きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「高い城の男」ディック(ハヤカワ文庫)
もしもWWⅡで枢軸国側の勝利に終わったら?
ドイツと日本が支配する世界の中で、
「易経」が人種を問わずにはびこっていることに驚く。
勝者の入れ替わりはテーマ的に面白いけど、
個人的には「易経」を抜きにしたその世界を読みたかった。
私に易経の知識がほぼないことも理由の一つだけど、
自身の選択や結果を易経に求める感覚に相容れない。
自己責任!
というか、私と言う「個」の選択に胸を張りたい。
自分が決めて掴み取った未来なんだと。
それでも、様々な階級や立場の人たちが
右往左往しつつ懸命に生きる姿は追っていて楽しかった。
先が気になって一気に読ませるだけの吸引力がありながらも、
読後にどこかで置いてけぼり感を感じてしまった感覚は
カフカの『城』に近い。
まぁ、「高い城の男」にはちゃんと出会えたけど(笑)
【ガーディアン必読110/1000冊】
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