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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「時のアラベスク」服部まゆみ(角川文庫)



そしてすべての真実が闇の中に葬られるのだとするならば。
殺された人たちはあまりにも救われない。
殺人事件が起きたというのに、危機感のなさすぎる人々の対応。
探られたくない腹を抱えていたからこそ、警察の介入を忌避した慶。
だが、彼の主張を通した人たちもまた、同罪だ。
推測の域を出ない無責任な言葉が、新たな悲劇を生む。
春美の無神経に過ぎる言動も相乗効果になって、
途中までひどくイライラしながら読み進めていたのだけれども。
亮が気づいた真実。千秋の語った真実。そして当事者たちからの手紙。
真実が解き明かされていく最後の展開にはぐっと引きつけられてしまった。

ロンドン、ブリュージュ、そしてパリ。
憂鬱そうな空の下の異国の地に、降り立ってみたい。
そんな想いに駆られる読後でした。


内容(「BOOK」データベースより)

東京、冬。出版記念会の席上に届けられた一本の真紅の薔薇から、惨劇の幕が開く。舞台は、ロンドン、ブリュージュ、パリを経て、再び東京の冬へ。相次いで奇怪な事件が続発し、事態は混迷の度を深めていく。精緻な文体と巧妙なトリックを駆使して、人生の虚飾と愛憎を描く、本格長編推理。第七回、横溝正史賞受賞作。

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