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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「女神」三島由紀夫(新潮文庫)





息を呑むほどの美しさと、思わず気持ちが落ち着かなくなる歪さが終始付きまとう表題作。
周伍の押し付けた価値観を借り物のように纏っていた依子と、
そこに自らの価値観も添加して己のものにした朝子。
「人形」で在り続けた依子と「女神」へと化身した朝子の違いはそこにあるのかな?
だけど、ラスト一文。
私は背筋がゾワリとしました。
そこには美しさだけではない、得体の知れない何かが身を隠しているような気がして。

表題+10篇。
めくるめく世界に誘われ、彼の描き出す濃密な雰囲気にどっぷりと浸かりました。
印象深すぎた『哲学』。え?何この人??と、余りにも独り善がりすぎる結末に唖然。
語れる程三島を読んでいるわけではないけれども、
ここに収められた中短編を読み進めるうちにふと思ったことがあったわけで。
それに対する答えは、彼の著作を読んでいけばわかるのかな?
とても印象的だった一文は以下。
「その場を立ち去ったのちも、香水の薫りのようにその女の雰囲気があとに漂う、
そういういいしれぬ雰囲気」
醸し出せるようなれたら、素敵だなーと思わずうっとりしてしまいました。(笑)
【憂国忌にて】

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