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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「残照 ブラディ・ドール7」北方謙三(角川文庫)



【過ぎた時間は、幻だったと思うことだ。でなけりゃ、やっていけんよ】

過ぎた時間は幻だと思え。でなければやっていけない。
下村にそう言った川中は、だが、すべての過去を抱えて生きている。
彼の眼に宿る暗さは、抱えたものの重さと喪失の悼みの現れなのかもしれない。
自らの死を覚悟した沖田を中心に、持ち上がる騒動。
沖田を守ろうとする川中たち。
死に向かう沖田に惹かれる女たち。
そんな沖田の姿から何かを感じ取ろうとする下村。
自らの生きる道を決めきれず、
ただひたすらに自らの在り方を模索する姿は若者らしくて好ましい。
友だちがいる限り、自分のやったことは無駄じゃない。
そう言って眠りについた叶。
彼の存在もまた、ブラディ・ドールの男たちの胸の中で生き続けるのだ。


内容紹介

消えた女を追って来たこの街で、青年は癌に冒された男と出会う……青年は生きるけじめを求めた。男は生きた証を刻もうとした。己の掟に固執する男の姿を彫りおこす、”ブラディ・ドール”シリーズ第7弾。

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