きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「不夜城」馳星周(角川文庫)
【おれはおまえを連れていきたい。おまえが望む場所にだ。
だけどな、そんな場所はどにもないんだよ】
愛しさを感じた女を信じることができなかった男。
助けを求めてすがった男を信じられなかった女。
唯一の拠り所は自分自身。行きつく先は、喰うか、喰われるか。
常に一手先を読み、保険をかけておかなければ明日につなぐことのできない命。
それでも信頼に値しない相手。掬われる足元。
裏切りと計算の渦巻く殺伐とした世界に身を置く者たちの末路は憐れでもあり、物悲しくもある。
彼らにとってのやすらぎとは、愛情とは、いったい何なのか。
問いかけてみたところで返ってくるものは、空しさだけだった。
内容(「BOOK」データベースより)
新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。バンコク・マニラ、香港、そして新宿―。アジアの大歓楽街に成長した歌舞伎町で、迎合と裏切りを繰り返す男と女。見えない派閥と差別のなかで、アンダーグラウンドでしか生きられない人間たちを綴った衝撃のクライム・ノベル。
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