きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「銀河英雄伝説8 乱離編」田中芳樹(創元SF文庫)
【生きていてほしかった。たとえ連戦連敗でもいいから】
一つの時代が終わりを告げた。
凶弾に斃れた魔術師。
だが、それですべての混乱と戦いに終止符が打たれたわけではなく、
混沌を抱いたまま、時は変わらずに刻まれ続ける。
残された者達に悲哀に暮れる暇は許されず、
彼らは生きていかなければならないのだ。
ムライの引き際はあまりにもお見事でした。
一人ではヤンに成り変わることはできなくても、
力を合わせて懸命に道を探る不正規隊。
この場合「遺志を継ぐ」という言葉があまりにも妥当でないところが
何とも遣る瀬無い。
始めからヤンは戦いなど望んではいなかったのだから。
双璧の来るべき未来を示した一文が、個人的には一番耐え難いものでした。
次巻……もちろん読むけど、読みたくないわぁ。
「彼の味方に絶望を、彼の敵に失望を」
うん。
でもラインハルトの失望はちょっと身勝手だと思うの。
そして人を陥れる策略を巡らす有象無象の足元には大きな穴が開いてしまえばいい……
内容(「BOOK」データベースより)
宿敵ヤン・ウェンリーと雌雄を決するべく、帝国軍の総力をイゼルローン回廊に結集させた皇帝ラインハルト。ついに“常勝”と“不敗”、最後の決戦の火蓋が切って落とされた。激戦に次ぐ激戦の中、帝国軍、不正規隊双方の名将が相次いで斃れる。ようやく停戦の契機が訪れたその時、予想し得ぬ「事件」が勃発し、両陣営に激しい衝撃を与えた。銀河英雄叙事詩の雄編、怒涛の急展開。
PR
COMMENT