きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「嘘」北國浩二
【いまさら過去を変えることはできん。
だが、ひょっとしたら、明日は変えることができるかもしれん】
真実の世界があまりにも辛くて、耐えがたいものだから。
だから、人は嘘をつく。
逃げるために。守るために。幸せになるために。
それは、優しい嘘。本当の幸せを得るための嘘。
その嘘を責めることは、誰にもできない。
認知症と虐待。
重いテーマを軸に物語は展開する。
認知症を発症しなければ、再会は叶わなかったであろう親娘。
嘘から始めなければ親子になりえなかった女と少年。
嘘からはじまった三人での家族生活。
次第に打ち解けていく彼らの姿は確かに親子だった。
だが、歪な悪意がそんな幸せを一瞬にして粉々に打ち砕いてしまう。
それでも、彼らの絆は壊れなかった。そのことに心から安堵する。
内容(「BOOK」データベースより)
あの夏、私たちは「家族」だった―。息子を事故で亡くした絵本作家の千紗子。長年、絶縁状態にあった父・孝蔵が認知症を発症したため、田舎に戻って介護をすることに。そんな中、事故によって記憶を失った少年との出会いが、すべてを変えていく。「嘘」から始まった暮らしではあるものの、少年と千紗子、孝蔵の三人は歪ながらも幸せな時を過ごす。しかし、破局の足音が近づいてきて…。ミステリ作家が描く、感動の家族小説。
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