きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「検事の本懐」柚木裕子(宝島社文庫)
検事の仕事が天職であるかのような男の在り方が、
第三者の目線で語られる連作短編集。
人として人と向き合い、検事という職務に真摯に取り組む佐方。
真実を追求することが、誰かを救う。
それが、犯罪者であっても、なくても。
誰に対しても公平で打算のないその姿勢に、背筋が伸びる思いだった。
5作目の短編「本懐を知る」は様々な想いを呑みこみ、秘密を胸に抱えて生ききった人々の物語。
秘匿し続けることは生半可な事じゃなかったと思う。
彼らの根底にあった想いは「恩義」。
そこまでの関係を結ぶことができる誰かと出逢えることは、幸せな気がする。
2016年の読み納めの本。
「本懐を知る」には『検事の死命』で続編があるんですね~。
購入済みなのでもやもやせずにすみます。
世の中には色々なタイプの人がいて、必ずしも付きあいたいと思える人ばかりではない。
仕事で係わっていくのは仕方ないけど、貰い事故みたいに絡まれるのはヤダな~、
というか、怖いな~、と3作目の短編「恩を返す」を読んで思ってみました。
内容(「BOOK」データベースより)
骨太の人間ドラマと巧緻なミステリー的興趣が見事に融合した連作短編集。県警上層部に渦巻く男の嫉妬が、連続放火事件に隠された真相を歪める「樹を見る」。東京地検特捜部を舞台に“検察の正義”と“己の信義”の狭間でもがく「拳を握る」。横領弁護士の汚名を着てまで、恩義を守り抜いて死んだ男の真情を描く「本懐を知る」など、全五話。第25回山本周五郎賞ノミネート作品。
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