忍者ブログ

きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「名もなき少女に墓碑銘を」香納諒一

のめり込みながら一気に読み切って、やるせなさを抱えつつの読了。
電話をかけてきた男が死んだ後に気づいた着信履歴。
何の用件で?
探偵・鬼束がそのことを探り出そうと調査を進める過程で、
玉つきのように連鎖して暴かれていった、とある家族の過去。
「こんな真実を知りたかったわけではないのだ」
けれども。
それが真実。
子どもたちはみんな、身勝手な親の犠牲者だ。
(長男は別括りにしたいけど)
だが、大人になった彼らの行為は、犯罪。
気付いてしまったら、目を瞑ることはできない。
それでも割り切れない何かが胸の中に渦巻いて、やりきれなさいっぱいの読後。

同一主人公で『熱愛』と言う作品がこの前に書かれているのね。
そちらも読まねば。









拍手

PR

「ビューティフル・ガーデン」安西リカ(ディアプラス文庫)

倫が抱えた、どうしても譲れないこだわり。
それは、独りよがりの身勝手なものではなく、
過去の経験から学んだ自分自身を守るための手段。
一方、伊東が頑なに自分の本心を隠そうとしてきたのにもまた、
切実な理由がある。
相容れない真逆の想いを抱えたふたりが、
この先もずっと一緒にいるために示した歩み寄り。
心の機微が染み入るように伝わってきて、とても良かった。
その変化の延長で、絶縁状態だった家族に対して、倫がそれぞれへの贈り物を思い描くシーンで思わず涙。
お互いにとって素敵な出会いだったんだなぁ。
仕事面でも読み応えがあって、楽しく読了。

(ゲイバーに)「彼氏の自慢しに来る変なやつって、俺?」
「おまえだよ!」
この件、めっちゃ好き。
読み始めの印象はあまりよくなかったんだけど、
読み進めていくうちにどんどん好きになっていた作品だった。
うまいなー。


拍手

「逆光の女」北方謙三

なんかもう、この男の良さがさっぱりわからないわー。
女性の扱いが超最低で納得いかないわー。
まぁ、お互いが納得ずくなら外野が口挟むことじゃないですけどねー。
ああ、でも私は納得いかない。 
それでも、殺された女の事情を探ろうとするあたり、
情…ではないにしろ、彼なりになにかしらの引っ掛かかりがあったんだろうなぁ、と思っていたわけですが。
ラスト。
え、ちょっと待ったー!
置いてけぼり感満載で一瞬ポカーン、となるわけだけど、これは推理小説でも探偵小説でもないので、物語としてこれはこれで良いのかもしれない。
一人の男のとある人生の一幕。

初期作品の復刻版。
五ヶ月連続発刊の最終巻。
とっても期待してたんだけどなー。
個人的には風(本作の主人公)に文句いっぱい言いたいフラストレーションを抱えて読了。(苦笑)


拍手

「何度でもリフレイン」安西リカ(キャラ文庫)

「出会うのが少し早すぎたかも」
この言葉、刺さったなー。
10年前はうまくいかなかった恋。
だけど。
10年後に彼らは再び出会った。
好きの気持ちを引きずったまま。
過去回想と今リアルに揺れ動く気持ちの反復描写が丁寧に描かれていて、
たとえ再会できなかったとしても、
彼らはお互いをずっとずっと好きなままだったんだろう、ということが伝わってくる。
若さも、そして当時の情況も、彼らから余裕を奪っていたんだと思う。
別れを経て、大人になって再び出会った二人。
佳史のアプローチ、めっちゃ良かった。
諦めないでくれて良かった。


やるべきときにやれることをやらなかったら、
多分一生後悔する。
「もしもあの時ああしてたら?」と後悔するよりも
チャレンジして失敗する方がまだ納得はいく。


拍手

「手/ヴァランダーの世界」ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

シリーズ18冊目にして最終巻。
収録されているのは中編一編。
庭から見つかった二人分の骸骨。
半世紀ほど前に亡くなった人たちの身元と事件の真相をヴァランダーたちが突き止めるまでの物語。
そして、著者自身によるシリーズ紹介、というよりもシリーズ辞典と言った方がしっくりくる、
詳細な各作品・人物・地名等の紹介や説明。
これは全巻読み終えたご褒美みたいで面白かった。
ヴァランダーが糖尿病に罹患することになった経緯が興味深い。
読み継がれる本を世に送り出している複数の作家たちが口にしている言葉。
「自分自身が読みたいものを書く」
真理だなーと思う。

ガーディアン選書である『目くらましの道』はシリーズ5作目。
シリーズは最初から読まないと気が済まない私は、
1作目『殺人者の顔』から5作目までを手元に置いて、1作目を読み始めました。
で、当時のゴールだった5作目までを読んで、残りの作品を迷わず収集。
ありがとう、ガーディアン!
こんなに面白い作品を紹介してくれて。
自力ではたどり着けなかった作品だったと思う。


拍手

「ラブ・シェイク」英田サキ(プラチナ文庫)

何だろう、この馬鹿男。
色々理解不能なんですけど?
と、もやもやしながらの読み始め。
そして、余計なことする男は出てくるわ、
馬鹿男はますます馬鹿になるわで、
なんかもう、しっちゃかめっちゃかで大変ねーと、思いながらの中盤。
で。
終盤。
雨降って地固まる。
秋良、良かったねー、とめっちゃ納得してしまっている不思議。
英田マジック。(笑)
いや、ホント、英田さんだからこその説得力。
個人的にはメインCPよりも加瀬と灰原のアダルトCPに興味津々。
というか、彼らの方が断然好み。






拍手

「苦悩する男 下」ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

スェーデンの田舎町で起こる事件を描きつつ、シリーズ全巻通して一人の男の人生を描いた物語。
このやるせなさというか物悲しさというか……
何とも言えない思いをしみじみ噛みしめる。
複雑な事件を追いつつ、ヴァランダーが向き合わざるを得なかった老い。
出会いと別れを繰り返し、人は年を重ねていく。
いつしか別れていく人の数が増え、いずれ自分も別れを告げる。
でも、失うだけではないのも人生。
彼はかけがえのないものを得ているのだから。
事件の真相と、え?どういうこと?と思っていた部分は見事にまとめ上げてくれたと思う。
抜群に読み応えのあるシリーズだった。


今自分が見ている世界は、永遠には続かないと、突きつけられた近年。
昨年、スウェーデンはNATOに加盟。
それをリアルに覚えている間にこの作品を読めたのはタイミングが良かった。
残るは短編と各巻解説を含めた一冊。
シリーズ総括はそちらで。
蛇足だけど……体調の不良を感じ、怖いから、と言う理由で病院に行かないのは悪手。
引き延ばせば伸ばすほど、症状は悪化するのよ。

拍手

「苦悩する男 上」ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

シリーズ最終章。
60歳を間近に控えたヴァランダーは、
かねてからの夢だった居を構え、犬を飼い、
最前線の捜査には加わるものの、陣頭指揮からは外れ、
退職後を見据えた生活を送るようになっていた。
そして娘のリンダの出産により、おじいちゃんに!
このまま穏やかに……というわけにはいかないのがこのシリーズ。
自分の署の管轄外の事件でありながら、捜査に加わらざるを得なくなり、
読み手は底なし沼には嵌るように、ずぶずぶと引き込まれていく。
国家機密まで話は及び、垣間見える軍事産業の闇。
ちょっとどうなってるのよーー!?と前のめりになりながら、次巻へ。

自殺をするときに靴をそろえて脱ぐのって、日本の文化(?)だと思っていたけど。
え?
それって外国でも通じるの??
と、疑問に思ってみたのでありました。
え?どうなんだろう??

拍手

「ロマンチックバージョン」安西リカ(キャラ文庫)

来るもの拒まず、去る者追わず。
恋愛に対してそんなスタンスで応じてきた綾瀬の、恋愛成長物語。(私主観)
無自覚な不誠実。
それに気づけて良かったと思うし、そんな自分を顧みてどうしたらいいか模索する姿には
好感が持てた。
淳史はそれで嫌な想いをしただろうに、綾瀬を悪く言わなかったなー。
終始一貫して綾瀬に対する想いがブレなかった淳史。
淳史が好意を向けてくれたからこその綾瀬の気付き。
ペーパーまで読んで彼の変化にはひたすら感心するし、
良い関係を築いていったなーと思う。
二人で丁寧に育てていった恋模様。
読後に笑顔になれる作品だった。


「引っ掛かりがない」の真意は説明されれば納得だけど、
それがないとわかりづらいよー。
良い事言ってるのにね。
作中で出てきた『翻訳できない世界のことば』。
読友さんたちの高評価レビューを思い出し、改めて手に取ってみたくなった。


拍手

「弥栄の烏」阿部智里(文春文庫)

【弥栄】
この意味を「いよいよ栄える」と捉えて読み始めた私は諸々楽観視していた。
でも、迫りくる脅威と対峙し、満身創痍で彼らが危機を跳ねのけた後に抱いた感情は
そんなものとはかけ離れたもので、ちょっと狼狽える。
「繁栄を祈る」という意味に込められた思いは、あまりにも切実で、逼迫したものだった。
だけど。
諦念ではなく、現実を真っ直ぐに見据えた浜木綿の言葉に救われる。
親友を亡くして凍り付いていた雪哉の心。
痛々しいまでの苛烈さは、守り、戦い抜くために必要なものだったかもしれないけれども。
色を取り戻せて良かった。

ここで第一部完。
続きが楽しみというより、なんだか不安でしかない。
この先彼らの運命はどうなっていくのかしら?
うっ……怖いけど気になる。


拍手

  

カレンダー

06 2026/07 08
S M T W T F S
1 3
5 6 7 8 9 11
13 14 15 16 17 18
19 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

フリーエリア

プロフィール

HN:
みやこ
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- きままに読書★ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]