きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「刑事の約束」薬丸岳(講談社文庫)
短編5編収録。
家族に対する愛情が滲む「無縁」と「被疑者死亡」。
「不惑」は過去の柵からの解放。
「終の住処」自らにも息子にも毅然とした態度を崩さなかった野坂。
ちょっとだけ。ちょっとだけ自分を甘やかしてあげてもいいと思う。
生きているうちにしかできないことって、間違いなく在る。
色々噛みしめながら読み進め、
表題でもある「刑事の約束」に読後の余韻は全部持っていかれる。
やりきれない。
夏目が絵美にした約束は、とてつもなく重い。
彼はそれを、生涯背負って生きていくのだろう。
彼がその約束を違えることがないことは、迷いなく信じられるけれども。
壊れかけた彼の心の修復には、どれだけの時が必要なのだろう?
読友さんに、文庫化された薬丸作品は全部読みました!とご報告しましたが☆
『神の子』を買うのをすっかり忘れていたことを、思い出しました。
短編もいいけど、私はやっぱり長編読みなので、上下巻というボリュームにわくわくなのです。
感想をUPしていない『虚夢』はそのうち。
内容(「BOOK」データベースより)
万引き事件を起こした少年は、得体の知れない女とひっそり暮らす無戸籍児童だった。憐れむべき存在かと思えた少年はしかし、刑事・夏目の捜査で予想外の相貌をみせる(「無縁」)。割り切れない事情が、時にやりきれない犯罪を生む現代。絶望がしのび寄る乾いた世の中に、わずかな希望のありかを探る傑作短編集。
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