだと思う。
欲を言えば、陸と父親が和解するシーンが見たかったかな?
適材適所。
天性のパイロットである陸と、そんな彼を活かすべく要撃管制官の道を選んだ速と。
一歩先に進んだ彼らの話を読んでみたいと、思わせてくれる小説でした。
内容(「BOOK」データベースより)
絶対にファイター・パイロットになるんだ―。親子三代での戦闘機乗りを目指す航空学生出身の坂上陸と、防衛大学卒業後、国を守りたいという強い思いから航空自衛隊に入ったエリートの高岡速。立場も考え方もまるで違う二人の青年の人生が交差するとき、心揺さぶられる熱いドラマが生まれる!戦闘機に乗ることに憧れを抱き、夢に向かって突き進む若者たちを描いた壮大な“空”の物語。
「1985年のクラッシュギャルズ」柳沢健(文春文庫)
【誰も気づかないうちに
女子プロレスの時は止まっていたのだ】
何とも言い難い息苦しさを感じる本だった。
それはたぶん、当時の彼女たちを覚えているから。
その姿が脳裏に浮かべば、書かれている内容がよりリアルに迫ってくる。
特別プロレスに興味がなかった小学生の私でさえ、しっかりとその勇姿を覚えている言彼女たち。
筆舌に尽くしがたい苦悩と葛藤を抱えながらも、リング上では自分を最大限に魅せ、
観客を沸かせるプロレスラーを演じてきた彼女たちの必死さと懸命さが、
日本中の人たちの心を揺さぶったのだということが丁寧に書かれている本だった。
女子プロの栄枯盛衰は彼女たちと共にある。
時代を駆け抜けた彼女たちの生き様は、あまりにも壮絶で、あまりにもドラマティックだ。
内容(「BOOK」データベースより)
1985年8月28日、巨大な大阪城ホールを満員にしたのは、十代の少女たちだった。彼女たちの祈るような瞳がリング上の二人に注がれる。あの「クラッシュ・ギャルズ」の二人のように、もっと強く、もっと自由になりたい!長与千種とライオネス飛鳥、そして二人に熱狂した少女たちが紡いだ真実の物語。
「ハーモニー」伊藤計劃(ハヤカワ文庫JA)
【世界中で暴動や集団自殺が続いている今も、
わたしは別に世界にことなんか気に掛けちゃいなかった】
他者と同じであること。
決められた規則と法則に従って行動すること。
自分を取り巻くあらゆることに疑問を抱かないこと。
完璧なまでに管理された社会の中で何も考えることなく、
流されて生きることはとてもとても楽だろう。
そこに苦しみはない。恐れも、苛立ちも。
我々を脅かすものは何も存在しないのだ。
だが、それはただ息をしているだけ。
システムとしての個体を維持しているだけ。
独立した一人の人間として「生きて」はいない。
そして、知ることはない。
喜びも、幸せも、生き甲斐も。自分がこの世に存在する意味も。
この物語を読み終えた今、
エピローグに記載されている「いま人類は、とても幸福だ」という一文が
とても薄ら寒く、気味悪く思える。
そこにある幸福は、個々人が選択した幸福ではなく、
ごく一部の人間によって強制された幸福。
許されるなら、眠れる意識に問いかけたい。
あなたはいま、幸せですか?と。
内容(「BOOK」データベースより)
21世紀後半、「大災禍」と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア”。そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した―それから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰にただひとり死んだはずの少女の影を見る―『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。第30回日本SF大賞受賞、「ベストSF2009」第1位、第40回星雲賞日本長編部門受賞作。
「公安捜査 傾国」浜田文人(ハルキ文庫)
【人それぞれに環境が異なり、様々な感情を抱いて生きている】
久しぶりに新刊キター!と思ったら、キャー!!と叫んで次巻に続く…
夏予告、しっかり守ってください!
鹿取と蛍橋の、そりゃないでしょ!という
捜査における相変わらずの傍若無人っぷりはおいておくとして。
(この話好きなんだけど、この点だけはどうしても気になってしまう…)
警察組織の複雑さと面倒くささともどかしさが歯がゆくてやりきれない。
何故同じ組織の人間に潰されそうにならないといけないんだろうなぁと思うと
本当にいたたまれない。
三好さんの漢気とやさしさと懐の広さ。
もっと自分のことだけ考えてもいいのに……とやるせなくなるけど、
だからこその人望であり、だからこその結束力なんだろうなぁ。
とはいえ、三好組も相当な危機的状況下にあるので、そこは何とか危機回避してほしい。
でも最後の最後で「追え!」って……
わかるけど。そうする以外ないのは分かるけど。
もしここでもう一悶着起こしたら、嫌な予感しかしないよね。
今回は要が大人しかったので、次巻ではもうちょっとヤンチャ(笑)に活躍してくれることを
希望します。
内容(「BOOK」データベースより)
神奈川県警公安の螢橋政嗣は、警察庁警備局長の田中一朗の指示で、特捜班の一人として動いていた。公安事案の闇を暴いてきた螢橋は、巨大な警察利権と警察の正義の狭間で、田中の指示を完遂することだけを決意した。そのさなか、殺人の捜査で動いていた捜査一課の鹿取信介と一年半ぶりの再会を果たす。二人は、公安事案、殺人事案、それぞれの立場から真の敵に立ち向かっていく。書き下ろしで贈る、ファン待望の「公安捜査」シリーズ、ここに復活!
