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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「苦悩する男 上」ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

シリーズ最終章。
60歳を間近に控えたヴァランダーは、
かねてからの夢だった居を構え、犬を飼い、
最前線の捜査には加わるものの、陣頭指揮からは外れ、
退職後を見据えた生活を送るようになっていた。
そして娘のリンダの出産により、おじいちゃんに!
このまま穏やかに……というわけにはいかないのがこのシリーズ。
自分の署の管轄外の事件でありながら、捜査に加わらざるを得なくなり、
読み手は底なし沼には嵌るように、ずぶずぶと引き込まれていく。
国家機密まで話は及び、垣間見える軍事産業の闇。
ちょっとどうなってるのよーー!?と前のめりになりながら、次巻へ。

自殺をするときに靴をそろえて脱ぐのって、日本の文化(?)だと思っていたけど。
え?
それって外国でも通じるの??
と、疑問に思ってみたのでありました。
え?どうなんだろう??

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「弥栄の烏」阿部智里(文春文庫)

【弥栄】
この意味を「いよいよ栄える」と捉えて読み始めた私は諸々楽観視していた。
でも、迫りくる脅威と対峙し、満身創痍で彼らが危機を跳ねのけた後に抱いた感情は
そんなものとはかけ離れたもので、ちょっと狼狽える。
「繁栄を祈る」という意味に込められた思いは、あまりにも切実で、逼迫したものだった。
だけど。
諦念ではなく、現実を真っ直ぐに見据えた浜木綿の言葉に救われる。
親友を亡くして凍り付いていた雪哉の心。
痛々しいまでの苛烈さは、守り、戦い抜くために必要なものだったかもしれないけれども。
色を取り戻せて良かった。

ここで第一部完。
続きが楽しみというより、なんだか不安でしかない。
この先彼らの運命はどうなっていくのかしら?
うっ……怖いけど気になる。


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「玉依姫」阿部智里(文春文庫)

山内の成り立ちが語られ、
八咫烏や猿の立ち位置も示される。
そして、若宮の欠けた記憶も。
『八咫烏シリーズ』着手以前にこれだけの骨組みが出来上がっていたら、
そこに肉付けされた物語は間違いなく面白いよね。
今回の表舞台は八咫烏たちの山内ではなく、
現代日本の山内村。
とはいえ、突飛な感じはどこにもなく、違和感なく前作までとリンクしている。
どういう事情で若宮がその立ち位置にいるのか。
山内側の同行は続刊で語られるんだろうけど、
だからこそ、犠牲になった八咫烏が誰なのか、気になる。
間違いなく知ってる八咫烏だよね?

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「空棺の烏」阿部智里(文春文庫)

雪哉、良い性格してるなーと、しみじみ思った巻。
腐敗も不正もどこの国・どこの時代にもあるし、
派閥はいつだってやっかいな存在。
それを取っ払うために行われた雪哉の工作。
にっこり笑ってサクッと刺す。
そして、打ち据える相手に対しては容赦ない。
好みのタイプではないけど、嫌いじゃないよ。
そして彼の存在は孤軍奮闘に近い若宮にとって絶対に必要だと思う。
そんな若宮の抱えた問題と、今だ拭い去られることない猿の脅威。
猿にも色々あることがわかったけど、この先どうなるのかが気になって仕方ない。
一緒に行けたなら良かったの……かな?いや、生きる世界が違うか。

とりあえず、怖い猿ばっかりじゃなかったよ。
雪哉は絶対に友だちの好みのタイプだろうなーと思ったので、
このシリーズを貸して読んでもらおうと思います☆彡
色々語れるのが楽しみ。


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「黄金の烏」阿部智里(文春文庫)

自分の意思に関係なく、
生まれついて背負わなければならなかった運命と向き合う覚悟は若宮にはとっくにできていた。
だけど、それを己に言い聞かせるような言葉が痛い。
一度は朝廷に背を向けた
雪哉もまた、自分の抱えた想いと向き合い、どうすべきかを思案する。
脅かされる世界。
守るべきもの。
守りたいもの。
その中で自分に、何ができるのか。
考えた末の雪哉の決意には納得しかない。
そして、浜木綿、カッコいいなぁ。
若宮と良い夫婦だと思う。
というよりも、同士、と言った方がしっくりくるかな。
彼等が世界の脅威とどう対峙するのか。
見届けねば。


会社の後輩に『烏に単は似合わない』読み始めたんだーと言ったら、
「猿出てきました?」「猿?」「あ、まだでしたね」「なんで猿?」「読んでください」と言うやり取りがありました。
で、私は勝手に友好的な猿を想像していたのですが!
(なんなら北方の骨朗みたいな猿)
がーー!
怖いよ、猿……、と、ちょっと呆然としたのでありました。(涙)

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「烏は主を選ばない」阿部智里(文春文庫)

宮中における姫たちを中心に進行した前作では知ることのできなかった、
同じ時系列で若宮側がどう動いていたのかが描かれた作品。
これを読むことによって前作の理解度もより深まる。
突き落とされた雪哉お気の毒。
個人的にはこっちの方が好き。
自分を守るためにうつけを演じていた若宮と、
家族を守るためにぼんくらを演じていた雪哉。
自分を偽って過ごしていた二人の邂逅。
良い感じの関係を築いていったと思うんだけどね。
勝手な未来を思い描いて浮かれている長束たち大人との温度差を見るにつけ、
雪哉の抱えた屈託がいたたまれなくなる。
今後の雪哉と若宮に幸いを。

「死」と言うワードは色々強すぎて、他者に向かって放つのを躊躇するんだけど。
だからこそ最後の雪哉のセリフは刺さったなー。

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『烏に単は似合わない』阿部智里(文春文庫)

端的に言うならば。
「え、怖っ!ってか、気持ち悪っ!」が、一番の感想。
この表紙を見て読み始めて、まさかそんな言葉が出てくるとは思わないよね。
4人の姫たちがお互いの様子を伺いあっている辺りでは
単純に后選びの話かと思ったけど。
彼女たちは国や個人に関わるそれぞれの事情を背負っていた。
雲行きが怪しくなった途中からは格段におもしろくなって一気読み。
おもしろさの先にあるのが鳥肌だったのは想定外。
ああ、ホント気持ち悪い。
絶対悪意あったでしょ?と思う私は凡人なのか。
個人的には浜木綿のかっこよさと真赭の薄の選択が好き。


姪っ子ちゃんにプレゼントするのにこの本どうかな?と、
まずは私が試し読み。
おもしろかったので続刊もそろえようと思います!
……ん?自分プレゼントになってる。(笑)
でも誰かにプレゼントする本はまずは自分が読んでおもしろさを検証しないとね。

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『空色勾玉』荻原規子(徳間文庫)

神々がまだ、人の暮らしの中に入り込んでいた古代の日本。
敵対する光と闇との間で繰り返される争い。
超越した力を持つ者に対して抱く畏怖の念は理解できるけれども。
あんなふうに浅ましく排斥しようとする集団心理は頂けない。
でも、そういう方向に先導しようとした者に踊らされてたことを考えると
致し方ないのかな?と思える部分もある。
これ、現代に置き換えても当てはまるよね。
情報操作、怖いわ~。
光に焦がれる闇と、闇に留まることを選んだ光。
二人が出会ったことで大きく揺れ動いた時代は、まさに今へとつながる世界の黎明期。




日本神話にまったく触れないまま今に至るので、知識不足は否めない。
知ってたらより深く楽しめたんだろうなぁ、とは思うものの、
お勉強ではないので、知らなくても作品世界に楽しく入り込めるのも読書。
思えば、戦国時代の知識も飛鳥時代の知識も私は読んだ本から学びました。
ので、偏ってる自覚はあります。(笑)

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「二人だけの勲章」北方謙三(ハルキ文庫)

「ちくしょう、なぜだっ」という伸也の叫びに同調しつつ、
「やっぱりか!」と更に叫ぶ私。
ホント、何故なんだ、北方~~!!
と言いつつ、北方ならそうなるよね、と納得してしまうくらいは
彼の作風をわかっている。
ある意味裏切らない。
え、二人って誰?この二人であってる?と途中で混乱するくらい入り乱れる登場人物。
それぞれにそれぞれの矜持があって、自発的に動いているからこそ、誰もがカッコいい。
作中の人物たちが拘った三年前の出来事の延長線上にはない伸也と伊月の存在が
上手く絡み合い、彼等をその先へと導いていったと思う。



月に一冊の復刻版シリーズ。
いよいよ来月でラスト。
で、ふと思う。
『約束の街シリーズ』は完結させてくれるのかな?
このシリーズがきっちり完結したらハルキ文庫の『ブラディ・ドールシリーズ』を集める気満々なんですけどー。←角川文庫版は当然持ってる。
思えば、私の北方作品初読は『さらば、荒野』。
30年くらい前かな?
未だに熱く語れる大好きシリーズ。

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「二人の嘘」一雫ライオン(幻冬舎文庫)

プロローグで匂わせているとはいえ、ガッツリ結末の分かる章タイトルは駄目だと思う。
先を読みたくなくて手が止まりそうになり、だけど、気になるから項を捲る。
それだけ、作中にのめり込んでいた。
だからこそ、読後にこみ上げるこのやるせなさ。
再び出会わない方が良かったのだろうか?
それでも、出会って良かったのだろうか?
答えは、彼らが心に刻んでいる。
蛭間のやさしさと気遣いがジワジワ沁みる。
理不尽な運命を強いられた彼。
「正しく、まっすぐに、優しい方向に間違える」
この言葉が深すぎて、めちゃめちゃ刺さった。
ああ、本当にやるせない。


「帯は読まない。内容を知らずに読んだほうが、小説は絶対におもしろいからだ」
あとがきの北上次郎氏に大賛成。
初読み作家さんのこの本は久々に背表紙&表紙買い。
「あ、この本」と思った時の直感って、不思議と外れがないんだよね。
私、グッジョブ。←自画自賛。(笑)
必ず能登を再訪しよう、と、心に刻んでいたけれども。
その思いがますます強くなりました。




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