きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「天球儀の海」尾上与一(Holly NOVELS)
昭和二十年。
自分の想いを声高に告げることのできなかった時代。
自分の望むように生きることのできなかった時代。
自分の命ですら、自分の物ではなかった時代。
それでも。
資紀を真摯に想いつづけた希。
強いくらいの情と決意で、希に対する想いを貫いた資紀。
彼の想いを希が汲み取った瞬間は本当に胸が軋みました。
相手にとって良かれと思うことでも、相手がそれを望んでいなかったら?
自分が相手の命を守りたいと思うのと同じように、
相手もまた、自分の命を守りたいと思っていたのだとしたら?
どちらの想いも痛いくらい伝わってきて、やるせなさ感が半端なかった。
内容紹介
命を懸けた、せつない片想い。
希は特攻に行くことを決めた。
町の名家の跡取りの、1人息子である坊ちゃん、
資紀の身代わりとして――。
幼いころ、希は危ないところを資紀に助けられた。
資紀が現れなかったら
自分に命は五歳で消えていた。
坊ちゃんとお国のために死ねるなんて、
なんと幸せなことだろう。
希は十数年ぶりに坊ちゃんと再会するが……。
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