きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「愛してると言う気はない」英田サキ(SHYノベルズ)
振り翳した正論は、時に人の心を深く抉る。
正しいと思ってしたことが、鋭利な刃となって他者を傷つけることを、
刃を繰り出した本人は自覚するといい。
陣内の正しさは、とても息苦しい。
例えば我那覇のような男の傍にいることは、天海にとっては楽だろう。
だけど、同じ側に立つ者の傍にいては、彼は多分堕ちていくだけだ。
そして安らぎは得られない。
だから天海には陣内が必要なのだ。
安らかな眠りにつくために。
付かず離れず歩んできた12年の歳月。
恋焦がれた想い人寄り添えることの至福を抱きしめて、生きていってほしい。
前作とは打って変わった天海のラストの想いに安堵しました。
陣内重い。いや、うざい(笑)
でも、そこまで真摯に向き合ってもらえたら、
それはとても幸せだよなーと、思ってみました。
途中大笑いしながら読んでいたんだけど、さすが英田さん。
思いっきりしんみりさせられてしまったわ。
内容(「BOOK」データベースより)
三年前に警察をやめ、現在、ひとり『陣内探偵事務所』を経営するしがない探偵、陣内拓朗には、とびきり特別な恋人がいる。それは新宿歌舞伎町一帯をシマに暗躍する、美形だが凶暴なヤクザ、天海泰雅だ。見てくれの繊細さとは裏腹に、東日本最大の暴力団組織、紅龍会の直系二次団体周藤組の幹部であり、『周藤の虎』と呼ばれ、恐れられている男だ。恋人になったとはいえ足蹴にされ、おまけに最近では、陣内の尻に執着を見せつつある。そんなある日、ひとりの青年がある人物の説得を依頼してくるのだが!?悲しくも愛しいヤクザと探偵のラプソディ。
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