きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ハードラック」薬丸岳(講談社文庫)
【それができるのはあなたの親だけなんだから】
職を失い、住む場所を追われ、なけなしの金をだまし取られて立ち竦む。
闇の掲示板を除いてしまったが最後、逃れられない蜘蛛の糸に絡め取られるように
泥沼にはまっていく。
だが、強盗殺人という濡れ衣を着せられ、
ジワジワと追い詰められても、仁は諦めなかった。
自らの手で真相を究明すべく、必死で真実を追い求める。
そして明らかにされる真相は、あまりにも悲惨でいたましいものだった。
これは、現代の日本だからこそ、起こり得る犯罪。
母親という存在が、自分を無条件で愛し、信じてくれることが
どれほど心強く幸せなことなのか。
思わず噛みしめるラストでした。
結局、仁は一人きりではなく、たくさんの人の助けを借りられたからこそ、
真実にたどり着くことができた。
彼が本当に一人で孤独だったら……?
身近に起こりうることであり、決して絵空事ではないと思わせる
リアリティに言いようのない恐怖感が募った。
内容(「BOOK」データベースより)
二五歳にもなって日雇い仕事する失い、「大きなことをするため」闇の掲示板で四人の仲間を募った仁は、軽井沢で起きた放火殺人の汚名を着せられてしまう。なぜおれを嵌めた?信じられるのは誰だ?手探りで真犯人を探す仁、闇世界の住人たち、追う刑事。物語は二転三転し、慟哭の真相へと向かっていく。
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