きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「黙約 ブラディ・ドール6」北方謙三(角川文庫)
【藤木、で死ねますか】
覚悟の訣別。刻まれた墓碑銘。貫かれた男の矜持。不器用な誠実さ。
最期の瞬間に、逢えてよかった……(号泣)
誰もが誰かの為に奔走した男たちの連携はいっそ小気味良く、
この時間がずっと続けば良いのに、と、途中で何度も思った。
川中に見守られる中「いい思いしました」という言葉を残して止まってしまった藤木の時間。
だが、残された男たちの時間は流れ続ける。
自らに課した最後の一線を越えてしまったキドニーの苦悩。
誰もに愛される川中の孤独。そして、
藤木のライターをその想いと共に継承した坂井。
これは喪失の物語。
だが、忘れまいとする人がいる限り、人は死なない。
ブラディ・ドールはただその場所に在り続ける。
内容(「BOOK」データベースより)
砂糖菓子のように崩れていく―。女はそう形容した。そんな男に魅かれるのだと…。手術に抜群の技量をもちながら、野心に背を向け、場末をさまよう流れの外科医。闇診療に手を染めたのも、港町の抗争に巻き込まれたのも、成り行きで意地を張ったのがきっかけだった。だが、酒場に集う男たちの固い絆が外科医の魂に火を点けた。死ぬために生きてきた男。死んでいった友との黙約。そして、女の激しい情熱につき動かされるようにして、外科医もまた闘いの渦に飛び込んでいく。“ブラディ・ドール”シリーズ、待望の第6弾。
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