きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「神の棘 Ⅰ」須賀しのぶ(新潮文庫)
かつての旧友との再会。
蘇る青春の日々。
だが、それすら、仕組まれた事だった。
押し寄せる時代の波に抗うには、ひとりの人間の存在はあまりにも小さい。
誰かが行動を起こさなければ、世界は変わらない。
だが、それに伴う代償は、あまりにも大きい。
誰が悪い?と問われれば、そう言う時代だった、と答えるしかない。
どんな立場にあっても、足元から掬われる可能性が否めない。
出世の道を歩んでいた男ですら、一夜にして転落の一途を辿る。
「神は人を救えない。人を救うのは人だけです」
少女の言葉が胸に刺さる。
『神の棘』
タイトルの意味するところは何なのか。
突き詰めるのがちょっと怖い。
『HHhH』読了後のタイミングで読んだのは、私的には正解。
作中で語られる色々な事件や様々な人物が、よりリアルに飛び込んでくる。
そこかしこにちりばめられる不穏な気配。
ここから何が起きるのか、私たちは知っている。
この先彼らはどんな運命をたどるのか。
ドキドキしながら次巻へ。
内容(「BOOK」データベースより)
家族を悲劇的に失い、神に身を捧げる修道士となった、マティアス。怜悧な頭脳を活かすため、親衛隊に入隊したアルベルト。寄宿舎で同じ時を過ごした旧友が再会したその日、二つの真の運命が目を覚ます。独裁者が招いた戦乱。ユダヤ人に襲いかかる魔手。信仰、懐疑、友愛、裏切り。ナチス政権下ドイツを舞台に、様々な男女によって織りなされる、歴史オデッセイ。全面改訂決定版。
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