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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「悪と仮面のルール」中村文則(講談社文庫)



爽やかな恋愛小説。
と、言い切ったら語弊があるかな?
一つの愛の終わりと、新たな愛の始まり。
自己の内面と対峙し、運命と真っ向から向き合い、
逃げることなく生ききった、とある男の人生。
悪だ邪だと御託を並べた男たちは、結局は人生に倦み、無聊に呑まれ、身を滅ぼしていく。
自らを弄ぼうとする運命に巻き込まれるまいと、必死で抗った彼の生き様は、
結局は心から守りたかったものを守り通したとも言える。
かつての己の言葉通りに。
他人の顔が自らの顔として定着していく様は、多分、生命の証。
彼を見送った後、医師や探偵の歩んできた人生が妙に気になった。

悪党(であろう人)たちがペラペラしゃべる言葉がなんだか薄っぺらく感じられる。
内省する彼の言葉の方がよっぽど重くて悲痛だ。
とはいえ、とても読みやすい中村文則作品だと思います。


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