きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「月の影 影の海」小野不由美(新潮文庫)
ある日、そこに在るのが当たり前だと思っていた世界が、足元から崩れ去ったら?
頼れる人もないまま、勝手のわからない異世界へと放り込まれてしまったら?
問いかけに浮かぶ感情は恐怖でしかない。
異界で言葉に苦労をしなかったことが唯一の救いだろう。
だが、それも、選ばれた者にのみ与えられた特権なのだということを、彼女は知る。
途方に暮れてただ泣くだけだった世界で、何とか生きようと足掻き始める陽子。
野性味を帯びた生命力は若さ故の特権。
騙されながらも世情を学び、次第に逞しさすら感じられるようになる心理。
けれども、飢えと疲労と怪我で痛めつけられた肉体の限界はごまかすことができない。
何故こんなことになってしまったのか?
混乱の拭えないまま、次巻へ。
内容(「BOOK」データベースより)
「お捜し申し上げました」―女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。怒濤のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。
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