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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「川の深さは」福井敏晴(講談社文庫)



【安い命なんてないんだ。
 おまえはもう、ひとりじゃないんだぞ!】

保の痛々しいまでのまっすぐさと頑なさ、そして一途さに
ただひたすら感情を抉られ、揺さぶられつづけた初読の時。
今回は、保と出会うことによって人生に対する活力や彩りを取り戻していく桃山や、
己の人生を力強く生き抜こうとする金谷に気持ちが傾倒した。
歳のせい?(笑)
桃山が変わったように、保もまた、桃山に感化されるように、
人間らしさを取り戻していく。
保が桃山の名前を呼ぶシーンには涙を誘われずにいられない。
人は独りでは生きられない。
想いを託すことのできる誰かがいるからこそ、強く在れる。
ダイス誕生秘話、ともいうべき本書。
日本という国のありようも考えさせられた。


内容(「BOOK」データベースより)

「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた地下鉄テロ事件の真相が教える、この国の暗部とは。出版界の話題を独占した必涙の処女作。

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