きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「天国はまだ遠く」瀬尾まい子(新潮文庫)
人生という果てのない航路を進むにあたって、
すべての物事が自分の思い通りになることはまずあり得ない。
壁にぶつかり、人間関係に悩み、こんなはずでは、という思いに窒息しそうになりながらも、
自分なりの人生を歩み続けていかなければいけないのだ。
そして、人生はささいなきっかかけで、マイナスにもプラスにも転換する。
自殺を決行するほど思いつめていた千鶴が人生の終焉を迎える場所を彼の地に選んだことで、
彼女の人生は好転する。
田村との出会い。
何処までも美しく、雄大な自然。
ゆったりと流れる時間の中で活力を取り戻した彼女は、自分のいるべき場所へと戻っていく。
だが、それはこの土地や田村との永遠の別離ではない。
こんな人生のリセットの仕方も悪くない。
そんなふうに思わせてくれる本でした。
内容(「BOOK」データベースより)
仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。23歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。辿り着いた山奥の民宿で、睡眠薬を飲むのだが、死に切れなかった。自殺を諦めた彼女は、民宿の田村さんの大雑把な優しさに癒されていく。大らかな村人や大自然に囲まれた充足した日々。だが、千鶴は気づいてしまう、自分の居場所がここにないことに。心にしみる清爽な旅立ちの物語。
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