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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「手/ヴァランダーの世界」ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

シリーズ18冊目にして最終巻。
収録されているのは中編一編。
庭から見つかった二人分の骸骨。
半世紀ほど前に亡くなった人たちの身元と事件の真相をヴァランダーたちが突き止めるまでの物語。
そして、著者自身によるシリーズ紹介、というよりもシリーズ辞典と言った方がしっくりくる、
詳細な各作品・人物・地名等の紹介や説明。
これは全巻読み終えたご褒美みたいで面白かった。
ヴァランダーが糖尿病に罹患することになった経緯が興味深い。
読み継がれる本を世に送り出している複数の作家たちが口にしている言葉。
「自分自身が読みたいものを書く」
真理だなーと思う。

ガーディアン選書である『目くらましの道』はシリーズ5作目。
シリーズは最初から読まないと気が済まない私は、
1作目『殺人者の顔』から5作目までを手元に置いて、1作目を読み始めました。
で、当時のゴールだった5作目までを読んで、残りの作品を迷わず収集。
ありがとう、ガーディアン!
こんなに面白い作品を紹介してくれて。
自力ではたどり着けなかった作品だったと思う。


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「ラブ・シェイク」英田サキ(プラチナ文庫)

何だろう、この馬鹿男。
色々理解不能なんですけど?
と、もやもやしながらの読み始め。
そして、余計なことする男は出てくるわ、
馬鹿男はますます馬鹿になるわで、
なんかもう、しっちゃかめっちゃかで大変ねーと、思いながらの中盤。
で。
終盤。
雨降って地固まる。
秋良、良かったねー、とめっちゃ納得してしまっている不思議。
英田マジック。(笑)
いや、ホント、英田さんだからこその説得力。
個人的にはメインCPよりも加瀬と灰原のアダルトCPに興味津々。
というか、彼らの方が断然好み。






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「苦悩する男 下」ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

スェーデンの田舎町で起こる事件を描きつつ、シリーズ全巻通して一人の男の人生を描いた物語。
このやるせなさというか物悲しさというか……
何とも言えない思いをしみじみ噛みしめる。
複雑な事件を追いつつ、ヴァランダーが向き合わざるを得なかった老い。
出会いと別れを繰り返し、人は年を重ねていく。
いつしか別れていく人の数が増え、いずれ自分も別れを告げる。
でも、失うだけではないのも人生。
彼はかけがえのないものを得ているのだから。
事件の真相と、え?どういうこと?と思っていた部分は見事にまとめ上げてくれたと思う。
抜群に読み応えのあるシリーズだった。


今自分が見ている世界は、永遠には続かないと、突きつけられた近年。
昨年、スウェーデンはNATOに加盟。
それをリアルに覚えている間にこの作品を読めたのはタイミングが良かった。
残るは短編と各巻解説を含めた一冊。
シリーズ総括はそちらで。
蛇足だけど……体調の不良を感じ、怖いから、と言う理由で病院に行かないのは悪手。
引き延ばせば伸ばすほど、症状は悪化するのよ。

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「苦悩する男 上」ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

シリーズ最終章。
60歳を間近に控えたヴァランダーは、
かねてからの夢だった居を構え、犬を飼い、
最前線の捜査には加わるものの、陣頭指揮からは外れ、
退職後を見据えた生活を送るようになっていた。
そして娘のリンダの出産により、おじいちゃんに!
このまま穏やかに……というわけにはいかないのがこのシリーズ。
自分の署の管轄外の事件でありながら、捜査に加わらざるを得なくなり、
読み手は底なし沼には嵌るように、ずぶずぶと引き込まれていく。
国家機密まで話は及び、垣間見える軍事産業の闇。
ちょっとどうなってるのよーー!?と前のめりになりながら、次巻へ。

自殺をするときに靴をそろえて脱ぐのって、日本の文化(?)だと思っていたけど。
え?
それって外国でも通じるの??
と、疑問に思ってみたのでありました。
え?どうなんだろう??

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「ロマンチックバージョン」安西リカ(キャラ文庫)

来るもの拒まず、去る者追わず。
恋愛に対してそんなスタンスで応じてきた綾瀬の、恋愛成長物語。(私主観)
無自覚な不誠実。
それに気づけて良かったと思うし、そんな自分を顧みてどうしたらいいか模索する姿には
好感が持てた。
淳史はそれで嫌な想いをしただろうに、綾瀬を悪く言わなかったなー。
終始一貫して綾瀬に対する想いがブレなかった淳史。
淳史が好意を向けてくれたからこその綾瀬の気付き。
ペーパーまで読んで彼の変化にはひたすら感心するし、
良い関係を築いていったなーと思う。
二人で丁寧に育てていった恋模様。
読後に笑顔になれる作品だった。


「引っ掛かりがない」の真意は説明されれば納得だけど、
それがないとわかりづらいよー。
良い事言ってるのにね。
作中で出てきた『翻訳できない世界のことば』。
読友さんたちの高評価レビューを思い出し、改めて手に取ってみたくなった。


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「弥栄の烏」阿部智里(文春文庫)

【弥栄】
この意味を「いよいよ栄える」と捉えて読み始めた私は諸々楽観視していた。
でも、迫りくる脅威と対峙し、満身創痍で彼らが危機を跳ねのけた後に抱いた感情は
そんなものとはかけ離れたもので、ちょっと狼狽える。
「繁栄を祈る」という意味に込められた思いは、あまりにも切実で、逼迫したものだった。
だけど。
諦念ではなく、現実を真っ直ぐに見据えた浜木綿の言葉に救われる。
親友を亡くして凍り付いていた雪哉の心。
痛々しいまでの苛烈さは、守り、戦い抜くために必要なものだったかもしれないけれども。
色を取り戻せて良かった。

ここで第一部完。
続きが楽しみというより、なんだか不安でしかない。
この先彼らの運命はどうなっていくのかしら?
うっ……怖いけど気になる。


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「玉依姫」阿部智里(文春文庫)

山内の成り立ちが語られ、
八咫烏や猿の立ち位置も示される。
そして、若宮の欠けた記憶も。
『八咫烏シリーズ』着手以前にこれだけの骨組みが出来上がっていたら、
そこに肉付けされた物語は間違いなく面白いよね。
今回の表舞台は八咫烏たちの山内ではなく、
現代日本の山内村。
とはいえ、突飛な感じはどこにもなく、違和感なく前作までとリンクしている。
どういう事情で若宮がその立ち位置にいるのか。
山内側の同行は続刊で語られるんだろうけど、
だからこそ、犠牲になった八咫烏が誰なのか、気になる。
間違いなく知ってる八咫烏だよね?

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「空棺の烏」阿部智里(文春文庫)

雪哉、良い性格してるなーと、しみじみ思った巻。
腐敗も不正もどこの国・どこの時代にもあるし、
派閥はいつだってやっかいな存在。
それを取っ払うために行われた雪哉の工作。
にっこり笑ってサクッと刺す。
そして、打ち据える相手に対しては容赦ない。
好みのタイプではないけど、嫌いじゃないよ。
そして彼の存在は孤軍奮闘に近い若宮にとって絶対に必要だと思う。
そんな若宮の抱えた問題と、今だ拭い去られることない猿の脅威。
猿にも色々あることがわかったけど、この先どうなるのかが気になって仕方ない。
一緒に行けたなら良かったの……かな?いや、生きる世界が違うか。

とりあえず、怖い猿ばっかりじゃなかったよ。
雪哉は絶対に友だちの好みのタイプだろうなーと思ったので、
このシリーズを貸して読んでもらおうと思います☆彡
色々語れるのが楽しみ。


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「黄金の烏」阿部智里(文春文庫)

自分の意思に関係なく、
生まれついて背負わなければならなかった運命と向き合う覚悟は若宮にはとっくにできていた。
だけど、それを己に言い聞かせるような言葉が痛い。
一度は朝廷に背を向けた
雪哉もまた、自分の抱えた想いと向き合い、どうすべきかを思案する。
脅かされる世界。
守るべきもの。
守りたいもの。
その中で自分に、何ができるのか。
考えた末の雪哉の決意には納得しかない。
そして、浜木綿、カッコいいなぁ。
若宮と良い夫婦だと思う。
というよりも、同士、と言った方がしっくりくるかな。
彼等が世界の脅威とどう対峙するのか。
見届けねば。


会社の後輩に『烏に単は似合わない』読み始めたんだーと言ったら、
「猿出てきました?」「猿?」「あ、まだでしたね」「なんで猿?」「読んでください」と言うやり取りがありました。
で、私は勝手に友好的な猿を想像していたのですが!
(なんなら北方の骨朗みたいな猿)
がーー!
怖いよ、猿……、と、ちょっと呆然としたのでありました。(涙)

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「烏は主を選ばない」阿部智里(文春文庫)

宮中における姫たちを中心に進行した前作では知ることのできなかった、
同じ時系列で若宮側がどう動いていたのかが描かれた作品。
これを読むことによって前作の理解度もより深まる。
突き落とされた雪哉お気の毒。
個人的にはこっちの方が好き。
自分を守るためにうつけを演じていた若宮と、
家族を守るためにぼんくらを演じていた雪哉。
自分を偽って過ごしていた二人の邂逅。
良い感じの関係を築いていったと思うんだけどね。
勝手な未来を思い描いて浮かれている長束たち大人との温度差を見るにつけ、
雪哉の抱えた屈託がいたたまれなくなる。
今後の雪哉と若宮に幸いを。

「死」と言うワードは色々強すぎて、他者に向かって放つのを躊躇するんだけど。
だからこそ最後の雪哉のセリフは刺さったなー。

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