きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「くろねこのなみだ」夏乃穂足(ショコラ文庫)
黒猫クロの、一途で純真な恋物語。
猫として克己に愛されていたクロ。
ひょんなことから人間の瑞樹と身体が入れ替わってしまったクロの、
人間になっても猫でいた時と同じように克己に愛されたいと思うが故の
一生懸命な言動や、気持ちのすれ違いが切ない。
求めることを諦め、克己の幸せだけをひたすら願うクロの言葉に、たまらず涙。
人生を諦めてしまった瑞樹の絶望も哀しいし、
事情を知らない克己の己を律しようとする苦悩もお気の毒。
それでも、バラバラだった彼らの想いが徐々にまとまっていく。
あたたかな家。抱きしめてくれる腕。大好きなあなた。
孤独だった彼らがひとつ屋根の下に集って手にすることができた幸せを
噛みしめて読了。
強面ヤクザの小暮と美人猫マリアンの組み合わせがお気に入り。
そして、仔猫のラッキーにとてもとても癒される。
瑞樹が猫としてでも「生きたい」と思えるようになって良かった。
内容(「BOOK」データベースより)
人間不信の黒猫は、ケガをしたところを獣医の犬飼克己に保護され、クロと名づけられる。人には無愛想だが動物には優しい克己のそばは心地良く、このまま一緒に暮らすのも悪くない―そう思った矢先、散歩中に猫殺しに襲われ瀕死の状態に。なんとか克己の元に帰りたいと願いながらも意識を失ったクロが次に目覚めた時、その心は見知らぬ青年の体の中に入っていた…。人間に恋した黒猫のピュアラブストーリー。
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