きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「検事の死命」柚木裕子(宝島社文庫)
故人と距離が近しいが故に、違えることのできない約束。
隠された真実を公にした第三者の決断は、多分正しい。
心に傷を抱えながら生きてきた人たちの枷が外れたことに安堵すると同時に、
彼らの過ごした年数が重くて悲しい。
佐方の検事としての在り方は、父の姿があってこそだということが、
ヒシヒシと伝わってくる。
語らずとも伝わるものは必ずある。
だけど、叶うなら、美味い酒を酌み交わし、語り合う時間を過ごしてほしかった。
彼らの世界で正しく在り続けることは、こんなにも大変なことなのだろうか?
現実的にはそうであってほしくないと思うわけだけど……どうなんだろう?
己の利益を先んじて、国民の生活の安定を蔑ろにしてはいけない、
という会話を今日していたわけですが。
権力を笠に着て真実を捻じ曲げようとする輩が蔓延ってもいけないと思います。
真実をありのままに伝える事。
当たり前のことだと思うのに。なんでみんなあんなに苦労しなくちゃいけないんだろう?
内容(「BOOK」データベースより)
郵便物紛失事件の謎に迫る佐方が、手紙に託された老夫婦の心を救う「心を掬う」。獄死した佐方父の謎の核心が明かされる、感涙必至の帰郷小説「業をおろす」。大物国会議員、地検トップまで敵に回して検事の矜持を貫く「死命を賭ける」。検察側と弁護側双方の、絶対に負けられない裁判の火蓋が切られる「死命を決する」。全4話を収録した、佐方貞人シリーズ最新刊。圧巻の人間ドラマが、胸を打つ!
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