きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「午後の曳航」三島由紀夫(新潮文庫)
気味の悪さと、腹立たしさとに満ち満ちて読了。
甘ったれで独善的。
選民意識が鼻につく、頭でっかちな井の中の蛙たち。
作ってもらった弁当を携えての悪巧みがとても滑稽。
誰のおかげで今の生活があるのか、顧みるといい。
それがわからないのならば、踏みつぶされてしまえばいい。
と、割と本気で思ってみた。私、攻撃的。
幸せを追い求める権利って誰にでもあると思うの。
房子と竜二の恋は、私、とても綺麗だと思った。
恐ろしいのは猫の解体描写ですら美しく描き出す三島の文章力。
反芻すればするほど、腹立たしさに上書きされていく感情がある。
それを何と表すればいいのか、今はまだ、わからないけれども。
なんだか私、一人旅な感想になってしまっていて、笑える。
でもまぁ、率直に。
この物語は房子と竜二の恋の物語だと勝手に思って読み始めたのが敗因……かな?
子どもたちの思いにはまったく共感できなかった。
彼らを見ていたら『虚の王』の栄司をなんとなく思い出してみました。
蛇足ですが。
私の最高の嫌悪の賛辞(?)は踏んでやりたい、です。
もうちょっと三島を理解したら、再読してみたい作品。
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