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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「人間失格」太宰治(新潮文庫)



自分を偽りながら生きていく世界での孤独感。
どこにも行き場がない閉塞感。
それでも、彼には行く先々で受け止めてくれる女がいて、
見捨てずにいてくれた家族がいた。
どうにかしようがあったのに、と思う。
でも、どうにもなりようがなかったのは、
結局は彼自身がどうにかなることを望まなかったからだ。
周囲に心を許さず、不運にも見舞われ、
次第に追い込まれていく葉蔵に共感しすぎて、
息が詰まりそうになった10代の頃。
自分が年を重ねたせいなのか、精神が健全になった?せいなのか。
始終客観的に読み切ってしまったことが少し淋しかった。

16歳の私の感想を引っ張り出してみた。←日記代わりに読書記録つけてたんです(笑)
綴られているのは葉蔵に対する強い共感と激しい反発。
存在意義を模索していた頃の青臭い言葉を延々と吐き出しつつ、
最後の一文は「絶対に逃げない」で結ばれていて、
当時先の見えない人生と闘っていたんであろう自分の負けん気に笑ってしまった。


内容紹介

「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。だれもが自分のことだと思わせられる、太宰治、捨て身の問題作。

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