きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「楊令伝 3 盤紆の章 」北方謙三(集英社文庫)
かつての彼らは、宋だけを見据え、相対してきた。
大きな敗戦を経験した今、宋のみならず、遼、金という国の情勢までも見据えて、
立ち上がろうとしている。
起するところは「梁山泊」。
掲げられる旗。
そうだよね、と、心が震える瞬間。
この巻まできて、長い長い序章を終えてようやく動き始めたという感慨深さ。
今回は子午山での場面がとても印象深い。
かつて、この地で暮らした者達の名を挙げていけば、
王進あっての梁山泊という思いが湧く。
今回旅立った花飛麟や張平のこれからに期待。
食事や船での脱糞。
日常が描かれることで、彼らがぐっと身近になる。
戦禍の中を、彼らと共に駆け抜けるのだ。
完全再読だった水滸伝とは違い、楊令伝は途中から未読。
結末を知らずに読み進めるワクワク感を味わっています。
未読の方は是非『楊家将』→『血涙』を!と心からおススメしたくなる巻。
世界は繋がっているのです。
内容(「BOOK」データベースより)
楊令は、幻王として金軍を率いながら、梁山泊の重装備部隊とも連携し、遼に侵攻した。呉用が潜入する江南では方臘の叛乱が拡大し、宋地方軍に大きな痛手を与えている。一方で聞煥章は、帝の悲願の地である燕雲十六州に、ある野望を抱いていた。ついに宋禁軍に出動の勅命が下り、童貫は岳飛を伴い江南へ出陣する。宋、遼、金国、方臘と入り乱れての闘いの火蓋が切られた。楊令伝、擾乱の第三巻。
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