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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「交渉人は黙らない」榎田尤利(SHYノベルズ)



【あいつのことなんか、知りたくない。
 知ってしまえば何かが変わるような気がして、正直怖い】

自分の力で不器用でもまっすぐ前向きに生きようとする人は好き。
それが挫折や苦難を乗り越えた強さなら、尚更応援したくなる。
危なっかしいようで、しっかり両足で自分の人生を支えている。
そんな芽吹きに対する兵頭の執着。
その気になれば何でも手に入りそうな兵頭の、余裕のない必死のアプローチ。
押し殺そうとしてきた想いだからこそ、熱く情熱的に溢れ出る様がいい。
二人の会話の軽妙さも楽しいし、距離感も絶妙。
周囲に知らしめるために想い人を連れ回す30男。
若頭の想い人ならば、と、理解のありすぎるヤクザ事務所の男衆がまたおかしい……
続がとっても楽しみな一冊。

「あんたを俺のものにする」これはOK。
「俺のオンナになればいい」これはNG。
私的なこだわり(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

元検事で元弁護士、そのうえ美貌と才能まで持ち合わせた男、芽吹章は、暴力・脅迫・強制、このみっつが反吐が出るほど大嫌いだ。弱き立場の人を救うため、国際紛争と嫁姑問題以外はなんでもござれの交渉人として、『芽吹ネゴオフィス』を経営している。そんなある日、芽吹の前にひとりの男が現れた。しかもヤクザになって!!兵頭寿悦―できることなら、二度と会いたくない男だった…。

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「ムーンライトマイル」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



【焦るまでもなく、とっくに好きだたのだろうか。
 昼と夜の継ぎ目を探すみたいに何かしら決定的な一瞬に
 こだわっていたから気づけなかっただけで】

大地を知れば知るほど、近づけば近づくほど、見失う気持ち。
始まりが歪だっただけに、余計に自分の心がわからなくなる昴。
そして相手を抉るような言葉を投げかけて、多分確かめるのだ。
愛の所在を。
貞操観念のなさに、え?この子、大丈夫?と思った大地が
とても懐の広くて愛情深い男子で、本気でカッコいいと思いました。
さすが、高梨家で育った子だわ(笑)
混乱する昴とは対照的に、大地の気持ちはぶれない。
昴の気持ちが大地に少しずつ傾いていっているのが感じ取れる文章が素敵。
そして決定的だった亘の言葉。
第三者の方がよく見ている。
明確な区切れ目を探す必要はなく、気づいたら好きだった。
恋はそれで十分だと思う。

流星と太陽のその後が伺えたのがとてもよかった。
「あのふたりには互いの骨をひとかけら交換したような、
余人には立ち入れない結びつきがあった」
この表現、すごく好き。
綺麗な言葉が随所にちりばめられていて、一文一文を噛みしめてしまいました。


内容(「BOOK」データベースより)

上映中のプラネタリウムで彼女に浮気を咎められ派手に振られた大地。学芸員の昴にきつい皮肉を浴びるものの、なりゆきで科学館でアルバイトをすることになる。昴は大人しげな見かけに反して気が強く厳しい。そんな彼に最初は苦手意識を持つ大地だが、天文一筋で誠実ゆえに偽りのない昴を知るほどに惹かれてゆく。その視線の先に別の誰かがいると気づいた時にはもう後戻りできないほどに―。年下攻星屑ロマンス。

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「オールトの雲」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



【それでも、何度でも出会いたい。
 ほんとうの、最期のときにも「またね」と言いたい。
 その瞬間にすべてを振り返り、すべてが宝物になる。】

人を好きになる気持ちは、こんなにもきれいでやさしい。
相手にとって何が一番なのか。
思いやる気持ちから導き出した決断に、たまらなく切なくなるのだけれども。
彼らの綺麗に澄んだピュアな想いがとても愛しくて、泣きながら微笑みかけたくなる。
そんな物語でした。
流星も太陽もまだ10代半ばの子どもだけれども、
子どもなりに相手のことを、相手の家族のことを懸命に考える様子がとても好感に
が持てました。
自分の気持ちを持て余して相手にぶつけるシーンもまっすぐでいい。
みんないい子だ……(涙)
そして両家のご両親も兄弟も本当に素敵で可愛かったです。

読後、自分の気持ちも澄んだ透明な色になっているような、
そんな感覚(錯覚?笑)に暫し浸ってしまいました。
一穂さんのお話、大好きです。
さて。次はムーライトマイル♪


内容(「BOOK」データベースより)

お姫様のような母親と一緒に太陽の前に現れた小さな王様―それが、流星だった。外国の血を引く繊細に整った容貌と、誇り高くまっすぐで、嘘やごまかしのない性格。そのせいで周囲から浮く彼をほうっておけず、いつだって側にいた。けれど、部活の合宿先で偶然会った流星は、太陽が知らない顔をしていて…。闇夜に迷う心を照らす、一等星の恋。その後の二人を描いた書き下ろし「真夜中の虹」も収録。

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「窓の灯とおく」一穂ミチ(ルチル文庫)



出会ってから恋情に進むまでのふたりの距離感の描写が絶妙。
偽らず、繕わず、ありのままの自分を受け入れてくれる存在。
築にとってはそれが新で、新にとっては築だった。
描かれているのは
「ここに帰り着きさえすれ大丈夫だと思える場所」を得ることができた奇跡。
激しい激情が描かれているわけではないけれども、
溢れる想いに涙が滲みました。
静かに営まれる生活の中、互いに係わることで少しずつ変わっていく二人。
それもたぶん、良い方に。
新のために自分の気持ちを諦めようとした築。
築のために囁かれる、一日更新の告白の言葉。
恋愛っていいな、と、素直に思った物語でした。

すっぱりとした築の物言いがとても好き。
「今しかない」と言い続けている彼らの未来を願います。


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「街の灯ひとつ」一穂ミチ(ルチル文庫)



【それは一途なんて呼べる代物じゃない、昏い熱だった】

ゆっくりと穏やかに流れ込んでくる感情に静かに揺さぶられ続け、
結局泣かされてしまいました。
「初鹿野のいない世界なら、何を持ってたって意味がない」
初鹿野をずっと想いつづけた片食の気持ちが一途で、深くて、いじらしくて。
そして、たまらなく愛おしい。
「責任は俺がとるんだよ」
流されるわけではなく、絆されるわけでもなく。
片食ときちんと向き合い、理解した上で受け入れた初鹿野の気持ちがやっぱり愛おしい。
穏やかで深い、片食の情愛。
だけどそこには静かな熱がある。
その熱で、初鹿野の欠けていた感情が修復されているような感じがすることが嬉しい。
とても素敵な物語でした。

山下久美子の「微笑みをもう一度」が脳内ヘビロテ。
「街の灯がともる」という歌詞部分とタイトルがリンクしたんだろうなぁ。
片食と初鹿野の物語、もう少し先まで読んでみたかったわ。


内容(「BOOK」データベースより)

気の進まない同窓会で、記憶にない同級生と会った初鹿野柑。翌朝、酔いつぶれて正体のないままその男と一線を越えたことを知って愕然とする。「ずっと好きでした」と土下座する男は、実は、二度と会いたくなかった相手―名字も容姿も様変わりして現れた―片喰鉄之助だった。あまりの事態に「気持ち悪い」と気後れしてしまう初鹿野だが…。

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「threesome…」榎田尤利(リブレ出版)



「現実世界でなくしたものが、夢の中で蘇る。
 そして夢から覚めた途端に、再びすべてを失ってしまう」

何かが欠けていて、どこかが壊れていて。
淋しさに気付かないふりをして、愛を嗤う。
甘さのない乾いた世界。
だからこそ、そこに介在する情が哀しい。
当人を目の前にしながらも、写真にしか手を伸ばすことのできなかった櫛田。
辻が財津とも菊池とも築くことのできない絆を確かに彼は持っていたのに。
「さよなら」
その言葉を言わせたのは、櫛田自身だ。
疲れ切った辻を労わるように甘やかす財津と菊池。
明日また、活力を伴って目覚めるために。
残酷で厳しい現実世界の中で、彼ら二人に愛を囁かれながら、
愛を語らない辻は、これからもしたたかに生きていいくのだろう。

乾いた切なさが尾を引く読後感でした。
やっぱり榎田さん、好きだわ。

内容(「BOOK」データベースより)

快楽主義で女好きの極道・辻良典は、あるきっかけから、男ふたりと肉体関係を持つようになった。切れ者弁護士の財津と、使い走りの舎弟・菊池―ふたりから鬱陶しいほどの愛を捧げられながらも、辻が愛するのは常に自分だけだったが…。大人気エロティック短編集「erotica」内の続編が、長編書き下ろしで登場。

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「ワンダーリング」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



分かり合えないからこそ惹かれ、相容れないからこそ、
相手の存在に苛立って、もどかしくなる。
雪が藤堂にだけズバズバ物が言えて突っかかれるのは、
裏を返せば彼にだけ甘えられるということ。
素直になれないのは、ありのままの自分を認めてもらえないことへの反発。
柔和で穏やかな性質だと思っていた藤堂が見せつけた強心臓っぷりがかっこよくて、
裏カジノでのやりとりにはドキドキしました。
そして悔しさに泣く雪は、本当にルーレットが好きなんだなぁ、と。
令輝のけじめのつけ方は、相当粋な計らいだった。
ここでの雪の涙は安堵と感謝の涙。
藤堂の包容力は底なしだと思うので、安心して振り回すとよいと思います(笑)

前作から想像していた藤堂と雪のイメージがまったく違っていて、
最初は戸惑いつつも、脳内で軌道修正(笑)
藤堂は思っていたよりも真っ当な感覚を持った常識人で、
雪は思っていたよりも随分と複雑な性格をしていました。
良い意味で裏切られた感じ。
こたつのエピソードは相当可愛すぎました。

内容(「BOOK」データベースより)

七つの年にラスベガスのカジノで拾われた芦原雪。自分を拾ったシンガポール華人の令輝から徹底的にルーレットを仕込まれ、雪は一流の腕を持つまでになる。厳しい育ての親とは対照的に、“雪”に名前をつけ、無条件に甘やかそうとするのが令輝の腹違いの弟、藤堂だった。雪にはそれが煩わしくて仕方ない。現在は藤堂が社長を務める東京の公営カジノで働く雪だが、どんなに素っ気なくしても藤堂の態度は変わらず…?

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「ノーモアベット」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



【俺だって、好きなのに。ずっと前から、好きだったのに。】

家族同然の従兄弟同士。
近くにいる分素直になれなくて、関係性を壊すのが怖くて踏み込めない。
父親に対する反発。つくつもりのなかった嘘と誤解と嫉妬。
捩れた感情の果ての「しんどい」という言葉。
15年越しの一哉の告白には涙が出ました。
泣いて泣いて、泣きつくして。
そこからの逸の巻き返しはお見事。
欲しかったら自分から全力で捕りにいく。
全てを賭けて臨んだ「絶対に負けたくない賭け」
そしてまさかの逃避行からの初エッチ。
一生一哉しか知らなくていい。
心の声だけど、至上の愛の告白だと思いました。
そして、イイ感じで絡んでくれた藤堂さんがタイヘンかっこよかったです。

モンスターペアレントを親バカと翻訳した香住さん。
彼女の母親っぷりと懐の広さって半端ないぁ、と思っていたけど。
ふと零した本音がなんだか切なくて、
でも平気な顔しなきゃってのはなんだかわかるわ~、と、妙な親近感。


内容(「BOOK」データベースより)

東京湾に浮かぶ日本初の公営カジノNew Marina Bay。都の広報職員として出向している逸は、ディーラーの一哉とは家族同然の従兄弟同士。けれどここ数年、顔を合わせれば言い争いばかりで、どう接していいのかわからない。自分と母を置いて世界中のカジノを飛び回っている父への反発もあり、父と同じ道を選んだ一哉に対してどうしても素顔になれない逸だけど…?全てを賭けた、一世一代の恋の大勝負開幕。

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「誘眠ドロップ」崎谷はるひ(ガッシュ文庫)



【たぶん、どっちも過剰で、欠乏していて、
 ただ、ふたりでいれば、きれいにまるく完結する】

鉄壁の自制心で恋情と劣情を隠す空慈に、体当たりの告白をした光樹。
お互いしか目に入っていない二人の
会話の噛み合わなさと、必死さと、気持ちのまっすぐさに、
可愛い~~!!と、ジタバタしながら読み進めていたのですが。
それだけで終わらないのが崎谷さん。
空慈の情の強さにゾクリとし、光樹の見た夢に胸が苦しくなりつつも、
何年たっても一緒にいられる二人の姿に安堵するのでした。
二人でいて完璧な一対。
それはたぶん、底の知れない共依存。
だけど、そこに陰はなく、どこまでも微笑ましい二人がいました。
流れた時間の分だけ、人として成長している姿も嬉しい。
お幸せに☆


内容(「BOOK」データベースより)

平凡な高校生・梶尾空滋の幼馴染み兼同居人は、人気アイドルの藤代光樹。“クールでミステリアスな美少年”と有名な光樹だが、その実態は生活能力皆無で、空滋がいないと寝食もままならない超あまったれ。危なげな光樹のため、空滋は恋心をひた隠し、世話を続けている。空滋のそばでしか安眠できない光樹とベッドを共にしながら情欲をこらえることにも慣れた。可愛い幼馴染みをずっと守っていく覚悟だったが、ある日、光樹に思いがけないスキャンダルが―。

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「ステノグラフィカ」一穂ミチ(ルチル文庫)



【好きが過ぎると泣きたさを催されるものだとは知らなかった】

ひっそりと胸の内で育まれてきた恋心。
決して表に出てくることのないはずだった秘めやかな想い。
彼の声に耳をそばだて、ただ存在を感じている
だけで満ち足りていた碧の想いは、
とある出来事から西口と接点を持ったことによって、動き出す。
見栄を張らず、弱音も吐けて、自然体で接することのできる相手と過ごすことの心地よさ。
元妻との恋に傷ついた西口にとって、碧の存在は得難いものだったのだろう。
瞬間的に燃え上がるのではなく、相手を知れば知る程静かに募っていく二人の想いが
とてもきれいに伝わってきて、甘やかで幸せな余韻に浸れました。

すみれの送別のシーン。
送る方も送られる方も気持ちのいい別れ方で本当によかった。
いつか、彼女が再び彼らと出逢う未来を碧や西口と一緒に信じられる。
そして私は「よくないやつ」と評された佐伯がやっぱり好きだわぁ、と、改めて思いました(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

国会で働く碧は、その「声」に耳をそばだててしまう。滑舌よく明瞭な声の主は新聞社政治部記者の西口。食堂の定位置―碧の隣のテーブルで忙しなく騒がしく食事して去る彼は、日々をひっそり重ねる碧とはまるで正反対だった。しかしある出来事を境に、西口は碧を何彼と構うようになる。彼の素顔に触れるにつれ、次第に惹かれていく碧だが…。

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