きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「いちご同盟」三田誠広(集英社文庫)
「どうせ死ぬのに……」の言葉の後に10代の私が抱えていたクエスチョンは
「何のために生きるの?」だった。
死の淵に立った瞬間でもその答えは出ないかもしれない。
それでも存在意義を突き詰める息苦しさから抜け出た当時の私の答えは
「生きるために生きる」だ。
だが、それも選択できる未来があるからこそだと思わされる、直美の言葉が辛い。
15歳の少年と少女が向き合うには、あまりにも酷な現実。
人が人である限り、逃げることができない運命から目を逸らさずに、
真摯に立ち向かった彼らは、この先、強くやさしく在れる。
その命を大切にできる。
同じ哀しみを知っている心強い盟友と共に。
『四月は君の嘘』からの『いちご同盟』
かをりがこの本を読んでいたことに、何とも言えない想いを噛みしめました。
内容(「BOOK」データベースより)
中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、良一もよい話し相手になって彼女を慰める。ある日、直美が突然良一に言った。「あたしと、心中しない?」ガラス細工のように繊細な少年の日の恋愛と友情、生と死をリリカルに描いた長篇。
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