きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「魔性の子」小野不由美(新潮文庫)
壮大な物語の序章。
ここではない、どこかへ。
たぶん、誰もが一度は抱いたことのある思い。
それでも、私たちは、この現実世界が自分の在る場所だということを知っている。
だから広瀬の想いが痛いくらい理解できる。
高里の存在が痛々しく、そしてそぐわなく感じるのは、
彼の在るべき場所を知っているから。
そこにいたころの彼を知っているから。
そこにいない彼を案じる人たちを知っているから。
頭を下げることを強要される彼の姿に、「やめて!」と、悲鳴をあげそうになってしまった。
20年以上前にこの本を読んだ時、まさかここまで壮大な話になるとは思ってもいなかった。
未だに続きが楽しみで仕方がない物語です。
内容(「BOOK」データベースより)
教育実習のため母校に戻った広瀬は、教室で孤立している不思議な生徒・高里を知る。彼をいじめた者は“報復”ともいえる不慮の事故に遭うので、“高里は崇る”と恐れられているのだ。広瀬は彼をかばおうとするが、次々に凄惨な事件が起こり始めた。幼少の頃に高里が体験した“神隠し”が原因らしいのだが…。彼の周りに現れる白い手は?彼の本当の居場所は何拠なのだろうか?
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