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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「君が夏を走らせる」瀬尾まい子 (新潮文庫)



ある日突然三歳児を私一人で預からなければならなかった時のことを思い出す。
子どもは私に慣れていたし、意志の疎通もできる年齢だったけど、
それでも子育て経験のない私はドキドキしっぱなしの一日だった。
大田くんが預かったのは面識のない二歳に満たない子ども。
私の困惑の比ではなかっただろうけど。
全力で鈴香と向き合った彼の奮闘ぶりと、
彼になついていった鈴香の様子を追いながら
暖かな気持ちがこみ上げる。
手作りの食事を食べさせようとするとか、ホントやさしい。
例えこの先会えなくても。
夏の思い出と小さな応援団の声を糧に、キラキラした未来を手にできるはず。



少し認知症気味だった祖母が、女学校時代の同窓会に出席するために
電車に乗って目的地へ。
仕事があって祖母を現地まで送り届けることができなかった母は、
電車まで送って行って、近くの席に座っていた金髪ロン毛の男の子に祖母を託したそうな。
「目的地で下ろしてあげてください」って。
(彼の目的地は祖母が降りる駅より先だった)
話を聞いた時、嘘でしょ!?とびっくりしたけど、
何と彼、祖母を最寄り駅で下ろすだけではなく、迎えの人が来てくれるまで
祖母と一緒にいてくれたそうな。
母に見る目があったのかな。
大田くんみたいな子、身近にいました(笑)

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