きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「おれのおばさん」 佐川光晴(集英社文庫)
【人と人とはお互いの何もかもを知らなくてもつきあっていけるのだし、
だからこそ、いつかすべてを知っても、それまでと変わりなくつきあいつづけられるのだ。】
それぞれの事情を抱え、児童養護施設で暮らしながらも、現実を見据え、懸命に生きていく中学生の子供たちと、
彼らの成長をあたたかく、時にきびしく見守るおばさんとの物語。
親の犯罪や虐待等の過酷な体験をしながらも、
自分のおかれた環境に腐ることなく、相手を思いやり、互いの自主性を尊重し、
人としてまっすぐに育っていく彼らの成長過程は、読んでいてとても心強い。
なんにだってなれると信じて全力で生きる。
忘れかけていた熱い想い。
なんだかパワーを注入してもらったような気持ちになれる一冊でした。
内容(「BOOK」データベースより)
ある日突然、父の逮捕を知らされた陽介。父が横領した金を返済するため、陽介は都内の名門中学を退学し、母の姉が運営する札幌の児童養護施設、魴〓(ぼう)舎に入ることになる。急激な暮しの変化に当惑しながらも、パワフルなおばさんと個性豊かな仲間に囲まれて、陽介は“生きる”ことの本質を学んでゆく。ときに繊細で、たくましい少年たちの成長を描いた青春小説。第26回坪田譲治文学賞受賞作。
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