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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「焦土の鷲 イエロー・イーグル 」五條瑛(徳間文庫)



第二次世界大戦敗戦後の日本。
GHQの占領統治。
日本古来からの文化・歌舞伎の継承。
天皇という存在。
原爆の悲劇。
水面下で進行する諜報活動。
役者として生きる男たちの絆。
一冊の本に様々な事象を凝縮して構築された物語。
世界史(日本史?)を学び直しているような気持になりつつ
作品世界に没入。
世界中を巻き込んだ戦争の最中にあって願うのは、
身近な者が生きて帰ってくること。自分が生き延びること。
辰三郎の無事をひたすら願った香也の想いが伝わってくるからこそ、
彼の辿った運命が辛い。
世界中を巻き込む戦争が二度と起こることがありませんように。

序章から一章半ばまで読み切るのに
想定外の時間がかかったけど、
五條さんだからおもしろくなるはず!と読み続けて正解。
読了後に改めて読み返すと、状況がわかるだけに読みづらさは皆無だった。
初読の作家さんだったら最初にもたついた時点で一度本を置いたかも。
読み手の興味を左右する書き出しって大事。

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