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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「理髪師の、些か変わったお気に入り」榎田尤利(キャラ文庫)



シリーズ最終巻。
物語にかかわった人たちが生まれ育ち、愛し、仕事を営んできた藤井沢商店街。
そんな街を、え?最後は出て行ってしまう物語なの??と一瞬首を傾げたわけですが……
違ったね。
「ただいま」「おかえり」
無条件で自分を迎え入れてくれる場所。
無条件で自分を抱きしめてくれる場所。
誰かが自分を待ってくれている場所。それが故郷。
そういった場所があるっていうことは、とても心強いし、支えになると思う。
そんなことをやさしく伝えてくれる物語でした。
うん。
終始暖かな気持ちになれる素敵な物語でした!

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「アパルトマンの王子」榎田尤利(キャラ文庫)



飛び出したいけど飛び出せない。
そういう葛藤やしがらみってあるよね。
特に長男長女は自由に飛ぶことができない。
折り合いをつけるのが人生……なのかな?
それでも優一は世羅に出会えたんだから人生捨てたもんじゃない。
時に枷になったとしても、家族がみんな仲良く寄り添いあえるのはとても幸せなことだと思う。
今回は子供たちが無敵に可愛かった☆

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「結婚相手は抽選で」垣谷美雨(双葉文庫)



突如施行された「抽選見合い結婚法」に振り回される人々の物語。
25歳から35歳までの男女は強制的にお見合いをして結婚しなければならず、
3回断ったらテロ撲滅隊送りになるというトンデモ法律。
設定は斬新だし、登場人物たちの語り口も面白いしで、楽しく読める物語ですが、
見合い相手が善人だけとは限らないことを思うと、ちょっと怖いかな、と。
弱みに付け込んで、とか、力任せに、とか。
まぁ、マイナスのことを考えるとキリがないので割愛。
結局は廃止される法律なんだけど、少子化、晩婚化、未婚率の上昇など、
リアル社会で取りざたされる諸々とあわえて考えさせられます。
とはいえ、この物語の登場人物たちは自分のことに必死でそこまで深く考えていないんだろうなぁ……と。(笑)
でも、それでいいのかもしれない。
自分のことに必死になれるのは自分だけ。
結婚相手となれば、この先の生活の全てが係わってくるだけにそれは必死だよね。
そして自分だけではなく、親も係わってくるからよけいにややこしくなる。
お見合いを断らせようとしたり、どうにか結婚までこぎつけようとしたり、
すったもんだする中で登場人物たちの成長が垣間見れたのが好ましいところ。
「何のために結婚するのか」
「何故その人と結婚するのか」
明確に自覚することは大事だと思う。


内容(「BOOK」データベースより)

少子化対策のため「抽選見合い結婚法」が施行されることになった。相手が気に入らない場合は断ることができるが、三回パスしたらテロ撲滅隊送りになる。だが、この強制的な見合いに、モテないオタク青年は万々歳、田舎で母親と地味に暮らす看護師は、チャンスとばかりに単身東京へ。慌てて恋人に結婚を迫るも、あっさりかわされてしまう女性もいて…。それぞれのお見合い事情をコミカルかつ、ハートウォーミングに描いた長編小説。

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「青狼 男の詩」浜田文人(幻冬舎文庫)



【人を頼ることはあっても、けじめをつけるのは己ひとり。
 それが極道者や】

昭和四十年代の極道世界の物語。
当然、私の知らない世界なわけで、家系図……ではなく、組織図欲しいわぁ、と思いました。
幼少期からずっと慕ってきた松原と同じ世界に飛びこんだ村上。
自らの意志の働かないところで美山組の舎弟から松原組の若頭に杯を直したところから、
美山に寄り添った道を歩くことができなくなり、村上は二つの道理の間で揺れるようになる。
終盤までは大きな盛り上がりもなく淡々と進んでいくわけだけど、最終章。
松原と美山のやりとりにしびれました。
愚直なまでにまっすぐ。
村上はそんな生き方しかできないのかな?
対する美山はそれが是か非かはともかく、かわりゆく極道世界の先を見ている。
それでも村上を可愛がっていたころの想いはそのままで彼の家族を思案する美山。
気丈な母親と村上のやりとりもよかった。
この先の話がどう展開していくのか気になるところ。

内容(「BOOK」データベースより)

殺人の罪で服役後、幼少期から慕ってきた神侠会の美山勝治を頼りに、同会の松原宏和が率いる組に入った村上義一。栄達をひたすら目指すが、松原と美山の対立が起こり、微妙な立場に立たされる。守るべきは、組織の筋目か、己の義理か―。二つの道理の間で揺れながらも、極道の世界でまっすぐに生きようとする男を鮮烈に描いた、傑作長編小説。

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「名前探しの放課後 下」辻村深月(講談社文庫)



誰かのために一生懸命になれること。
誰かの言葉を信じられること。
そして、目の前のことに全力で取り組むことのできるひたむきさ。
伝わってくる登場人物一人一人の気持ちがとても心地よくて、暖かな気持ちになれる。
そんなストーリーでした。
自力では手に負えない部分は、無条件に甘えるのではなく、
対価として労働力を提供したうえで大人の手を借りているところも好印象。

読後の叫びはうまいなー、と、もったいないなーと、この二言に尽きました。
伏線の張り方とか、10代の子たち特有の人との繋がり方とか揺れる心理とか。
そういうのの描き方はとても上手いなーと思う。
もったいないのは……この本だけだと、多分最後に???ってなること。
『ぼくのメジャースプーン』を事前に読んでることが必要条件。
(できれば『凍りのくじら』も)
続編とかシリーズとか。そんなふうになっていれば親切なのになーと思います。

とはいえ。
とてもキレイに着地したなー、というお話でした☆


内容(「BOOK」データベースより)

坂崎あすなは、自殺してしまう「誰か」を依田いつかとともに探し続ける。ある日、あすなは自分の死亡記事を書き続ける河野という男子生徒に出会う。彼はクラスでいじめに遭っているらしい。見えない動機を抱える同級生。全員が容疑者だ。「俺がいた未来すごく暗かったんだ」二人はXデーを回避できるのか。

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「名前探しの放課後 上」 辻村深月(講談社文庫)




過去に抱えた傷やコンプレックス。
スクールカーストめいた歪んだ位置づけに基づく劣等感や、少し勘違いした優越感。
弱者と強者。凡人と優等生。陰湿ないじめ。
高校生の抱える心の惑いや揺らぎ、仲間意識。
そんな、10代特有の様々な想いが、リアルに伝わってくる。
辻村作品が胸に響くのは、そんな彼らの繊細な想いが理解できてしまうから。
「名前探しの放課後」
近い未来に自殺するであろう誰かを懸命に探すいつかたち。
今後の展開にドキドキしながら下巻を手にしています。(既読なんですけどね>笑)


内容(「BOOK」データベースより)

依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ一つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」二人はその「誰か」を探し始める。

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「春狂い」宮木あや子(幻冬舎)




ひと言で言うならば……壮絶。
かの少年と少女はなんて息苦しい世界で生きていたのだろう?

壱話と弐話を読んだ時点では独立した短編の連作?と思わなくもなかったけど、
参話から六話まで点が線で繋がっていく展開は見事。
人間の強さと弱さ。愛と妄執。人と人との関係性。
文章を追いながら胸に迫るのはそういったものの在り方だった。

初読の時の印象はただひたすら綺麗な世界が描かれていると思っていた。
再読してみると、人間の抱える歪さやゆがみに目を背けたくなる。
その中でもまともな大人である結城や前原のような存在は救いだった。

「支配と暴力と痛みの中に絶望以外の感情を生み出すことができること。
 即ち、それが、人としての本来の強さ」との記述が印象的。
個人的にはこれが真理……というか、真理であってほしいと思う。

内容(「BOOK」データベースより)

生まれながらにして、人を狂わすほどの美しさを内包していた一人の少女。男たちの欲望に曝され、身体を穢された美少女が、桜咲く園で望んだ未来とは―。窓の外で桜の花びらが突風に巻き上げられている。放課後の教室、私は教師の前でスカートをたくしあげる。「私をあと二年、守ってください」。制服の下に隠された、傷だらけの少女の秘密。

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「時の渚」笹本稜平(文春文庫)



【現実は苦い。ときには過酷なものだ。
 だが、俺はそれを受け入れる。
 その運命を生きる以外に真実は存在しないからだ。】

生き別れの息子を探し出すことを依頼された元刑事の私立探偵。
その瞬間からまわり始めたのは、真実を暴き出す運命の歯車。
あまりにも淡々と進む前半に、このままいくわけないよなぁ、と、
穿った読み方をしながら頁をめくっていくわけですが。
終盤に向けて明かされていく事実には、
何とも言いようのない悲哀と感動で涙腺が崩壊しました。
親子って、親子って……うわーん。
親から子への愛情。子から親への愛情。
胸の内から自然とこみあげる愛情は、とても深くて純粋だと思う。
もはや語り合うことのできない人からの手紙。
綴られた茜沢の父からの言葉が胸に響く。
返したい言葉を伝えることができない人への想いに押しつぶされそうになった茜沢を救った松浦老人の言葉。
しばらく浸っていたい余韻の残る本でした。


内容(「BOOK」データベースより)

元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される。茜沢は息子の消息を辿る中で、自分の家族を奪った轢き逃げ事件との関連を見出す…。「家族の絆」とは何か、を問う第18回サントリーミステリー大賞&読者賞ダブル受賞作品。

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「白バラが紅く散るとき」フィンケ(講談社文庫)



【御言を行う人になりなさい。
 ただ聞くだの者となってはいけない。】

高校生の時に読んで大きな影響を受けた本の一冊。
当時の私はドイツ国内にヒトラーに抵抗した組織があったことを知らなかった。
そんな組織を担ってたのが自分とそんなに歳の変わらない青年たちであったこと、
そして、そんな彼らの中にゾフィーという女性がいたことに大きな衝撃を受けた。
地下活動に至るまでの思考や行動も然ることながら、
逮捕され、死刑を宣告されながらも、毅然とした態度で仲間を庇い、
己の正義を信じ、凛として死に臨んでいった彼らの存在は
平和な毎日をのんびり謳歌していた私にはとても衝撃的なものだった。
彼らと同じことができただろうか?と、問うことには意味がない。
時代が違うし、置かれた状況が違う。
それでも、考えずにはいられなかった。
自分だったら……?と。

いろんなことを考えさせられた青春の一冊。


内容(「BOOK」データベースより)

自由で開放的な家庭に育ったゾフィーは、読書や絵をかくことが好きなふつうの少女でした。ヒトラーの独裁政治下、尊敬する兄ハンスの学ぶミュンヘン大学へ進んだ彼女は、兄とともに地下からビラをもってナチスに抗し、その抵抗の代価を命で支払わねばなりませんでした。姉や友人の話、手紙、日記、写真によってわずか21歳の生命を清冽に生きた女性の生き方を描く感動のノンフィクション。

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「ぼくのメジャースプーン」辻村深月(講談社文庫)



【これはぼくの闘いだ】

主人公の「ぼく」が自分の持つ特別な力をつかって、
同級生の女の子の心とうさぎを壊した男と対峙する物語。
その能力を正しく使うべく、同じ能力を持つ先生から力の使い方についてのレクチャーを受けるぼく。
必然的に読み手も一緒に対話を繰り返していくことになるわけで、
それが、若干くどいなーと、感じる部分もあるんだけど、
その過程があるからこそ、ぼくの下した決断に衝撃を受けることになる。
社会的には罰せられることのなかった男と対峙した、小学校四年生男子の覚悟と決意に。
そして衝撃と共にやるせなさにで胸が痛くなる。
一生懸命ふみちゃんのことを気遣っていたぼくだって、傷ついていないはずがなかったのだ。
「よくがんばりました」
先生からのその言葉は、ぼくにとって救いだったと思う。


内容(「BOOK」データベースより)

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった―。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に一度だけ。これはぼくの闘いだ。

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